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これこそいい意味での「校長先生の話」のお手本・・・校長先生の話って退屈なものですか?

2021年03月01日 | 学校経営
 昨日は、「管理職の話は面白くないと言われないためのアドバイス・・・野口流「校長先生のお話」の方針」を書いた。

 ここで野口先生ならではの「校長先生のお話」の方針を5つ紹介した。

 この5つの方針のうち、特に1と2を見事に具体化した校長先生の話がある。
 
1 子供にも、教師にも楽しみにされる話をする。そういう集会にする。

2 担任が話すべき内容は話さない。特に「注意」や「お説教」


 この方針に沿っている「校長先生の話」が詰まっているのだ。

 それが次の本である。

 校長先生の話って退屈なものですか? ← クリック

 著者は段正一郎氏、宮崎県で高校の校長先生をされた方である。

 入学式や始業式、終業式それぞれで話された内容が掲載されている。

 例えば、平成25年7月31日 1学期の終業式での話



 タイトルは、「私の17歳の夏」

 著者は、17歳の夏に、母親ががんで入院していたにもかかわらず、九州一周サイクリングの旅に出かけた話を具体的に書いている。

 母親の病気が治る願掛けもしながらのサイクリングである。

 17歳の夏に感じたであろう心理描写や情景描写も見事である(が、長くなるのでここには書かない)

 17歳の夏の体験談を語ったあと、次のように続ける。



 なぜ、今日皆さんに、このような話をしたのか。

 夏休みだから映画を観なさい、と言いたいわけではありません。

 また、サイクリングに行きなさい、と言いたいわけでもありません。

 私は、三十七歳の夏にお前は何をしていたか、と聞かれてもすぐには答えられません。

 四十七歳の夏はどうだったか、と聞かれても答えられません。

 でも、十七歳の夏はどうだったか、と聞かれれば鮮明に記憶しています。

 高校時代というのは、特別な三年間だと思います。

 青春という言葉で彩られるほど美しくはありません。

 どちらかというと、苦しくて、惨めで、つらい季節だと思います。

 どうか、私がそうであったように皆さんにももがいてほしいと思います。

 その体験が、皆さんの人生の基礎を作ってくれるような気がします。

 さて、明日から、つかの間の夏休みです。

 夏休みとはいっても、皆さんは多忙ですね。

 時間をうまく使って、何か皆さんの心に残るような経験ができることを願っています。






 きっとこの高校の先生や生徒達は、校長先生の話を楽しみにしていたことだろう。

コメント
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