スギは、太平洋側と日本海側とで形態や生態に違いがあります。
林業用語では太平側のスギは表杉、日本海側のスギを裏杉といった言い方をします。
個人的には太平側と日本海側というより雪が少ない地域と雪が多い地域とわけるほうが正確かな?と思います。
伏状更新は枝が垂れ下がり枝が地面に設置したところから発根して更新する単為生殖の一種です。
この性質は日本海側のスギに多く見られ更新の大半は伏状更新によって行われます。
一方太平洋側のスギは種による更新が多いです。
こういった性質の違いから日本海側の耐雪地域のスギを変種として分類されています。
この更新の差に数年前から興味を持ちスギの伏状更新に注目して森歩きをしています。
2年前に出かけた雨飾山のスギの伏状更新は面白かったし、昨年と今年訪ねた富山県魚津市の片貝川上流にある洞スギも伏状更新によって巨木となったと思われます。
スギは本来、暖温帯の針葉樹であるのですが、伏状更新するという性質を持ち得たスギは氷河期を乗り越え、多雪地域にも生き残れたと思われます。
繁殖方法に差が見られるスギは遠い将来、分化が進み別種となるのかな?なんて思ったりするとスギの観察も面白くなります。
あと、伏状更新ができる日本海側のスギの中には花をつけない個体もあります。
これらを選抜したものが無花粉スギとして知られるようになってきました。
こういったスギを花粉症対策として植栽しようという取り組みが東京都などで推進しようとしています。
この取り組みは林業振興と花粉症対策を両立させようとすることで評価できる取り組みであるという考え方が支配的です。
しかし、耐雪地域に適応したスギを雪の少ない太平洋側に植栽するという行為は生物の多様性の観点からみると、遺伝子の攪乱行為でもあるいう見方もできますが、「日本海側のスギから選抜した無花粉スギを太平洋側に植えるのは遺伝子攪乱で生物の多様性の遺伝資源の保護の概念に反する」と言って反対する人には今のところ会ったことはありません・・・
2010年に名古屋で生物の多様性条約締結国会議(COP10)が開催され生物の多様性に関心を持つ人が多くなったと言われますが本当にそうなの?なんてことを考えてしまいます。
いつものように最後は話が、ずれてしまいましたがスギの伏状更新というのは面白いと思っていますので日本海側のスギの観察をテーマにした森歩きを今年の秋もしたいと思っています。
こんなことを考えている中で井洞林木遺伝保存林での研修会を企画したので、当然のごとく伏状更新に注目した内容となってしまったのでした。
研修を終えてから思ってはいけないのですが、ちょいと偏った内容だったかなと少し反省しています・・・(管理人)
伏状更新したスギの幼木です。何故か親木が無い...(郡上市白鳥町二日町字井洞)

垂れ下がった枝が地面に接地すると発根します。(雨飾山)

雨飾山の尾根部の厳しい気象条件で伏状更新して生きるスギ

洞スギ、伏状更新を繰り返し巨木となったと思われます。

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林業用語では太平側のスギは表杉、日本海側のスギを裏杉といった言い方をします。
個人的には太平側と日本海側というより雪が少ない地域と雪が多い地域とわけるほうが正確かな?と思います。
伏状更新は枝が垂れ下がり枝が地面に設置したところから発根して更新する単為生殖の一種です。
この性質は日本海側のスギに多く見られ更新の大半は伏状更新によって行われます。
一方太平洋側のスギは種による更新が多いです。
こういった性質の違いから日本海側の耐雪地域のスギを変種として分類されています。
この更新の差に数年前から興味を持ちスギの伏状更新に注目して森歩きをしています。
2年前に出かけた雨飾山のスギの伏状更新は面白かったし、昨年と今年訪ねた富山県魚津市の片貝川上流にある洞スギも伏状更新によって巨木となったと思われます。
スギは本来、暖温帯の針葉樹であるのですが、伏状更新するという性質を持ち得たスギは氷河期を乗り越え、多雪地域にも生き残れたと思われます。
繁殖方法に差が見られるスギは遠い将来、分化が進み別種となるのかな?なんて思ったりするとスギの観察も面白くなります。
あと、伏状更新ができる日本海側のスギの中には花をつけない個体もあります。
これらを選抜したものが無花粉スギとして知られるようになってきました。
こういったスギを花粉症対策として植栽しようという取り組みが東京都などで推進しようとしています。
この取り組みは林業振興と花粉症対策を両立させようとすることで評価できる取り組みであるという考え方が支配的です。
しかし、耐雪地域に適応したスギを雪の少ない太平洋側に植栽するという行為は生物の多様性の観点からみると、遺伝子の攪乱行為でもあるいう見方もできますが、「日本海側のスギから選抜した無花粉スギを太平洋側に植えるのは遺伝子攪乱で生物の多様性の遺伝資源の保護の概念に反する」と言って反対する人には今のところ会ったことはありません・・・
2010年に名古屋で生物の多様性条約締結国会議(COP10)が開催され生物の多様性に関心を持つ人が多くなったと言われますが本当にそうなの?なんてことを考えてしまいます。
いつものように最後は話が、ずれてしまいましたがスギの伏状更新というのは面白いと思っていますので日本海側のスギの観察をテーマにした森歩きを今年の秋もしたいと思っています。
こんなことを考えている中で井洞林木遺伝保存林での研修会を企画したので、当然のごとく伏状更新に注目した内容となってしまったのでした。
研修を終えてから思ってはいけないのですが、ちょいと偏った内容だったかなと少し反省しています・・・(管理人)
伏状更新したスギの幼木です。何故か親木が無い...(郡上市白鳥町二日町字井洞)

垂れ下がった枝が地面に接地すると発根します。(雨飾山)

雨飾山の尾根部の厳しい気象条件で伏状更新して生きるスギ

洞スギ、伏状更新を繰り返し巨木となったと思われます。




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