弟が、「桑の実がいっぱい熟れとるんでジャムなんか作れないだろうか、」と言います。「できるできる、今度採りに行くから、」と話したのですが、採りに行く前に娘が知り合いの家からたくさん貰ってきました。
大粒のきれいな実。娘の家のカイコを育てた、無農薬の桑の木で採れました。
早速ジャムにすることにしたのですが、一つ問題が。
それは実の根本に付いている緑の柄。1センチほどの細い細い柄なんですが、これが邪魔な上に、割と外れにくい。ちゃんと取ろうとしたら実が潰れて紫の汁が手につくのです。
先に火を通した方が外れやすいのかなあ。
そこで、水分を出すために砂糖をまぶしました。それがそもそも失敗。やはり砂糖は最後に入れるべきでした。
汁がたくさん出ました。
汁をとって薄めて飲んでみました。
うーん 砂糖の味はするけど、酸味は全くなくて、かすかにサボテンのような青くさい匂いが。ソーダ水で割ったら美味しいかも。
それからが大変でした。確かに生よりは煮たほうが柄は外れやすかったけど、それだけを取り出すのが簡単ではなかったのです。ざるに入れて濾してみても、フォークに挟んで取り除いてみても、なかなか取り出せなくて…最初から一つ一つもぎ取っておいたらよかった、と後悔したのでした。
それに
粘りがありません。甘いだけのジャムは締まりがない味で、物足りません。レモンの搾り汁を2個分くらい入れて味はよくなりました。とろみも少々はつきましたが、もともとペクチンの少ない実だものですから、やはり
ばさついています。だけどあえてペクチンを加えることはしませんでした。余計なものは入れないのがわたしのやり方なので。
瓶を熱湯消毒し詰めました。
右の赤いのは、いちごジャム。レンジでチンして実をざっと潰しただけのプリザーブドタイプ。桑の実ジャムの後では、まあ、なんと簡単だつたこと。
せっかく実家にたくさんなっているんだから、もう一度作ることにしました。
母が植えた桑の木です。戦時中子ども時代過ごした母は、シャシャブやユスラ、ビワなどがおやつでした。その中で、桑の実は大変おいしかったそうです。
わたしが観賞用にと思って植えた桑が美味しくて、羨ましくなった母は自分の家にも植えました。その木がまだ健在です。さらに、植えたはずのない場所に、もう一本。実がなるまでに大きくなっていたのです。おそらく鳥が運んできたのでは?みんなの予想です。
シャシャブも鈴なり。
わたしもおやつ代わりに食べた懐かしい木。梅雨の頃、実を取ろうとすると枝の間からにゆるっとヘビが首を伸ばしたりして、なかなかスリルのあるおやつ取りでした。
ちようど義妹が仕事から帰ってきて言うことには、「友だちが、味がないって言うのよ。シャシャブは酸っぱいんだって。」彼女は生の果物は食べられません。
どれどれ
!!
本当だ。雨の降った翌日、水っぽいだけの実でしたが、砂糖を入れるし、レモン汁も入れるし、大丈夫でしょう。
取ろうとして、発見。これ、毒のあるやつじやない?
違うじゃろ。弟はひょいとつまんで捨ててしまいましたが、多分モンシロドクガだと思います。危ない、危ない。
毛虫に用心しつつ、まだ熟れてない赤いのも取りました。その方が適度に酸味があるかな、と思って。
手がー殺人鬼みたいになりました。
今度は先に柄を取りました。またまた殺人鬼の手になりましたが、煮てから取るよりはちょっとだけ楽だったです。ちょっとだけね。面倒なことに違いはありませんでした。
ジャムと言うにはゆるく、ソースというにはちょっと硬い、すごい色のジャムができました。
混ぜたら柔らかい色になるかも。
美味しいのですがなにしろ匂いがないので、言われなければなんのジャムかわからないかも。
おまけ
去年の暮れに作ったクランベリー(ツルコケモモ)のジャム。たまたまたくさんの実がでに入ったものですから。
これもあまり匂いはなくて、わずかに渋みが感じられました。
ちょっとワイルドな味のジャムでした。ちなみに上の方のは柚子のマーマレードです。