母の日のプレゼントを何にしようかと迷っていたぶじこ。 いいものがない、ということで子どもたちみんなで歓喜庵の入浴とお食事をプレゼントしてくれることになりました。
歓喜庵は西条市の山の中にある隠れ家のような温泉。 以前ぶじこがお友だちに連れて行ってもらってとってもよかったと感激して帰ってきた場所です。 予約をしているときからわくわく。
「道は前に行ったからわかります。」 ぶじこは電話で自信たっぷりに言っていました。
京屋旅館別館とありましたから、まずは京屋を目指せばいいのかな。 京屋は石鎚登山ロープウェイのところにあったと思います。 わたしたちは標識通り石鎚登山ロープウェイに向かって車を走らせました。
雨女のぶじこが企画したことだからーと心配しましたが、幸いにも空は曇り、 山の中はしたたるような緑、 川の水は清く澄んで、気持ちのよいドライブでした。
途中、黒瀬ダム付近で四国88カ所の横峰寺へ行く道と、ロープウェイに行く道とに分かれます。 わたしたちは黒瀬ダムの美しい景色を左に見ながらロープウェイに行く道をまっしぐら。 しばらく行ってからぶじこが、こんな道だったかなあと言い出しました。 ダムに記憶がないというのです。 でもほかにどんな道があるのよ。 「こんなに遠くなかったと思う、前は迷って横峰さんまで行ってしまって引き返した覚えがある」と言うのです。
行けども行けどもそれらしきものは見あたらず、予約時間をすでに30分過ぎています。 携帯電話は圏外を示しているし、とにかくロープウェイの所まで行って聞くことにしました。 他に家がないんですもの。
「こんな企画するんじゃなかった。洋服にしておけばよかった。」
道はわかっているはずだったのに、全く覚えてなかったことがわかって、いつもは陽気なぶじこが、だんだん無口に不機嫌になってきました。 それをぶじおくんが「元気をだして」と慰めつつ、「全然覚えてないん?」 とからかいつつ、とうとうロープウェイのところまで来ました。
京屋の売店でたずねましたところ、それは横峰さんへ行く道を行かなければーという返事。 あらら、7キロも登ってきたのに・・・・ 公衆電話で遅れる旨伝えて引き返しました。
横峰寺へ登る道へ入った途端目に飛び込んできた「京屋旅館」の看板。 なんだー、わかりやすい。 でも、看板に気を取られたわたしたちは、反対側にある歓喜庵の門を見逃してしまったのです。 いや、ぶじおくんだけは気になっていたようでしたが。 山道を走りながら、これは行き過ぎたかもしれないと気づいたわたしたちは今度は迷わず引き返しました。 そしてやっと到着。
純和風の建物が迎えてくれました。
駐車場から玄関まではこんな道。
左右を開け放ったお座敷は、緑色に染まったかのようなさわやかさ。 さっそくお料理が運ばれてきました。 ここの野菜や山菜はすべて自家製だそうです。
前菜盛り合わせ。
手作りこんにゃくのさしみ、山トウモロコシ入りのたまごやき、西条産のうなぎなど。 うなぎは皮がゴムみたいに弾力があって歯ごたえがありました。
そうそう、里芋の茎の煮物もありましたよ。
つぎつぎとお料理が運ばれてきます。
あめのうおのさしみ。 全く臭みがなく、歯ごたえもしっかりしていてとてもおいしかったです。
季節の野菜の天ぷら。 しいたけはぷりぷりの肉厚。 おすすめは、からしこんにゃくの天ぷらだそうです。 上の方のしそを巻いたもの。 抹茶塩でいただきます。 おいし~い。 もう半分食べてから気づいて写真に撮りました。
向こうは子持ちあゆの塩焼き。 卵がぎっしりです。 頭からかじれますよ、と言われたけど、鮎の目がにらんでたので食べられなかった・・・・
手前はイノシシ肉の煮た物。 思ったほど臭みはありません。 豚の仲間ですもの。 でもわたしは 一切れ食べてあとはぶじおくんにお願いしました。
ごはんは山菜ごはん。
最後に手打ちのそばまであって、もうお腹がぱんぱんになりました。
食事の最中に、フロントの電話のやりとりが聞こえてきました。 どうももう一組お客がいるみたいです。 とぎれとぎれに聞こえることから推測するに、 こちらへ来かけたのに、また引き返してしまったらしいです。 もう一度同じ道を来てくださいとお願いしているみたい。 その後、2,3回電話がかかってきて道を確認しているみたいでした。
みんな迷うんだ~。 ちょっと安心しました。 そしてぶじこはすっかりご機嫌を取り戻しました。