あた子の柿畑日記

田舎での日々の生活と趣味のレザークラフトについて

一足早い紅葉を求めてー白山スーパー林道

2010-10-29 20:24:50 | 旅行

 白川郷からほど近いところに白山スーパー林道の料金所があります。
 白山スーパー林道は岐阜県から石川県にまたがる山中を走る、全長33,3キロメートルの有料道路です。
 あいにくの曇り空、車の中から写したのでぼやけていますが、紅葉はこんな感じ。



 ちょっと来るのが早かったかなあと言いながら上ってきました。 例年だと10月上、中旬には見頃になるらしいですが、今年はどこも紅葉が遅いのでしょうか。
 しかし、標高1235メートル、白川郷展望台の駐車場あたりは、きれいに色づいていました。



 そしてなおものぼっていくと・・・・・


 


 うお~ きれ~い



 アップで見てみましょう。



 こちらはかえでの紅葉。



 


 遠く白山連峰は雪?



 ふだん桜三里のくすんだ黄茶色の紅葉しか見てないわたしには、このスケールの大きさと色の鮮やかさには本当に感動しました。


 少し下りになりました。 正直なもので、少し標高が低くなると緑も多くなります。



 見頃をすぎたから引き返そうという夫を、まだまだと制してなおも下っていくと


 



 写真1枚に収まりきらない大きな滝が現れました。 ふくべの大滝です。水は少ないようです。
 この先いくつもの滝があるらしいので、いくつかの滝を見てから引き返すことにしました。


 カモシカの滝。 おお、なんだかカモシカがこっちを見ているように見えます。



 往路で見逃してしまった滝、姥が滝。これは流れる水が白髪のように見える空付いた名前でしょうか。



 小親谷の滝は、道路からずっと下っていかないと見えないのでパスし、この辺りで引き返すことにしました。


 帰り道、上から見下ろしたブナの紅葉を下から見ると


 


 下から見てもやっぱりきれいだわぁ~


 大満足で林道を後にし、今夜の宿のある、奥飛騨温泉郷のひとつ、新平湯温泉に向かいます。
 紅葉には満足しましたが、お腹はぺこぺこです。 あんな山の中に食べるところなんてあるわけないでしょ  やっぱり白川郷で食べればよかった。


 新平湯温泉までは飛弾高山市経由で2時間半くらいかなあと計算していました。 白山スーパー林道を抜けたときは、ちょうど夕方の5時くらいにチェックインできる時刻だったのです。 あのおばかのナビに頼らなければね。
 


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一足早い紅葉を求めてー白川郷

2010-10-26 13:13:08 | 旅行

 夫が、農作業が一段落したので1泊くらいで紅葉を見に行きたいと言い出しました。 
 ええ~! わたしは忙しい最中なのに。


 結局付き合うことにして、計画を立てるのも宿を取るのもわたしがして、出発前にちょこっといらついたこともあったけどけんかする間もなかったのでそのままにして、展示会の終わった数時間後の日曜日の未明、家を出ました。 


 まずはここ。 この特徴のあるかやぶき屋根。 もうおわかりですね。



 世界遺産、白川郷の合掌造り集落です。
 
 合掌造りといっても普通の民家の中に合掌造りが点在しているのだろうと思っていたら、大間違いでした。
 
 集落全体が合掌造りの家ばかり。 そして田舎にはふさわしくないほど観光客がうじゃうじゃいました。 これはメインの通りではないのでまだ少ない方です。



 駐車場がなくてキョロキョロしていたら、空き地のそばに旗を持ったおじいちゃんが、入れるよと合図してくれました。 それでついていくと、なんとおじいちゃんは軽トラに乗ってしまいました。
 あら~、ここのあいたところに止めるのかと思ったら、車で行くほど遠いんだろうか。

 細いくねくね道をちょっと走って、奥まった農家の空き地らしいところに停めることができました。 車で走った割りには遠くはなく、この明善寺からほど近いところでした。



 2階建ての鐘楼も珍しいですが、かやぶき屋根はもっと珍しい。 非常に重々しい雰囲気がありました。


 こちらは神田家、だったかな? 合掌造りの家々は民宿になったりお土産物屋さんになったりしていますが、何軒かのうちは内部を見せてもらうことができます。



 が、わたしたちは表を見ただけで次へ。
 わたしは白川郷は初めてでどれもこれも見てみたかったのですが、夫は何度も来たことがあるというのであまり珍しくはなさそうでした。


 集落を流れる小さな水路に窮屈そうなほど泳いでいる魚を見つけました。



 どれも体長4,50センチはあろうかというニジマス?でした。
 集落の中には小さな水路がたくさんあって、その水を家のそばの堀に引き込んでいました。
わたしが育った家にもこういう堀があって(つぼえと呼んでいました)鯉もいれば、糸トンボもいて、そこで洗い物もしたりしていました。
 昔の農村の懐かしい風景がここには残っていました。


 ここでお昼を食べたいと言ったけど、店はどこも満員だし、こんなざわついたところでは食べたくないと言うものだから、アイスだけ買って食べました。(ここで食べたなかったことを、後でとっても後悔しましたが)

 白川郷だけにあるという「栃の実アイス」と「どぶろくアイス」、ダブルで購入。
 写真を撮ったけど、みかけは普通のアイスと何ら変わらないので、外にさらしてあった栃の実の写真を載せますね。



 形はいびつだけど栗くらいの大きさで、かんかんに固かったです。
 どぶろくアイスはほんのりお酒の味、栃の実アイスはナッツ系の香ばしい味、どちらも後からミルクの濃厚な味がじわっと伝わってきておいしかったです。
 でも、どぶろくアイスのほうが鋭い冷たさを感じたのはなぜかしら。


 最後に、駐車場のおじいちゃんが教えてくれた展望台へ上がってみました。



 美しい村でした。 家は全部同じ方角向いて建てられているんですね。 
 右側の広い道が一番大きな通りで、車と人がいっぱいです。 ここはやはり、2,3時間かけて村はずれの田舎道を歩いてみたいところです。 しまった、次に行く白山スーパー林道と逆にして、帰りにこちらに寄れば良かったかなあと思いました。


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花々の競演

2010-10-26 01:36:19 | 植物

 教室展が終わりました。
 期間中、たくさんの方が見に来てくださり、ありがとうございました。 とくにブログ友のりんごさんが来てくださったのには大感激です。なのに・・・・わたしはその日教室に出ていなくてお会いできなかったのです。 ごめんなさい、りんごさん。 あとでご連絡いたしますね。


 さて、ほったらかしにしていた花畑
 秋の訪れとともに花色が鮮やかになってきました。


 コスモス
 青い空と白い雲がよく似合います。
 


 3,4年前までは白や濃いピンクなど色数も多かったのですが、ついにピンク一色になってしまいました。 

 ノボタンもまだ咲き続けています。



 ノボタンの足元にはつゆくさが群れ咲いています。 これは植えたのではなく勝手に生えてきたもの。つまり、雑草です。



 コリウスと千日紅


  コリウスは5種類ほどを固めて植えて、いま葉色がみごとです。

 そのそばにはマリーゴールドとコキア。 コキアは1本だけ鮮やかに紅葉しました。
 植える前、わたしの頭の中では、赤いコキアを黄色いマリーゴールドが囲んでーと、イメージだけはきれいだったのですが



 コキアは枯れ、メヒシバの穂が覆い被さって、思い描いたイメージとはだいぶ違った様相になってしまいました。
 


  ジニアとポーチュラカ
 ポーチュラカは一面にはえているはず、ですが、
 花々の競演に、雑草も負けじとばかり参入して、
 いったい主役はどちらなのか 


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意外なとりあわせ

2010-10-22 00:44:21 | くらし

 月に1回ですが、親しい友人が集まってレザークラフトをしています。 そのときティータイムにと持ってきてくれたのがこのロールケーキ。 「ていずいロール」というんだそうです。 緑色が鮮やかですね。 何が入っているんでしょう。
 抹茶かな? よもぎかな? 
 
 じつはこれ、海苔なんですよ。 食べる前から広がる青のりのいい匂い。 でも、海苔といえば醤油でしょう。甘いケーキと合うのかなあ。



 とっても意外な組み合わせでしたが、
 おいしい!
 しかも製造販売が漁業組合だという。 ケーキ屋さんとはほど遠いところで作られているのでした。 もうすぐメジャーデビューと聞いています。


 いっぽうこちらは愛媛スィーツコンテストで審査員特別賞を受賞したというケーキ。 お店デビューです。
 本物のへたがついています。 なんだか分かりますか?


 


  これもふつう塩味で食べます。 じつは、トマトを使ったケーキ、「とまこ」といいます。
  
  中を見てみましょう。



 赤く甘いゼリーの下にまた赤いジャムのようなもの。 これがトマトのジャムで、トマトそのもの。
白いクリームはクリームチーズで、これがおいしい。 ほんのちょっと酸味がきいて、甘すぎず、トマトとよく合っています。
 下のタルトを食べてみると


   何かがぴりっとしたぞ
 
 それはどうも胡椒のようでした。 そしてタルト生地は、塩味の聞いた甘さというものではなく、完全な塩味。 やはりトマトには塩味でしたか。   
 わたしにはクリームチーズのあまさがトマトによく合うと思いましたが・・・・・ 。 というか、ケーキは甘い方がいい 


 
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秋晴れの

2010-10-21 00:28:07 | くらし

  展示会のためバタバタとしています。 コメントのお返事や訪問が遅くなりますがお許しください。


                   **********


 先週の田んぼで。

 水の上にくっきりと野菊の影を落とす秋晴れの日。



  この小さな溝は以前ジャンボタニシでびっしりだったのですが、なぜかカワニナがいっぱいいました。 ということは? 来年はほたるが期待できるかしら。 去年この溝のところで細々と光るヘイケボタルをみたことがあるのです。えさになるカワニナが増えたらきっとほたるも増えますよね。



  


  青空の下ではどんな花もきれいに見えます。



 


 澄み切った空気



 光る風



 とてもおだやかな秋の昼下がりでした。



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5年ぶりの教室展

2010-10-18 06:58:49 | レザークラフト

 わたしの通う染色教室で、生徒たちの作品を集めて展示会が開かれます。 実に5年ぶりです。


 土曜日、まだ全部は準備が終わっていませんでしたが、写真を撮ってきました。

 およそ革らしくない、鮮やかな色彩がうちの教室の特徴です。



 このきれいな色も使ううちに革の渋さがでて、味わい深い風合いになってきます。


 会場が狭いので、作品もきゅうくつそうです。



  財布もぎゅうぎゅうです。 即売品がたくさんありますよ。



 布染めもあります。 右側の虹は先生の作品です。



 わたしは春の個展に展示したものがほとんどで目新しいものはありませんが、 あの時はバタバタとしてブログにも載せずにいたものがたくさんありますので、ここで少しだけご紹介。


  展示会用にオウムシリーズでいくつか作品を作りました。 宝石箱、コートハンガー、マガジンラック。以前作ったクッションと電気スタンドも合わせると、5つもの作品が揃いました。 


 写真は4月の展示会場でのものです。
 このうちマガジンラックは今回も出品します。


 ところで、右上のコートハンガーですが、展示会後アトリエを片付けていてびっくり。
 なんとコートハンガーの作りかけがもう一枚出てきたのです。 なんとまあ! 作りかけていたのをすっかり忘れていて、また新たに作ってしまったというわけ。 あのころは忙しさのあまり、相当ぼけていたらしい
 せっかくなのでポケットにしちゃいました。



 バッグ本体はオーストリッチの型押しの革でできています。 わたしが出したもので新しいのは唯一これだけです。 


 あとはブログでもご紹介したバッグとか、写真のような、コンチョと鋲使いの財布とか



 


  派手派手な作品だけでなく革の色をそのまま残した作品も作りました。



 これは木地が白木のため、敢えて色をつけないで、彫っただけの革を貼りつけています。


 と、まあ、本当に様々な作品が揃っております。 お時間の取れる方、見に来てくださいね。わたしも1週間(木を除いて)松山へ通います。 


  第12回 田中染色教室展
  10月18日(月)~10月23日(土) 10:00~17:00
  手作りの店たなか 2階
    松山市岩崎町2丁目9-25
    TEL FAX 089-932-2333


    地図

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コバルトブルーの実

2010-10-15 20:58:19 | 植物

 紫のおしべって珍しいことないですか? この花は?


 もうだいぶ前に写したクサギの花です。



 クサギは、その名の通り葉っぱに独特の臭いがあります。 でも花はエレガント、この名前ではかわいそうな木です。


 最近頻繁に松山とうちとを往復していますが、途中の桜三里に見かけない赤紫の花がいっぱい咲いているところがあります。 見たこともない花・・・・・好奇心に耐えられず車を停めて確認してきました。


 それは花ではなく、



 クサギの実でした。  赤紫の苞の中にコバルトブルーの、あるいはラピスラズリの青い実。 わたしの中では、イヌマキの実と並んでかわいさベスト3に入る実ですわね。


 下にもいっぱい落ちていましたので、思わず拾ってしまいました。 この実は草木染めにするときれいなブルーに染まるのです。



 しかし、落ちてひからびた実は汁が出ず、わざわざ新鮮な実を採ってきて染める時間もありませんので、草木染めはあきらめました。 どんな色に染まるかはこちらをどうぞ。


 おまけ


 夏頃に写した写真ですが、クサギの仲間のボタンクサギの花です。



 野生種とは思えない華やかさです。 わたしの知っている限り、2軒だけこれを庭に植えているおうちがあります。



 華やかだけど、匂いはやはりクサギなので敬遠されるんでしょうかね。 触らない限り匂いはないのですけど。

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おでんのような

2010-10-13 23:50:17 | 植物

 大洲へ行ったとき、わずか数百歩のためにしんどい近回りをしたわたしたちですが、ひとついいものをみつけたんですよ。



 緑と赤の実がくっついて、串に刺したおでんみたい。
 これはイヌマキの実です。 この実のかわいさは、わたしの中ではベスト3に入ります。 
 それがこんなにたくさん・・・・



 うちのほうのイヌマキも探してみました。 いつも行くのが遅くて実が落ちてしまっていたのですが、ことしはグッドタイミング。
 まだたくさん実をつけていました。



 う~ん、やっぱりかわいいわあ~


 おもしろい実もおちていました。 ふたごちゃんです。



 落ちているのは黒い実ばかり。どうやら完熟すると黒くなるみたいです。 大洲で見つけた赤い実は、強風かなにかでおとされた物でしょうか。


 ほら、やっぱりおでんに似ているでしょう。 大洲の高齢の方は、おさるもんもんとかなんとか言っておられました。 そういえばお猿さんかお人形のようにも見えます。 昔は遊んでいてお腹が空くとこの実を食べていたんだそうです。



 恐る恐る食べてみましたら、ゼリーのような粘っこい柔らかさで、ほんのちょっと甘みがありました。 昔はお腹が空いたらその辺の木の実を食べ、思う存分外で遊んでいたのでしょうね。 どれが食べられるのか、食べてはいけないのはどれか、そんなことも年長者から学んでいたのかもしれません。 ちなみに青い実は食べられません。


 珍しいので実家に持って行ったら、甥が
 「おっ、イヌマキの実!」
と即反応してくれました。 さすが野生児。


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松山城薪能

2010-10-13 00:00:25 | お出かけ

  さて、大洲を後にして、わたしたちはまだ行くところがありました。 それは・・・・


 松山市城山公園特設会場で行われる薪能でした。



 看板には10月1日と出ていますねえ。 
 あらら、もう2週間もたってしまったのか。 どうしよう、ネタがどんどん古くなっていく。


 駐車場探しに手間取ったこともあって、開演前に食事をと思っていた時間はすでになく、空き腹を抱えての能鑑賞となりました。


 広い公園の中の休憩所(画面右)の隣に、紅白の幕で仕切られた空間がありました。 左に見える大きな木はこの公園のシンボルツリーらしいです。 ここんとこ、よく覚えておいてくださいね。



 特設舞台はこの幕の中に作られていました。 目の前に二の丸、遠くには天守閣が見えます。 
 舞台は柱の代わりに竹を立て縄で囲っただけの簡単な造りです。舞台奥の、通常松の絵が描かれている板壁はなく、舞台の周囲は開けっぴろげです。



 いつもは天守閣のある山頂広場で行われていたのですが、会場が狭いためできるだけ大勢の人が観られるよう今回初めてふもとの公園で行うことにしたそうです。それが良かったのか悪かったのか・・・・・・


 確かに会場はほぼ満席。 着物姿の若い人もちらほら見えます。 松山の能人口は多く、大学生の中にも能をたしなむ人がいると聞きました。
 ただし、わたしは全くの素人で、ただあの雰囲気を楽しむだけの観客です。 


 日暮れに近くなり、開演の時刻が迫ってきましたよ。



 と、突然、城山からからすが一斉に飛び立ちました。
 かあかあと騒ぐからすたちを見上げて、一同唖然。 公演中だったらどうなっていたかしら。
 


 これがハプニングのはじまりだったかも・・・・


 よく幽玄の世界とかいいますが、それは演じる者だけではなく、独特の音楽と舞、薪の火花や煙、すべてが混沌と混じり合って生まれてくるものだと思います。 ド素人のわたしには、解説をじっくりと読み、地謡やセリフを耳をそばだてて聞いて分かる単語を拾い出し(英語を聞くのとどっちがよく分かるかーのレベルです)、演技者の一挙一動を凝視して、やっと入り込める世界なのですが、


 今回の演目は素人には難しすぎました。 
 


 最初の舞囃子は、面も着けず袴姿で舞うもので、芸にごまかしのきかない立派な舞、人間国宝の舞です。だけどなんせ、じみ~
 そして背面に壁のない舞台は音が分散して大鼓や小鼓も響きにくく、床を踏みならす音もいまいち迫力がありません。
 そういえば昼間行った臥龍山荘の壱是の間は、能舞台にも使うため、床下には音響をよくするために備前の大壷を何個もおいているそうな。
 
 狂言は、演目上座っての演技が多く、前の人の頭の陰でほとんど見えず、
 
 最後の能「蝉丸」も、盲目の蝉丸と心を病んで放浪する姉との再会を描いた、どちらかというと内面描写の難しい静の演技が要求される物だったと・・・・・・つまり盛り上がりに欠ける、ということですわね。

 最初の舞囃子の時から聞こえてくる、電車のきしむ音、救急車の音、広場で子どもたちがはしゃぐ声、そしてぶつぶつという話し声。
 しばらくたってから、その話し声が幕の外の休憩所から聞こえるということに気がつきました。 それも入れ替わり立ち替わり。 そしてついに、蝉丸が従者と涙の別れをする場面で


 男性二人の高笑い


 たまりかねた観客の若い男性二人が席を立って行きました。 それでしばらくは静かでしたが、今度は遠くから、マイクを通した女性の華やいだ声。それもだんだんとエスカレートしてきたような気がします。やがて

 蝉丸と自分の不幸を歎く姉の宮の舞が終わり、分かれ去ろうというときになって


 ○○番の方いらっしゃいませんか。 らくれん牛乳さんからなんとかを提供していただきました。ありがとうございました。


 華やいだ声が一段と大きくなりました。 
 どうやら、公園の向こうの端で開かれていた「ほろよいフェスタ」で抽選会が行われているらしいです。

 ああ、どうしていつものように山頂広場か、二の丸庭園でしなかったんでしょうね。誰でもが自由に楽しめる公園で、しかも休憩所の真横で、その上に、ほろ酔いフェスタと同時開催なんて!
 まあ、料金が安かったから許すけど。

 それでも去りゆく姉宮と、見えない目で見送る蝉丸の姿には心打たれました。
 
 すべてが終わって幕の外に出てみると、



 会場すぐそばのシンボルツリーに、明かりがともってここにも人が集まっていました


 わたしと娘は大山祇神社の薪能には2回ほど行ったことがあるのですが、そこは神社という場所がらすばらしい雰囲気を持っており、いつも満足して帰っていました。
 来年は大山祇神社に行こうね。
 帰りの車の中でリベンジ(?)を誓ったのでした。


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またまた南予へ

2010-10-10 22:46:28 | お出かけ

 またまた南予です。 といっても、内子町へ出かけてから一週間後のこと、今度は、革ろうけつ染めの作品展を見に大洲の画廊へ行ってきました。


 臥龍山荘のちかくにある山荘画廊。 以前行った覚えはあるのですが、何かの会のおりについでに連れて行ってもらっただけなので、どう行けばよいかわかりません。 街の駅に車を止めて、歩くことにしました。 


 地図を見たところ、この階段の上の道を行くのが近道らしい


 



  娘に、本当にこれが近道なのかと文句を言われながら、はあはあと上りました。 なのに、その近道は、下へ下る坂道でした。 しかも舗装もされてない、石ころゴロゴロの山道。 せっかく登った道をまた下まで降りてきて、なかなか雰囲気のよい路地を曲がると、ギャラリーはすぐ見つかりました。


 おお~、なんだかいい雰囲気



 と思ったら、そこは画廊ではなくて、臥龍山荘という県の文化財に指定されている建物でした。


 画廊はこちら。 臥龍山荘のすぐ隣にあります。 一階は喫茶店とお土産物屋、2階がギャラリーになっています。 こちらで大洲のろうけつ染めグループの方たちが作品展を開いているのです。



 ろうけつ染めといっても、こちらの皆さんの手法は、チャンチンという道具を使って、輪郭を細く蝋がきして防染し、白く浮き立たせるやり方。 ろうけつ染め特有の亀裂の入った染めが美しい作品が並んでいました。
 わたしたちとはまた違った雰囲気の作品を見せていただき、とてもよい刺激になりました。今度はわたしもチャンチン染めに挑戦してみましょう。


 ギャラリーを出た後、せっかくなので山荘の方を覗いてみることにしました。 



 この建物は大洲を流れる肱川の、臥龍淵のそばに建てられています。 蓬莱山の見えるこの場所を臥龍淵と名付けたのは3代大洲藩主加藤泰恒公だそうで、 蓬莱山が龍が臥した姿に似ているところから臥龍山と名付けたそうです。


 その後明治時代になって、貿易商河内寅次郎が10年をかけてここに山荘を築きました。
 玄関で観覧料を払い、一番大きな建物臥龍山庵から見て回りました。 室内は撮影禁止ですが、お庭はいいですよ、とのこと。 
 これは壱是(いっし)の間から庭園を見たところ。 左に見えるのは霞月の間です。



 この廊下の釘は、千家十職の一人の何とかという人が作っただとか、霞月の間の幅一尺ほどの一枚板にわざわざ溝を掘って板を貼り合わせたような廊下にしただとか、隣の仏間の丸窓を月に見立て、霞がたなびくように棚を配置し、襖の引き手にコウモリの金具を用い、夕暮れの風情を表しているというふうに、とにかく意匠を凝らし贅を尽くした建物になっています。
 だからといってきらびやかな造りかというとそうではなく、霞月の間などは壁の一部をくりぬいて中の竹の桟がむき出しにしてあり、農家のひなびた風情を表しているのだという・・・・
 説明のテープを聴きながら思わず二人で大笑いしてしまいました。
 お金持ちの考えることって・・・・・?  うちなんかそんな細工しなくたってひなびたボロ家なのにねえ。


 庭に出て茶室に向かいます。



 これがまた、石一つとってみてもさりげないのにぜいたくなのですねえ。
 どこやら産の手まり石とか、灘の酒屋で使われていた石臼だとかをわざわざ取り寄せてー



 この茶室、もとは風呂場だったそうです。 建物はあくまでも侘び寂びに徹しています。



 一番奥の建物不老庵は川の上にせり出して建てられています。



 ここまできて、以前この建物を見たことがあるのを思い出しました。 それは一本の槙の木を見たときです。 建物の奥から真横に枝が突き出ています。



 裏へ回ってみると、生きたまま柱として使われているのが分かります。



 そうそう、この木ははっきりと覚えています。 そういえば仕事仲間と大勢でわいわいいいながら見たような・・・・・・
 あのときはこの山荘にさほど興味も持たなかったように思います。 多分若かったんですねえ。 歳をとって、若い頃に見えなかったものが見え、感じることができなかったことが感じられるようになったと思うことがあります。 歳をとってからの感性というのも悪くない、そう思えるこのごろです。 記憶がぼやけてきたのは困りものですけど


 しばしゆったりとした時間を過ごして駐車場へ引き返しました。 帰りはちゃんと広い道を通り、さらにちょっとだけ回り道して、こんな通りを歩きました。 小さな水路には魚が泳いでいるんですよ。



 駐車場へ帰り着いてみると、何のことはない、近道も回り道もほんの100歩か200歩違うだけの距離でした。 娘には、こんなに雰囲気のいい通りがあるのに、何をわざわざしんどい目してあんな変な道を歩いたのかとまたまた文句を言われました


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