再度学校が休校になります。またまた三密でない遊び場探しをしなければなりません。
幸いにも、ここ西条市は、海、山、川どこにでも車で30分以内に行け、田んぼや畑のあぜ道を散歩するだけでも楽しい発見があります。若者の住みたい田舎日本一に選ばれたまちです。
3月のことですが、海にマテ貝をとりに行ってきました。
貝を掘るには入漁料が必要です。誰に払ったらいいのかー「行けば分かる」と聞いて行ったのですが・・・・
だあれもいない
たくさんの棒は海苔の養殖のために立ててあります。
三密とは真逆の空間が広がっていました。寂しいくらいに。
想像以上に遠くまで潮が引いた砂浜には、きれいな波紋ができていました。
小さな穴がいっぱいあいていて、これがマテ貝の穴かなと思いましたがそうではなく、小さなカニが出入りしていました。
ちょっと先にいた数人の男性に声をかけると、
「あちらの人に聞いてください。わたしらは、水産試験所の者なんで。」
後のニュースで知ったのですが、このあたりは黒海苔の養殖が盛んなのですが、海の環境の変化で出来が良くない。それで青海苔の養殖もやってみようと、今試験養殖をしているのだとか。
あちらの人というのが、かなり遠いところに3人いて、その中の一番近い女の人の所まで行って聞いたら、
「あの人に払って。」とさらに遠いところの人を指します。やれやれ。
で、さらに歩いてその男性の所へ行って、やっとお金を払うことができました。そのはるか先にもう一人女の人が砂を掘っていて、砂浜にいた人は全部でこれだけでした。
マテ貝を掘るおもしろさは、子どもの頃に、東予出身の先生から聞いて強烈に記憶に残っています。けれどわたしが結婚した頃から海には貝がいなくなって、子どもたちを潮干狩りに連れてきたことはありません。
初体験。集金したおじさん(子どもから見れば)が親切丁寧に教えてくれました。
砂を掘って、穴が見つかればその穴に塩を振りかけて、数秒待つとマテ貝がぴゅっとジャンプしてくるのです。そこをすかさず捕まえて引き抜きます。
それが意外に力が強くて、再び潜ればもう捕まえることができません。潜るのもほんとに素早いのです。
手の甲の筋が浮き上がっているのを見てください。いかに指に力をいれてがんばっているか。
なんとまあおもしろい。捕まえ損ねるのさえおもしろい。大人も子どもも夢中で遊びました。そう、遊びですよ。成果などはどうでもいいと思いました。
が、おじさんは「これくらいではいかんじゃろ。」と言って、砂を掘って子どもたちにとらせてくれたのです。わたしたち素人が掘ってもなかなか穴が見つからないのに、おじさんが掘ると四つ五つの穴が見つかります。それに塩を振るとー
モグラたたきのようにマテ貝が飛び出すのです。
あ、そこそこ
こっちにも
そのたびに4本の手が交錯して、
「ややこしい」とおじさんが苦笑い。
おかげでたくさんとれました。
ただし、あまりに小さいのは砂に帰したのですけど、無事に大きくなれるでしょうか。力任せに痛めつけてしまったのではないかと気がかりです。おじさんのように深く掘って、深く潜っている大きな貝だけを捕らなければ、これは、プロが掘っているのを見て反省したことです。
一晩泥を吐かせて
酒蒸しにしてむき身にし
蒸して出てきた汁は味噌汁に。
あとのむき身は
佃煮と
てんぷら。
今までもむき身を買って天ぷらにしていましたが、新鮮なマテ貝の天ぷらは、甘みもあって、それはそれはおいしかったです。
思わぬ副産物
味噌汁を作るとき、ワカメや豆腐と一緒にむき身も少し入れました。むき身は、トラオに三等分に切らせたのですが、
「ばあちゃん、ちょっとかわいそうなね。」
きのうおもしろがって掘ったものの、生きていた身を切り刻むことには抵抗があったようです。「命を頂く」とはこういうことなのねえ。机の前ではできない大切な経験だったようです。