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あた子の柿畑日記

田舎での日々の生活と趣味のレザークラフトについて

花に会いに行く 1 

2011-04-08 14:27:02 | 植物

  春になると会いたくなる花があります。


 静かな山間にある民家の庭先に咲く白木蓮の花。
 ハクモクレンを愛する人は多いようで、 あちこちで見かけますが、これほどの大木を他で見たことはありません。


 



 遠くに見える白い花の正体を知りたくて、知らない道を当てずっぽうに登っていったのはもう4,5年前。そのころは道が狭く、この木のそばに近寄ることは出来ませんでしたが、今では舗装された広い道がついて、民家のすぐ横に車を停めることができます。
 木を撮ろうとするとどうしても家が写ってしまいますので、道ばたに車を停め、中からこっそりとカメラを構えていたら・・・・・


 家の方から中年の女性が一輪車を押して出てきました。
 やった! お願いして堂々と撮らせてもらおうと車から出ようとしたら、
 「どうぞ、中へ入って撮ってください。 ここから(田んぼの中)でもいいし、あちらの庭からでもいいですよ。」
 なんと、お願いするより先にあちらの方から声をかけてくれました。
 カメラを構えていたの、みつかったらしい・・・・・
 「ありがとうございます。 おうちも一緒に写るので遠慮してたんですよ、」とわたし。
 「いいえ、かまいませんよ。 なんか、道からよく見えるそうで、遠くの人がわざわざ来て写真を撮っていかれますよ。」と、その女性。
 「家の方はおばあさんの家じゃけど、今入院していて留守ですから、庭の方へ入ってもいいですよ。」
 柔らかく優しい声でした。


 お言葉に甘えて、庭先から見上げました。


 少々盛りを過ぎていましたが、この花の数!



 ハクモクレンは、枝が垂れ下がるように伸びるけれど、花はすっくと首をもたげて上向きに咲いています。この花の付き方が好き。



 木の真下に立つと、花はドーム状に広がって、丸い広々とした空間ができていました。 密に咲いた花が、折からの小雨をさえぎってくれました。



 木蓮の花を裏側から見るのもなかなかおもしろいものです。
 「ちょっと遅かったですねえ。今日の雨で散ってしまうでしょうねえ。」「来年はもっと早うにおいでてください。」


 枝はかなり下まで伸びていますので、楚々とした花を間近に見られるのも魅力です。



 このおうちにはサンシュユもあって、春になるとまずそれが咲き、 ついでピンクのこぶし、そして木蓮が咲くのだと説明してくれました。


 



 こぶしはそばに物置を建てたため、だいぶ枝を落としたんだとか。 木蓮ほどの巨木ではありませんが、これも見事な大きさの木でした。
 向こうに見えるのは?



 どうもトサミズキらしいですね。
 どの木も亡くなったおじいさんが植えたので、お嫁さんにあたるその人はこれらの木をいつ頃植えたのか、知らないと言っておりました。
 
 そして木蓮の花が終わると、向こうのお寺の桜が咲き、次いで神社のなんとかツツジが咲くのだそうです。
 静かな山間で、花の季節を心待ちにしていたおじいさんの心情がしのばれました。


 花に会いに行って、心優しい人と出会いました。

コメント (8)
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