あた子の柿畑日記

田舎での日々の生活と趣味のレザークラフトについて

山陰に咲く花ーうばゆり

2018-08-01 01:27:15 | 植物
 桜三里の途中にある、レストパーク。パークとは言うもののなんのことはない、トイレだけがある休憩所です。ちょっと運転に疲れたので一眠りしようかなと、山際に車を停めました。そこだけが日陰になっていましたので。
 前進で車を突っ込んで前を見ると、なにやら白い花が。興味深さに眠気を忘れて車から降りてみました。



 うばゆりでした。けっこう大きな花です。でも、これが特徴なのかもしれませんが



 どれもこれもみすぼらしくほころびて、完全な姿が見えません。



 真上から見ると、かろうじて花の姿に見えますが。
 不意に高校時代の夏を思い出しました。

 中学校時代の友人を病気で亡くし、その葬儀に山奥の彼女の家に行ったとき、バスの中からユリのような白い花が見えました。わたしは本でしか知らなかったヤマユリであろううと勝手に思いこみました。彼女の家はわたしの家からはずいぶん遠く、長い間バスに揺られて山奥へ山奥へと行かねばならないところにありました。そんな山奥にもかかわらず、ヤマユリの咲く所に住んでいた彼女が一瞬うらやましく思えたのです。多分高2の夏休みだったように思います。
 歳をとってわかったことは、四国に野生のヤマユリはないということ。ではあの白いユリはなんだったのかふと疑問に思ったことがありました。わざわざ答えを探し出すほどの深い疑問でもなくすっかり忘れていたのですが、

 そうか、うばゆりだったのか!

 一気にあの頃のことを思い出しました。中学入学で知り合ってからわずか10ヶ月ほどのつきあいで、彼女は風邪をこじらせ、ついに中学へは戻ってきませんでした。彼女は松山の大きい病院に移ったことを先生から聞きました。
 わたしがお見舞いに行けたのは、松山の高校に通い出してからのことです。田舎者のわたしが県庁所在地の大きな街の知らない場所をたった一人で訪ねていくのはとても勇気のいることでした。そして久しぶりに見た彼女はもう声を出すこともできないほど弱っていました。そうとも知らずに見舞いに行ったわたしはその姿に恐れをなし、二言三言しか声をかけることができませんでした。それから程なくして彼女はなくなりました。もっと早くに行っておけばよかった・・・
 それにしても、今まで何度もウバユリを見たことがあるのに一度も思い出さなかったことをなぜ急に思い出したのか。

 ここは不思議な場所でもあり、山の植物がすぐそばで見られる楽しい場所でもあります。

 そばでつぼみをつけているのはヤマイモではないかしら。
 


 葉っぱは多分ヤマイモなんだけど


 いったいどんな花が咲くんだっけ?

 それから空飛ぶクラゲみたいなこれは?



 なが~く伸びたサルトリイバラの葉でした。


 おお、柏餅にぴったりの大きさ



 うちの方では柏餅と言えばこのサルトリイバラの葉を使います。葉のしっかりしてきた今頃がお餅を包むのにちょうどいい固さなのです。母が好きだった柏餅、お盆に作って供えようかなあ。
 でも、残念、高くて手が届きませんでした。
コメント (4)
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