たまには最近のことを書くことにしましょう。といっても、四月、五月2ヶ月分をまとめますので少し長くなりますがおつきあいください。
今年度からの草木染め教室に友人と参加しています。植物から色を抽出しスカーフに染めるという作業もさることながら、山道の清々しいドライブと、作業の前にちょこっと説明される植物のお話が楽しくて、毎回 へぇ~~ ふう~ん なるほど~ の連続です。
講師は「西条自然学校」の法橋先生。おかげでその存在は新聞などでもよく目にするのにイマイチ活動内容をよく知らなかった自然学校の大切な仕事も分かってきました。そのことについてはいずれ詳しく書くことにして・・・
四月の染めの材料は「カラスノエンドウなど」。というのもカラスノエンドウは寄りかかり植物といって、他の植物に巻き付いて伸びていくので、カラスノエンドウだけを刈り取ることが難しいのだそうです。(そのとおり、2日前に刈ったのでよくわかります)
そのカラスノエンドウですが、正式にはヤハズエンドウ 名前の由来は、葉の先がくぼんでおり、矢の、弓の弦を当てる部分(矢筈)に似ているからだそうです。
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カラスノエンドウの下にちょこっと見えている白い花がスズメのエンドウ。ずいぶん小さいですが、その違いは大きさだけではありませんでした。
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カラスノエンドウは、鞘が茎から直接出て、種が多い。スズメのエンドウは茎から柄が伸びてその先に鞘を2個つけます。中の種は4個。もう一つカスマエグサというのがあって、かすまとは、カラスとスズメの間という意味だそうです。けっこう安易なネーミング。
ここで衝撃的なことを言われました。カラスノエンドウとは、「烏の、豌豆」ではなく「烏野豌豆」だと言うことです。
ええ~! この歳になるまでずっと間違えてたのか。もう、死ぬまで忘れません。
染液に浸している時間を利用して、周辺の自然観察に出かけます。そこでカスマグサを見つけました。葉の形も実の付き方もスズメのエンドウに似ていますが、大きさはカラスノエンドウに近い。
テントウムシの幼虫がくっついていました。カラスノエンドウって、アブラムシが重なり合ってくっつくんですよね。うまくいけば幼虫からさなぎ、成虫まで全部一カ所で見られます。
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どんな風に染まったかは後にして
五月の材料は野バラでした。正式にはノイバラですね。この日は図鑑に記述されていることの説明でした。そして言われたのは、
「図鑑は見るものではなく、読むものだ」
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図鑑に書かれていることの意味を分かりやすく説明してくれました。
ノイバラの葉は奇数羽状複葉。驚いたことにこのタイプの葉は、葉柄の根元から全部蛾一枚の葉で、秋になると羽状のまま落ちるんだそうです。葉の鋸歯(のこぎり状のぎざぎざ)の切れ込みが深くなったものと考えてくださいーだそうです。
さらに今回も衝撃的な事実
ノイバラは切れば切るほど元気になる
どおりで・・・・先日草刈りをしてノイバラがとてもきれいに咲いていたのにびっくりしたのです。去年はノイバラなんてあったっけ? あるにはあったけど花は咲いてなかった・・・去年初めて草刈りをした場所で、ノイバラはそれに元気づけられたらしいです。何も手を加えないとだんだん元気がなくなってくるんだとか。
わたしは帰って、去年草刈りをした別の場所のノイバラを見に行きました。
ひゃあ!去年の倍くらい背が伸びていました。
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ノイバラの学名は Rosa multihurora 花の多いバラ属
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本当にそうですね。我が家にノイバラに似たピンクのバラがありますが、花は少ないです。
さて、同じように緑の葉っぱで染めても、植物によっても、布によっても、媒染液(染料を浸透させる金属)によってもできばえが違います。そこが草木染めのおもしろいところ
植物を煮出して作った染液
カラスノエンドウ わずかに黄色がかっています。
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ノイバラ
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布を浸したところ
カラスノエンドウに、コットン70%のダブルスカーフ
シルクのほうが染まりやすい。
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ノイバラ シルク100% 横縞
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染液から取りだし洗って、媒染液に浸します。
カラスノエンドウ
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ノイバラ
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こんなにも違いがあります。染液ー媒染液を3回ほど繰り返して,最後に水洗いして干します。
カラスノエンドウ
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わたしのは右から三番目。コットンの混じったのを染めたのはわたしだけでした。乾くと濁りのないきれいな黄色になりました。
ノイバラ
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ベージュがかった黄色というか、黄色がかったベージュというか。横縞の布を選んだ人が3人もいてまるで虎柄を干しているようでおもしろかったです。
五月は友人と予定が合わず、わたしが一足先に体験しました。そして、六月の予約をして帰りました。
次の日、友人からラインが来ました。「六月、予約しました。そして七月はこの日にご一緒しませんか?」
わたしの上手を行ったか! 2ヶ月先まで。
はい、行きますとも。その日は他の予定を入れず空けておきます。