野菜ソムリエPro. AndyのBlog

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念願の受講!ベジフル秘話ヒストリア

2012年02月04日 11時56分47秒 | 野菜&果物
野菜&果物にも、ヒストリーがあります。
また、私たちの食生活以外にも、
歴史上の人物の活躍に貢献したり、神聖なものとして扱われたりと、
さまざまな役割があります。

それを学ぶことが出来るのが関東の野菜ソムリエに人気の講座、
石戸谷学先生の「ベジフル秘話ヒストリア」。

その講座がついに、念願の大阪で開講することになり、
このほど参加してきました。
(開催告知直後に真っ先に申し込みました)

今回は「ヨーロッパ王宮編」ということで、
ヨーロッパ史に残る、世界に広まった野菜&果物がテーマです。

講座では、トマト、ジャガイモ、リンゴ、オレンジなどを中心に学びました。
それぞれ見ていきたいと思います。

(1)トマト

トマトは生で食べられるもの。皆さんご承知ですね。
しかし、海外では「トマトは加工用」という考え方が当たり前だそうです。

トマトの原産地は南米の北部。
1500年初め、アステカ帝国を征服したスペイン人によってヨーロッパへ上陸。
しかし、スペイン人がトマトを食用としたのは1700年代になってから。

なぜなら、中世ヨーロッパ人はトマトを毒草、あるいは忌みの植物である
「マンドラゴラ」と思い込んだためだそうです。

しかし、イタリアではその頃飢饉が発生。
食べるものが殆どなく、わらをすがる思いで、
人々はあのリコピンの赤い色に惹かれたのでしょう。
そして、口にしたところ、意外と食べれるということになり、
それから食用として広まったそうです。

そして17世紀末にはイタリア、ナポリ地方でトマトはソースの材料として普及され、
18世紀ころ、「ナポリタン」の誕生になったといわれています。

トマトは調味料の原料ということで知れ渡り、そして現在に至るそうです。

(2)ジャガイモ

ジャガイモの原産地も、トマトの近所。アンデス山脈の高地です。
1500年頃にスペインに上陸。
しかし、こちらも人間の口に入るまで苦悩の連続でした。
当時ヨーロッパではイモを食べる習慣がない、
また、聖書に記録されていない。
(聖書に書かれているものを正しいという習慣があった)
そして見た目が悪いなど、いろいろあったそうです。

しかし、アンデス山脈の高地が原産で、やせた土地でも栽培可能なことに
ドイツとアイルランドが注目し、栽培を奨励したそうです。
(現在も、肥沃な土地や粘土質で栽培したジャガイモは水臭いです。)
アイルランドではわずか100年で主食に。

その後フランスでは高級食材として普及。
やがて、飢饉や戦争での際の貴重な食べ物として東に広がっていきます。

(3)リンゴ

リンゴは旧約聖書で、エデン園のリンゴを食べたら楽園を追放され
原罪を負ったといわれていることから、「禁断の果実」と言われてました。
また、アラビア民話では「万病の薬」といわれています。
また、北欧神話では、神々が永遠の青春のリンゴを食べて不老長寿を保ったと
いう逸話も。

ところで、リンゴといえば、生で食べるイメージが多いですが、
ヨーロッパでは、「飲料」にしていたそうです。
また、肉をやわらかくすることからヨーロッパの肉料理に欠かせなかった。
その為ヨーロッパで飛躍的に普及したそうです。

(4)オレンジ

オレンジの普及はルイ14世の手腕が避けて通れません。
ルイ14世は美食を追及したことから「美食王」の異名も。
オレンジも好物。
ベルサイユ宮殿で畑や温室を作らせ、
その温室でオレンジをも栽培していたそうです。

ちなみにオレンジの原産はインド。暑い地域ですね。
ヨーロッパへな7世紀ごろ、イスラム教徒をつうじて上陸。
15世紀にはコロンブスによってアメリカに上陸し、木が植えられたそうです。
つまり、ヨーロッパからアメリカに伝播したのです。

中世ヨーロッパでは、オレンジは冬に結実することから「再生と春の到来」を祝う
儀式に用いられています。
また、オレンジ=太陽のシンボルとして親しまれている地域も。
その為、19世紀末までオレンジは高級果実として祝い事に供えられる
ようになったそうです。

いろいろありますが、こんなところで…。

また、講座では歴史上の有名画家が描いた、野菜&果物などを描かれている作品についても、
紹介下さいました。
見方を変えると、当時の野菜&果物の意外な役割が見えてくるかも知れませんね。

ボクも野菜&果物をモチーフにした絵画を描いていますので、
次回は反映させたいですね。

他にも、野菜&果物の日本との認識の違い、
歴史上で野菜&果物が意外な役割を担っていることをたくさん学びました。

日本の伝統野菜や地方野菜は、こうしたお話の縮図のような部分がたくさんあると思います。
しかし、日本人ですら、身近にあるこのようなお話を聞く機会が減っており、
それが伝統や文化の衰退につながっているのでは…と思います。

日本の野菜をPRするためには、「急がば回れ」ではあるかもしれませんが、
こうした海外の歴史秘話を学ぶこともポイントかもしれませんね。

次回のテーマは日本編とのこと。
楽しみですね。

石戸谷先生、ありがとうございました。

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