鴨沂高校本館のあるキャンパスから荒神口通りを横切って北側に渡ると、運動グラウンドと体育館、温水プールがあるキャンパスがあります。

体育館は、1934(昭和9)年築。鉄骨鉄筋コンクリート造2階建。

右(東)側から見たところ。

左(西)側から。丸い窓とカーブのデザインがあちこちに取り入れられていてモダニズムらしさを表しています。

本館のあるキャンパスと運動場エリアを繋ぐ地下道の出入口は、鉄筋コンクリート造で半円形、円柱を持つ珍しい造形です。
半円の足元はベンチになっていて、運動の途中で休む場所になるでしょう。

校舎側へ渡る地下道の入り口は今は封鎖されています。
体育館の裏側には屋内プールもあります。
プールは1933(昭和8)年に校舎改築計画の第一弾として竣工されたもので、ボイラーを備えた府下校舎では初めての温水プールでした。

スクールバスがありました。
実は、ここの運動場だけでは狭すぎるので、鴨沂高校運動場は紫野にもあり、スクールバスで往復していたのです。
ところがその運動場が他校に譲渡されることになっていて、鴨沂高校のグランドがここだけになってしまうことになり、それでは今ある体育館もプールも壊されることになるのではないかと懸念されるのです。もし、そうだとしてもやはりここだけでは狭すぎる。どうなるのでしょう?

グラウンドの東側に立つ鴨沂会館は京都府立京都第一高等女学校の卒業生団体である京都鴨沂会の会館です。
1936(昭和11)年築、鉄筋コンクリート造3階建。

こちらも設計は十河安雄で、昭和のモダニズムの香りがする建物です。
昭和初期の最新の学校施設がまとまった形で残っている貴重な施設群です。
何とか壊さないで残してほしいものです。