馬路温泉に着いて荷物を預け、すぐ近くにある馬路森林鉄道に乗りに行きました。
高知県東部の中芸地域(奈半利町・田野町・安田町・北川村・馬路村)の5町村は、かつて林業で栄えた地域です。この地域には昔から立派な杉が育ち、豊臣秀吉が京都仏光寺の大仏殿に使う木材を献上させ、奈半利川に流して木材を運びました。明治時代にも安田川と奈半利川を利用した水運が主流でしたが、牛や馬で木材を運ぶ林道も作られました。
1907(明治40)年、軌道による運材が始まり、1911(明治44)年に田野−馬路間の軌道が開通します。当時は、トロッコに木材を積み、勾配を利用して海岸まで運び、空になったトロッコを犬が引いて山に戻っていました。
1921(大正10)年には機関車による木材の搬出が始まり、時代とともに、蒸気機関車、ガソリン車、木炭ガス車、ディーゼル車が登場し、木材の大量輸送に大きく貢献しました。魚梁瀬森林鉄道は総延長347kmという国内屈指の森林鉄道となっていましたが、1963(昭和38)年、廃線となり、軌道の一部は車道となりました。
森林鉄道の記憶を残す遺構が今も数多く現存しており、明治44年の開通時に建造された隧道などが、平成21年2月に経済産業省の近代化産業遺産群に認定されました。さらに同年、橋梁や隧道など18ヶ所の貴重な土木建造物が国の重要文化財に指定されました。
平成29年度には文化庁の「日本遺産」に、魚梁瀬森林鉄道やユズなどからなるストーリー「森林鉄道から日本一のゆずロードへ~ユズが香り彩る南国土佐・中芸地域の景観と食文化~」が認定を受けています。

かつての魚梁瀬森林鉄道馬路駅付近に、森林鉄道を模した観光列車「馬路森林鉄道」が走っています。運営しているのは昔、山の林業などに従事していた人達です。
●乗車料/大人400円 小人300円
●運行時間/8:30~16:30
●運行日/日曜日・祝日 (8月は毎日運行・雨天運休)※団体の場合平日でも運行可能(要予約)
●お問合せ/馬路温泉 TEL0887-44-2026

安田川の支流、西谷川沿いを、ゴトゴトと走って上り、橋を渡って対岸を下る円形の線路を二周して元の駅に戻ります。

線路脇にかつて使われていたディーゼル機関車が残されていました。

駅の横に昔使われていた鉄道遺品がありました。

次に乗るインクラインの模型です。

昔、馬路村の山では水の重さを利用した無動力のケーブルカー(インクライン)で木材を運んでいました。これを観光用に再現したものが馬路森林鉄道のすぐ横にありました。

5・6人が乗れるトロッコのような乗り物の下部に水を貯められるタンクがあり、そこに水を出し入れすることで、その重さの軽重によってトロッコが斜面を上下する仕組みになっています。
下の乗り場で、中央の曲った管から水を抜いているところです。

軽くなったトロッコが斜面を上って行きます。

一番上に着くと、

乗客が降りた後、また管からタンクに水が入れられています。

上の広場には子供用の遊具があったり、広く馬路村の景色を見渡すことができます。

安田川の対岸から見たインクラインの全貌です。木の緑の中に赤く見えるのがインクラインです。
インクラインの
●乗車料/大人400円 小人300円
●運行時間/8:30~16:30
●運行日/日曜日・祝日(8月は毎日運行・雨天運休)
●お問合せ/馬路温泉 TEL0887-44-2026
魚梁瀬森林鉄道の遺構は、安田川林道本線(馬路~田野)、安田川線、奈半利川線があり、広い範囲にわたっているので、18ヶ所の重要文化財全てを見て廻ることはなかなかできません。これまでに小島鉄橋(北川村)、法恩寺跨線橋(奈半利町)など、見ることができた過去の記事があります。
馬路村への旅(3)へ続く