「キンシ正宗堀野記念館(旧堀野家本宅)」は
堺町通り二条上ル亀屋町にあります。
江戸時代まで御所の南のこの辺りには酒屋がたくさんあって、ここでお酒を造っていたそうです。というのは、御所とその周りのお公家さんの家が大きなお酒の消費地だったことと、豊富な地下水があったことからです。しかし、明治以後お公家さん達が東京に移ったことと、近代的な酒造設備に建て替えるには町中で手狭だったことから、水のよい伏見に移っていったのです。
堀野家も、1781(天明元)年初代松屋久兵衛が若狭からこの地にやって来て酒屋を創業しましたが、1880(明治13)年に伏見に移りました。屋敷や酒造道具類をここに残して、当時の様子を伝える記念館として公開されています。
また、ここで地ビールの製造も始め、販売しています。
堀野記念館は月曜と年末年始の休館日以外は公開されていますが、今年は「京の夏の旅」の訪問先にもなっているので、団体さんがどっと押し寄せて来る時間帯があるようです。幸いその時間帯ではなかったので、案内の方がおもしろいエピソードも交えて丁寧に説明をしてくださいました。

天明の大火で焼けた後に建てられた酒造蔵。
土蔵の中は年中気温が一定に保たれるので、酒造りに適していたそうです。

中には、大きな酒樽や昔の酒造道具が展示されています。

酒造りの基となった名水「桃の井」が中庭にあり、今も毎時3トンの水量で溢れ出しています。

お代わりOKで冷たいお水を飲ませていただきました。

同じく中庭にある文庫蔵。
向かいにあった白木屋(白木屋デパートの元のお店がこの町内に大きなお店を構えていました)の大きな瓦等が展示されていました。
この他に、町家部分

も見学できて、虫籠窓、切子格子、大きな石灯篭、おもてなしのできる舞台の間付きの立派なお座敷など、見せていただいたのですが、残念ながら写真撮影に失敗してしまいました。
見学の後は試飲タイム。

先ず、すっきりタイプの「町家麦酒」とまったり味の「花街ビール」、
続いて日本酒の「鴨川の床(だったか?名前は不確か)」、「大吟醸」、「金箔入りのお酒」と次々注がれるので、すっかりいいコンコロモチ

になってしまいました。

奥にお酒とビールを京の食材とともに楽しめるビアホール

もあって、売店とこちらは入館料なしで入れて、午後9時までやっています。
ここだけ行っても楽しめそう~
見学の時間は、午前11時~午後5時。入館料300円。