ビバさんのさんぽ道

みやこの建物、お庭、お花、あれもこれも見てみたいと欲張りビバさんがでかけます

楽町楽家2014

2014-06-05 01:14:32 | 建物(京大以外の京都府の)
2005年から開催されてきている「楽町楽家」。住まいとしての町家を体感し、その良さと魅力を知ってもらったり、町家で暮らすための知恵や課題などを学ぶことができるように、たくさんの町家が公開されています。

今年は5月24日~6月1日に開催されていたので、何軒かのお宅を訪ねさせていただきました。




加藤さんのお宅。
築99年の上京区西陣の伝統的な織家建て町家で、40年位前まで織物を織っていた機がそのまま工場あとの土間に据えられていて、糸繰機も二階の間にありました。しかも、織物業をしていた当時とほとんど変わらない間取りのお家に今も住んでおられるのが驚きでした。
通り庭にある井戸は今も飲用に使えるおいしい水が湧き出ています。
明治時代の五月人形もよく保存されて、飾られていました。


次にお訪ねしたのは、


下京区島原大門のすぐ東にある、




「ギャラリーのざわ」さん。
住みながら、ギャラリーとして文化的催しに自宅を提供されているお宅です。
大正時代の建築か、戦前は足袋屋さんをしておられて、縦4列に部屋が並ぶとても大きな町家でした。

布や紙製品の作家さんの作品が展示されている中で、建築士末川協さんの「京町家の構造について」の講演をお聞きしました。
京町家の耐震性について、地震の動きを柔軟に吸収する京町家では、へたにすじかい等入れない方がいいということで、今まで何となく感じていた「地震に弱い木造家屋」という先入観念を覆されました。しかし、木造住宅にも、江戸時代からの京町家、昭和初期以降の「町家」、その後の在来工法の木造住宅、建築基準法施行以降の住宅といろいろあるので、それぞれに耐震改修にも方法が違うようです。いろいろ勉強になりました。




最後に訪ねた長野さんのお宅。
大正初期に中京の呉服屋さんがお母さんのために北区衣笠に建てられた別荘で、町家というよりは郊外の邸宅という感じの建物です。現在はご当主が論語の塾と少林寺拳法の道場として使われています。
明治時代の錦絵や着物の図案本もたくさん展示されていました。


追記

中京の呉服屋さんというのは高倉三条にある「千切屋」さんで、お母さんが亡くなられた後はここで呉服の陳列会を催し、その頃は西大路もまだ整備されていなかったので、千本今出川の電停から人力車でお客を送迎していたそうです。
また、上村松園さんの実家の茶葉屋も「ちきりや」と言って交流があり、その絵「人生の花」は千切屋の娘が嫁入りする日を描いたそうです。
コメント
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