中学や高校の科目の学び直し系の本がたくさん出ている。私にとって40年以上前に勉強した高校数学は、不完全燃焼感というか敗北感のような感覚がいまだに強く残っていて、ずっとやり直ししてみたいと思っていた。高校数学のやり直しができる本をいろいろ探す中で、本書は最初のとっかかりとしてすぐれているように思えたので、購入してやってみた。全210ページある本書は、タイトルのように150分ではさすがに終わらなかったが、10時間以上かけてじっくり読み、問題を解くことで、よく理解できた。公式などはしばらくするとすぐ忘れてしまうのではあるが、とにかくやり直したという感覚が得られた。本当は、1回読んでから1か月後くらいに30分でいいから復習するのを繰り返していると身に着くのだろうな。
高校数学の基礎が、カラーで見やすく、平易でわかりやすい説明がされている。難しくなる手前で止められていて、途中で挫折しないための上手な構成になっている。数学の分野は、一次・二次・指数・対数関数、確率統計、微分、積分、2進法、数列、三角関数等である。ベクトルや行列は入っていない。実は、本書のプロトタイプのような資料「150分で学ぶ高校数学の基礎」のPDFが、著者の米田優峻氏によってネット上で公開されているので、検索すればすぐ見つかる。こちらは259ページあり、本書の要点をより凝縮したような内容になっている。私は、そちらのPDFを一度読んでから、本書に取り組んだ。そのような読み方もおすすめである。