子供はかまってくれない

子供はかまってくれないし,わかってくれないので,映画と音楽と本とサッカーに慰めを。

2012年TVドラマ冬シーズン・レビューNO.1:「理想の息子」

2012年01月15日 20時57分41秒 | 映画(新作レヴュー)
TVだけでやめておけば良かったものを,「R15+」でも「R-18」でもなく,傲慢にもTVと同様に「G」カテゴリーのままで映画化に挑み,案の定木っ端みじんに砕け散ってしまった映画版「セカンド・バージン」の傷は果たして癒えたのかどうかが気になる鈴木京香だが,この冬のドラマ復帰作は,青春ものの「巨匠」野島伸司の手になる母子ものだ。

昔のドラマは殆ど観ていないため,彼にコメディ的な資質があるのかどうか軽々には判断出来ないが,初回を観る限りは同時間枠の秀作「マイ★ボス マイ★ヒーロー」に比べると,笑いも吹っ切れ具合も負けていた。十八番である家族愛を,「ごくせん」的舞台で思うように展開出来るかどうかは,かなり微妙と見た。

息子役はHey! Sey! Jumpの山田涼介。「セカンド・バージン」の時の息子役が,実年齢で今年30歳になる綾野剛だったことに比べると,配役自体はそれなりにリアルだが,初回は肝心の母親役である鈴木自身が時折見せる表情・雰囲気に,実年齢(今年44歳)以上の疲れが出ていたのが気になった。
更に言えば,どこから見てもコメディエンヌ的要素を備えていないが故に,どうしても「笑わせる」ためにやり過ぎになってしまう演技が,其処此処で話の流れを阻害しているようにも感じた。

一方で息子役の山田涼介は,そんな肩に力が入りがちのお母さんをリラックスさせるかのように,芯の強い優等生の息子を楽しそうに演じて,早くもドラマの推進力になりつつある。このまま順調に進んでいけば,堂本兄弟的な開き直りとも,二宮的なリアルな演技者としてのナイーブさとも違う,独特の立ち位置を見つけられる可能性さえ感じさせた。タイトル通りに,ドラマにとっても「理想の息子」となり得るかどうかは,彼自身の頑張り次第だ。


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