子供はかまってくれない

子供はかまってくれないし,わかってくれないので,映画と音楽と本とサッカーに慰めを。

2010年の10作(映画):一昨年暮れに書いた危惧が的中した1年

2011年01月01日 00時10分31秒 | 映画(新作レヴュー)
あけましておめでとうございます。拙文にお付き合いいただける皆様にとりまして,2011年が良い年となりますことを,心より祈念申し上げます。

ということで,2011年の書き込み初めは,昨年のベストテンから。
タイトルに書いた危惧とは「洋画の輸入本数維持には全く寄与していないように見えるシネコンのスクリーン数だが,それが近年増えてきた吹き替え版に加え,今後予想される3Dバージョンの隆盛によって,更に少数のヒット作による寡占化が進むことが目下の心配事」というもの。それにしても3Dと日本語吹き替え版の「感染」拡大は,予想以上だった。ヨーロッパやアジア映画の輸入減少は今に始まったことではないが,毎週のボックス・オフィスのリストを見ていると,ハリウッド作の中程度のヒット作ですら,公開されないものが増えてきているのが良く分かる。そんな中で,2010年を彩ってくれた10作は以下の通り。

1 (500)日のサマー(マーク・ウェブ)
2 インビクタス(クリント・イーストウッド)
3 ブルーノ(ラリー・チャールズ)
4 マイレージ,マイライフ(ジェイソン・ライトマン)
5 第9地区(ニール・ブロムカンプ)
6 トイ・ストーリー3(リー・アンクリッチ)
7 ゾンビランド(ルーベン・フライシャー)
8 パリ20区,僕たちのクラス(ローラン・カンテ)
9 ぼくのエリ 200歳の少女(トーマス・アルフレッドソン)
10 アイスバーグ!・ルンバ!(ドミニク・アベル,フィオナ・ゴードン,ブルーノ・ロミ)
(番号は鑑賞順)

その他では,クライマックスシーンの迫力に泣けた「オーケストラ!」,ロバート・ロドリゲスがB級の精髄を示して見せた「マチェーテ」,ノオミ・ラパスという女優の誕生を言祝いだ「ミレニアム ドラゴンタトゥーの女」,幕切れが衝撃的だった「アイガー北壁」,ベストセラーの映画化というプレッシャーを微塵も感じさせずに,原作を自らの映像美学の起爆剤として昇華した中島哲也「告白」,36年の月日を経てようやく公開されたアカデミー賞受賞作「ハーツ・アンド・マインズ」,K-POPどころの騒ぎではないヤン・イクチュン「息もできない」,キャサリン・ビグローは何年たっても肉食系だった「ハート・ロッカー」,そして超能力を持たない人間のヒーロー・ヒロイン像を鮮やかに示した「キック☆アス」といったところが印象に残った。
デヴィッド・フィンチャーの超話題作「ソーシャル・ネットワーク」で幕を開ける2011年も,たくさんの素晴らしい出会いがありますように。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。