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軍師官兵衛、終わる

2014年12月27日 | 日常
今年のNHK大河ドラマ「軍師官兵衛」が終了した。
けっこう良かった。
ここ数年の大河ドラマの中では、一番面白かったと思う。
世間的にもわりと好評だったようで、人気の戦国時代ということもあり、低迷していた視聴率も挽回できたようだ。

戦国時代の戦(いくさ)というのは、「勝てる相手と戦って勝つ」というのが基本だといわれる。
一部例外はあるものの、織田信長も豊臣秀吉も徳川家康も、このセオリーによって勝ち抜いてきている。
だからといって、自分の周りが弱いところばかり、というほど戦国時代は甘くない。
戦う前に、味方を増やす、敵の同盟軍を寝返らせる、などの準備をしっかり行い、圧倒的に敵より有利な状態になってから、決選に挑むのだ。
極端なことをいうと、戦う前に勝敗が決まっており、最後の詰めとして合戦を行うのが理想だという。
ドラマでは、主人公である黒田官兵衛が、軍師として戦の前段取りを行うところがよく描かれていたと思う。

黒田官兵衛は裏方として豊臣秀吉を支え、天下統一を果たす手助けを行う。
これで平和な世の中になるかと思いきや、豊臣政権は秀吉の死後、早くも揺らぎだす。
このチャンスを逃すわけにいかない、と天下取りに乗り出す徳川家康と、なんとしても豊臣政権を守ろうとする石田三成と淀。
そして、ついに主人公である黒田官兵衛が、誰かの手助けではなく、自分の戦として天下取りに名をあげる。
ここからの展開がスゴイ。
ドラマを通じて、徹底的に悪役をやってきた石田三成と淀、それに対する徳川家康は顔は笑ってても腹の中は真っ黒という状態。
じゃ、主人公の官兵衛は善人なのかというと、ぜんぜんそんなことはない。
クライマックスである関ヶ原の戦いに向け、最後の勝者になるのは誰か!

といっても、ほとんどの人は結果を知ってるわけだが、ワクワクして見ることが出来た。
関ヶ原の戦いで、官兵衛の息子である黒田長政は、徳川軍にいた。
ここで、息子長政により、完璧な段取りが行われ、戦う前に徳川軍の勝利はほぼ決まっている状態に持ち込まれる。
父から息子へ技が引き継がれており、天下分け目の大戦(おおいくさ)は一日で終了するのだ。

最終回に関ヶ原の戦いを持ってきたのはとても良かったと思う。
戊辰戦争後の「八重の桜」、平治の乱後の「平清盛」、大阪夏の陣後の「江」は、後半盛り下がってしまった。
日本史に残る大事件の後は、あまりダラダラ続けないほうがいい。
(とはいっても、八重や清盛の場合は仕方がないのだが)

さて、来年は「花燃ゆ」。
主人公は杉文(すぎ ふみ)という女性。
おそらく、大河ドラマ史上、最も無名の人。
NHKによると、「幕末の学園ドラマ」「幕末のホームドラマ」らしい。
どうかな…、大河ドラマのファンは、学園ドラマとかホームドラマを見たいわけではないと思うが。
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