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山河果てるとも

2016年08月06日 | 読書
久しぶりに歴史小説を読んだ。
伊東潤「山河果てるとも」。
内容は1578年から1581年の「天正伊賀の乱」を舞台にした伊賀の人々の戦いの話。



この天正伊賀の乱というのは、歴史の大きな流れの中では大きな意味はないと思う。
それでも、これまで何度も小説や映画の題材となり、ゲームにまでなってるところをみると、ローカルなわりに人気のある戦(いくさ)なのだ。
理由は一つ。
忍者VS織田軍団という特殊なバトルだからだ。

天正伊賀の乱ファンの僕としては、なかなか興味深く読むことができた。
出てくる伊賀の城、地名に馴染みがあり、なんといっても土地勘があるので、とてもわかりやすい。
そして、過去の伊賀の乱モノと比べて、とても現実感がある。
超人みたいな忍者は出てこないし、魔法使いみたいな忍術も出てこない。
僕の知る限り、もっとも実際の伊賀の乱に近い内容だ。

ご存じのように、第一次伊賀の乱は、伊賀軍の大勝利。
第二次伊賀の乱は、善戦はするものの、圧倒的な兵力差により敗北。
その後、織田軍の大量虐殺により、壊滅的被害を被る。
そういった歴史の場面を、実際の資料を引用しながらリアルに描かれ、とても読み応えがあった。
物語の中心となる人物は架空でありながら、実在の人物と上手く絡まり、違和感がない。
天正伊賀の乱ファンの人は是非読んでもらいたい。

(おまけ)

「山河果てるとも」と同時期に発表された、同じ天正伊賀の乱を舞台にした「忍びの国」。
これが来年映画化されることが決まった。
主演は嵐の大野智。
これは期待できる。
今までの低予算映画と違い、なんてったて嵐だ。
きっと豪華なキャスティングで壮大なスケールで伊賀の乱が描かれるに違いない。
ちなみに、「忍びの国」は、第一次伊賀の乱だけなので、伊賀軍の勝利で終わる内容になっている。
劇場まで見に行こうかな。

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