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でっちあげ~福岡「殺人教師」事件の真相

2016年08月07日 | 読書
福田ますみ著書「でっちあげ~福岡『殺人教師』事件の真相」を読んだ。
ノンフィクションもので、かなり面白く、昨日の朝ブックオフから届いて、一気に読んでしまった。



僕はほとんど覚えていないのだけど、2003年福岡で起きた事件だ。
男子児童に対して、担任教師が体罰と差別発言を繰り返し、ついには自殺を強要したという。
この事件は全国で取り上げられ、件の教師は担任を降ろされ、停職処分を受けるに至る。
しかし、その教師のクラスの生徒の大半は、先生は無実だといってるのだった。

実は、児童の両親はとんでもないモンスターペアレントだった。
無実の教師が極悪人に仕立てられ、窮地に追い込まれる様子がリアルに描かれていく。
調査を進めていくと、児童の両親の言ってることはあまりにもムチャクチャで、辻褄があわないことだらけ。
ウソにウソを重ねた狂言にコロっとだまされる弁護団、医師、そしてマスコミ。
しかし、いざ裁判になると、あまりにズサンな原告側の言い分がどんどん綻んでいく様は、読んでいて痛快である。

この事件は、あくまでも教師側が被告である、体罰事件の真相となっている。
そのため、冤罪事件としてみた場合の加害者である原告側(ややこしくてゴメン)のさらなる深いツッコミがない。
あまりにも酷いモンスターっぷりに対する「なぜ」がないのだ。
この辺は、教師側が児童の両親を名誉棄損で訴えれば、もっと真の真相にいけそうだけどね。

それにしても、この学校の校長(と教頭)のヘタレっぷりはどうなのか?
あまりにもことなかれ主義で、自分の保身しか考えていない。
事がここまでこじれたのは、校長の初期対応のマズさが原因だ。
ここでも書かれてるけど、今の学校って、教師より圧倒的に保護者のほうが強い。
理不尽なモンスターに対しては毅然とした態度で臨むべきだろう。
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