クイーンズクロニクル
西脇さんによる楽曲解説。
今回は1977年のアルバム「世界に捧ぐ」から。
「ウィ・ウィル・ロック・ユー」
イントロの足踏みリズムは、メンバーとロードクルー全員をスタジオに呼んでみんなで足踏みをした。
「伝説のチャンピオン」
フレディにしては珍しく短いメロディラインを模倣しながら展開していくというパターン。
エンディングは中途半端な終わり方で、ライブではきちんとビッグエンディングで終わってるのになぜか?
それは3曲目が派手な曲なのに、ここで派手な終わり方をしてしまうと、次の曲のインパクトが薄れてしまうから。
「シアー・ハート・アタック」
パンクっぽく聴こえるけどロジャーは関係ないと言う。
実はこの曲は全力でふざけていて、遊び心が満載になっている。
ポリリズムを駆使したり、ロートタムの叩きながらチューニング変えるなどしている。
「オール・デッド」
ブライアン作でボーカルもピアノもブライアン。
子供の頃に死んだネコへの愛情が感じられる曲になっている。
「永遠の翼」
ジョン作のシングル曲。
フレディのボーカルは喉に負担をかけて荒々しい表現をしている。
ライブでは無理のないよう少しメロディを変えて歌っているように、喉の管理をしながら歌っている。
「秘めたる炎」
ロジャー作。
クイーンにファンクを持ち込んだはじめての曲。
ロジャーのドラムはフィルインを入れていない。
「ゲットダウンメイクラブ」
実験的な作品で、短いフレーズを模倣しながら展開していく。
サビは3拍を使ったポリリズムを使っている。
またハーモナイザーを遊び感覚で効果的に使っている。
「うつろな人生」
ブライアンの曲、歌もブライアン。
変則的なブルース進行で、おそらく一発録音している。
「恋のゆくえ」
ジョンの曲。
ジョンは作曲のセオリーから大きく外れない曲作りが上手い。
あえて外した曲を作るフレディと対象的になっている。
「イッツレイト」
従来のクイーンファンを裏切らないクイーンらしい曲。
この曲でも3拍フレーズのポリリズムが聴かれる。
「マイメランコリーブルース」
聴きどころはジョンのベースで、ジョンの素敵なところが凝縮されている。
スタジオなどでベースプレイヤーに「ジョンディーコンみたいなプレイでお願いします」と頼むことがある。
本来それは失礼なことかもしれないが、ジョンにかぎりそんなことにならないらしい。
歌もののベースプレイの模範的なプレイになる。
パッパラー川合のよろず相談室
IT最先端で走り続けてきたけど、先行き不安だ(56歳男性)
フレディも死ぬ直前まで力を振り絞った、あなたはまだまだ先が長い、頑張れ、ということで「ショー・マスト・ゴー・オン」
洋楽歌詞解説家の朝日順子さんによるクイーン解説
フレディはミュージックホールの世界観が大好きで、それがオペラ座の夜アルバム、ボヘミアンラプソディーに反映されている。
「ロング・アウェイ」
ブライアンにとって特別な曲
華麗なるレースは前作の双子的なアルバム
ロングアウェイの意味はツアーで長く家族と離れて辛い
アメリカを意識していて、アメリカでのヒットを目指している
「マイ・メランコリー・ブルース」
フレディが歯医者へ行くため活動を少し休止している間にセックスピストルズがデビューする。
ピストルズをはじめとしたパンク勢はクイーンを叩き始める。
メディアもそれに乗って、クイーンをこき下ろす記事を書くようになる。
そのため、あえてロック的ではない曲をレコーディングし、時代に逆光する姿勢をみせる。
ただし、アルバム的にはロック的でパンク的な部分も見せる。
クイーンズコミュニティ
ゲストは佐藤竹善さん
クイーンとの出会いは9歳のとき、近所のお兄さんが聞いていたキラークイーンを聴いてハマる。
その後一旦熱は冷めるが、中学生になって友人がアルバム「オペラ座の夜」を持ってきて聴くようになる。
それからクイーンのアルバムを聴きあさるようになる。
好きなメンバーはジョン・ディーコンで、自分もベースを弾くようになる。
ステージ上で、ほかのメンバーは暴れてるのに、一人もくもくと弾いてる様子にひかれたという。
とはいえ、カシオペアのテクニカルなベースを聴いてベース道を諦め、ボーカリストを目指すことになる。
初めてベースを弾きながら歌った曲は「永遠の翼」だった。
フレディの死後ジョンがクイーンに参加していない理由については、おそらくジョンはフレディが大好きで、自分の曲はフレディが歌うことによって完成すると考えてるからではないか、とのこと。