風・感じるままに

身の回りの出来事と生いたちを綴っています。

「変革」

2008-11-05 | 社会
 
 初の黒人大統領の誕生だ。人種差別と黒人への偏見が根強く残るアメリカで。大げさな言い方だが、“歴史を見た”という感じがする。
 1619年、当時イギリスの植民地だったバージニア州に20人の黒人が年季奉公につれられてきたのが、黒人奴隷の始まりだといわれている。やがて、600万人の黒人がアフリカ大陸から奴隷船につめこまれアメリカ大陸に送られた。また、その何倍もの命が移送途中に海のもくずになったともいわれている。

 1865年にリンカーン大統領によって奴隷制が廃止されたが、それで黒人差別がなくなったわけではない。人種対立が原因でリンカーンとケネディの二人の大統領が暗殺されるという事件も起こった。
 やまない差別に対し、平等を求める公民権運動が起こった。この運動を指導したのがマーティン・ルーサー・キング牧師だ。

 俺がこのキング牧師に初めて出会ったのは1964年頃だ。出会ったといってももちろん本で、である。あれから43年。「私には夢がある」と民衆に語ったキング牧師の言葉が現実のものになったのだ。

今度の選挙で驚いたことがある。
 ひとつは投票日数日前から始まった「期日前投票」の状況だ。テレビでは「3~4時間並んで投票している」ということを伝えていた。もうひとつは、投票日当日のニュースで「投票所では1時間も並んで投票している姿が見受けられた」という映像とコメントだ。

 いくら今度の大統領選挙へのアメリカ国民の関心が高く、投票率が上がったといっても、1時間も2時間も並んでというようなことは日本ではとても考えられない。投票システムが日本と違い、時間がかかるということがあったとしてもだ。

 わが祖国日本でも、そう遠くない時期に総選挙があるのは間違いない。もし、来るべき総選挙の投票に1時間も2時間も並ばなければならないとしたらどうする。

もちろん、俺は行くが。