白川義員の「聖書の世界」byとんぼの本。
先日都内の書店をぶらぶらしていたら、「ダ・ヴィンチ・コード」の特集として、関連書籍を並べたコーナーが作られていた。マイケルベイジェント、ヘンリー リンカーン、リチャードリーの「レンヌ=ル=シャトーの謎―イエスの血脈と聖杯伝説」もあるはずと思いぐるぐると物色。あるにはあったが、如何せん高いよな~。買えないな~。なんて眺めていると脇に目立たずにあったのが本書「聖書の世界」であった。
白川義員の山岳写真は子供の頃に正に雷に打たれるような衝撃を受けて以来、好き。
好きというよりか畏敬の念を持つ写真家って云うと、アンセル・アダムス、白川義員そして荒木経惟なのだ。ちょっと一般的には理解しづらい取り合わせだな。
あ、あとキャパも好き。ライカのトーンが...おっとと脱線。
白川義員の「山岳写真全集」と云う写真集はキャプションを読んで思わず泣いてしまう程とんでもない状況で撮った写真の連続で、僕はこれを全巻持っていてちょくちょく捲らせて頂いているのだ。
「山岳写真全集」の後に「新約聖書の世界」、「キリストの生涯」そして「旧約聖書の世界」などが出版された訳だが、手が出ない程高かった。かなり欲しかったんだよねぇ、当時も今も。
これがとんぼの本になったの?
それが、「ダ・ヴィンチ・コード」の特集コーナーだぜ。こんな所でお前は何をやっておるのかと。夜遊びをしている自分の子供にであった気分だよ。全く。なのでその中の一冊を抱きかかえるようにつれて帰ってきたという訳だ。
写真はかつての写真集からの抜粋だが、構成は白川氏が当時を振り返りつつ写真に解説をつけている感じの本になっていて、当時の超然としたモノリスのような本から比べると、とっつきやすい内容になっている。
個人的には、当時の無口でただ只管「在る」という「写真」はもっと理解されるべきと思う今日この頃です。こんな写真を撮れる人が居るという事に驚かる。本当にすごい。美しい。