松静自然 -太極拳導引が教えてくれるもの-

松静自然とは落ち着いた精神情緒とリラックスした身体の状態をいい、太極拳導引の基本要求でもあります。これがまた奥深く…

ゆるみと脱力

2005-05-12 | 行雲流水-日日是太極拳導引-
緊張する場面に遭遇することは
誰にでもあること。
そして、そうした場面で
思わず緊張してしまうことは
自然な反応でもあるのだ。
その緊張状態から平静な「いつもの自分」に、
いつ、どうやって戻ってくるのかが
問題なのだと思う。

深呼吸をしたり、目を閉じてみたりと、
緊張感の解消法は人によってさまざまだ。
場面によっては、ます精神が緊張して
その情報が筋肉等の肉体的反射となって現れたり、
反対に肉体的な緊張から
精神も緊張してくる場合もあるだろう。

一般的に緊張状態とは力が入った状態、
力みがある状態と考えられると思う。

従って第一の手段としては、
入ってしまった力を押さえることになる。
現状以上に力まないように制御する。
それから力を抜くことになる。
いわゆる脱力ということか。

ここで問題になるのが力の抜き加減だ。
最近少しずつ感じていることがある。
脱力はひとつの手段であって、
その目的はゆるむことにあるのではないか
ということ。
つまり、力を抜くのは
ゆるみを得るためのものではないかと思うのだ。

ゆるみは、余裕というか
適度な緩衝材のような働きをするのではないかと。
よい道具には必ず“遊び”があるものだと、
職人さんから聞いたことがある。
体にもこうした“遊び”がある方が
柔軟な対応ができそうな気がする。
ゆるみってそういうものなのかな。

体の中でゆるみを実感しやすい部位を探していたら、
どうも関節ではないかと思い当たった。
少なくとも自分の場合はそんな気がする。
ジッとしている場合なら
筋肉の方がわかりやすいようにも思うが、
動いているときはさっぱりわからない。
だから関節の状態を意識するようにしてみている。

とりあえず、今はまだこのくらいしか書けない。
関節で感じる
緊張とゆるみの状態についての
レポートなどもまだまだ。
もう少し時間がかかるなあと思う。
それにこの仮説がボツになることだって
十分にあり得るし(笑)。