職場のベランダに珍しいお客様が来た。
「わぁ、きれい」という声に近くに寄ってみた。
玉虫である。
さっそくカメラで撮ったが肉眼で見るのとは大違い。
本当にキラキラしてきれいであった。
今でこそ読書好きなゆきたんくであるが、少年時代は本とは無縁であった。
そんなゆきたんくが「玉虫の厨子」という名前を思い出した。
ストーリーを覚えている訳ではない。
脳味噌の地層のなかでアンモナイトのようになっている記憶が発掘されたのである。表現は悪いがボケタ方が、何かのきっかけで記憶が戻る時というのは、こん時ではないだろうか。
玉虫
最近、職場のベランダでゆきたんくが第一発見者となった(別に誰にも言わなかったが・・・)蠅がいた。それもキンキラキンに輝く金蠅。
それを見て、そう3、4歳の時に預けられていた保育園の滑り台の天辺にいた自分を思い出したのである。
このごろのこの環境である。小さな生き物が減りつつある昨今だ。
ゆきたんくが年老いる頃には、記憶を甦らせるカンフルとなる小動物は更にすくなくなるのではないだろうか。
この玉虫が最後にならないように祈るばかりである。