夢逢人かりそめ草紙          

定年退職後、身過ぎ世過ぎの年金生活。
過ぎし年の心の宝物、或いは日常生活のあふれる思いを
真摯に、ときには楽しく投稿

思わず、人生の達人と感じ・・♪

2007-05-12 19:17:00 | 定年後の思い
私は昼下り、居間に簡易ベットを持ち込んで、横たわりながら、雑誌を読みはじめた・・。

総合月刊雑誌の『中央公論』であり、
養老孟司(ようろう・たけし)・著に寄る『鎌倉傘張り日記』が目に止まった。
私はこのお方に関しては、殆ど無知である。
一冊の本も読んだこともなく、『バカの壁』を著作され、ベストセラーになった頃、
『文藝春秋』の《日本の顔》で掲載された折、
初めて知り、東京大学の教授で解剖学を専攻された人であり、育ちの良い人、
といった印象が私なりに残った。

今回、お住まいが鎌倉という記憶があるので、
随筆として『鎌倉傘張り日記』というタイトルを掲げて折、
どのように日常生活を切り取り表現されているか、という興味から読みはじめたのである。

私は素直に共感しながら感銘を受け、思わず人生の達人、と敬愛してしまった・・。

無断であるが、私が感銘を受けた箇所を引用させて頂きます。


【・・
もともと社会的な関心が高いほうではなかった。
そもそもの仕事が基礎医学で、趣味が虫集めだから、それで当然ではないか。
それが社会時評みたいなことをする。
それは無理だから、自分の本音が出てくれば、やめたくなるに決まっている。

ある年齢を越えると、努力というのができなくなる。
無理してやらなくたっていい。
たいていのことは、まあ、いいか、になる。
世間の出来事に対して、とんでもないとか、ダメだとかいったところで、
老いの繰り言にしか聞こえない。

残ったものは、自然への関心である。
自分は自然に還るのだから、それでいいのだと思う。
今日はたまたま箱根の山から横浜まで出てきたが、山の桜が美しかった。
ソメイヨシノではない。土地の人はフジザクラ、オトメザクラ、マメザクラなどと呼ぶ。
灌木に小ぶりの花がついて、地味だが、気がつけば鮮やかに目に残る。
日本の新緑は本当に美しい。
紅葉を愛でる人は多いし、ドライブマップには紅葉印がついている。
でもそういう場所なら、かならず新緑も美しい。
広葉樹が多いといういうことだからである。



私は昭和55年前後、小説家・立原正秋・著の『夏の光』の小説から喚起され、
幾たびの時節、箱根のマメザクラ、新緑、紅葉を愛でたりした。
このしたつたない体験があるので、共感したのである。


【・・・
翻って都会を見ると、話がまったく違う。箱根の山から横浜に来ると、それがまことによくわかる。
箱根に行く前はラオスにいた。田舎を回って、毎日虫を捕っていた。
だから感覚が田舎者になっている。

高層ホテルの上から、下の世界を見ると、ほとんど目が回る。
美しいというより、目まいがするというしかない。刺激だけがむやみに強い。

駅の構内を歩くと、西も東もわからない。歩行者にぶつからないように歩くだけで、精一杯である。
これははたして生活と呼んでいいか。



私は定年退職後の三年生の身であり、
東京の郊外の調布市に住んで、ある程度緑豊かな樹木に囲まれ日々を過ごしている。

ときおり都心に出かけた折、人混みに疲れ、
高層ビルを観て、人の出入りを想像すると眩暈(めまい)を感じたりしている。
都心で30年以上本社務めのサラリーマンをしてきたが、
こうした感覚がここ数年深まっているのである。



私はべつに田舎に住んでいるわけでない。
しかし心底から雑念を去ってすることといえば、虫捕りであり、新緑を見ることである。
そこに「吸い込まれてしまう」のだから仕方がない。
そういう心の持ち方こそ、幸せと人は呼ぶものでないか。


注・・【】印は、引用をさせて頂きましたが、原文より改行を勝手ながら多くしました。


ご自分の好きなことに没頭することこそ、この人生の命題と私は受け止め、
思わず養老孟司・氏のグラビアで見た表情を思い浮かべたりした。

こうした方が、人生の達人、と私なりに感銘を受け、
そしてわが身のつたなさに微苦笑している。





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この人生に、微笑みを・・♪

2007-05-12 13:53:00 | 定年後の思い
先程、買物に出かけた折、店内で若い夫婦を見かけた。

奥さんはスーパーの買物車を押して、幼児の3歳前後の男の子を連れて、
陳列棚を見たりしている。

若い主人が、
『ついでに・・これを買っておこう・・』
と奥さんに声をかけた・・。

主人は、米の五キロの袋を肩にかけていた。

大型連休を過ぎた1週間の最初の土曜日休みを迎えいるらしく、
買物車の籠があふれている。

私はこうした若い夫婦の姿に好感を覚えた。

人生を歩み始め、若いなりに家庭を築き、幼児の男の子に互いに気付き合い、
そして共に微笑み合う人に、
私はこの人生に幸多かれ、と思わず心の中で呟(つぶや)いたりした。



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穏(おだ)やかな朝を迎えて・・♪

2007-05-12 07:26:00 | 定年後の思い
東京の郊外は、雲ひとつなく快晴となり、
風もない穏やかな朝を迎えている。

朝の5時半過ぎに、新聞を取り込みに玄関庭に下り立つと、
花梨(カリン)の樹木が朝の陽射しを受けて折、
若葉がきらめいていた。

気温は13前後であり、心身すっきりし、居間でゆっくりと新聞を読んだりした。

日中は22度前後の陽気なので、過ごしやすい日となり、買い物と散策をした後、
読書が良いかしら、と思ったりしている。

そして、樹木の枝葉を見詰め、明日にでも・・剪定をしょうと思いながら、
煙草を喫ったりしている。


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