夢逢人かりそめ草紙          

定年退職後、身過ぎ世過ぎの年金生活。
過ぎし年の心の宝物、或いは日常生活のあふれる思いを
真摯に、ときには楽しく投稿

塩野七生・女史に魅せられて・・♪

2007-07-13 19:11:00 | 定年後の思い
このサイトに於いて、私はたびたび作家・塩野七生・女史について綴っているが、
ここ数年、遅ればせながら各作品を読んで魅せられている。

特に『ローマ人の物語』に関して、数年前に知ったが、
今年の春先から新潮文庫で読みはじめ、
第24巻の『賢帝の世紀』(上巻)を昼過ぎから読んだりしている。

この女史の作品の数々に於いて、
人々の営みの積み重ねである歴史の中で、足跡を残こされた人物を表現する時、
血の通った生き生きとして甦(よみがえ)る表現である。

その上に、この女史の特有の歴史人物の心情を明示し、更に女史の明確な論理を提示させるのが、
何より魅了させられるのである。

例えば、昼下りに読んだ部分を引用させて頂ければ・・

ローマ帝国で属州地出身で初めて皇帝となったトライアヌスがローマの皇宮で統治の初め頃・・


妻のプロティナも南仏生まれだから、
初の属州出身の皇后ということになる。
教養が高く賢明な女だったが、
美人でも派手でもなかったので、羨望や嫉妬の対象になる心配はなかった。

皇后ともなれば元老院議員の夫人たちの上位になるが、
女とは、同性の美貌や富には羨望と嫉妬を感じても、
教養や頭の良さには、羨望もしなければ嫉妬も感じないものなのだ。

【『ローマ人の物語』(新潮文庫)第24巻 同61ページ
注・原文より勝手に改行を多くさせて頂きました 】


こうした箇所を引用させて頂きましたが、この女史の特有の論理の前には、
読んでいてもしばらく呆然とし、庭先に下り立ち、女の人はそうなのかしら、
と樹木を眺めながら、煙草を喫ったりしている。

私は年を重ねた62歳の身であるが、塩野七生・女史に導かれて、
人生の多面を数多く教示させられている生徒のひとりと思ったりしている。




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朝靄(あさもや)につつまれて・・♪

2007-07-13 08:26:00 | 定年後の思い
東京の郊外は、どんよりとした曇り空であり、雨上がりのひとときとなっている。

昨日は午前中は薄日となり、昼過ぎに本降りの雨となり、
夕方に止(やん)んだ後、夜から小雨となり、早朝を迎えている。

ここ数日、村雨(むらさめ)の日々が続いて折、
庭の樹木は煙ったような朝靄となっている。

台風が沖縄本島を襲い、本土を北上を予測されて折、
東京の郊外も明日、明後日に影響がある、と報じている。

台風は日本に恵みの雨をもたらすが、
ただ必要以上に豪雨と強風があいまって多大な被害となり、災害、人災となるので、
ゆるやかな台風が通過する程度に願いたい、
と毎年天気予報を視聴するたびに祈願しているのが実情である。


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