私は原則として甘い菓子を食べないが、
ときおり、大福とチョコレートを月に一度ぐらい口にしたりしている。
そして、家内と旅行に行った時、
地方の銘菓と称されている和菓子を抹茶、煎茶などを頂いて、
家内のお供として、賞味したりしている。
昨日の小雨の降る中、買物を済ませて帰宅し、
家内と遅い昼食を頂だいた後、何時ものように午後の読書をはじめた・・。
この時に来訪のチャイムが鳴り、
家内が玄関に立つと、
『自治会の・・共同募金の集金・・なの・・
それが、小学一年生の男の子なの・・』
と家内は私に云った。
そして、台所の小棚に行き、居間に戻ると、
家内は一枚の板チョコを私にかざした・・。
私はいいょ、というしぐさをした。
男の子を見送った家内は、
『チョコレートを上げたら・・最初はびっくりしていたけれど・・
嬉しそうな笑顔・・可愛いわね・・』
と家内は私に云った。
『そりゃ・・良かった・・』
と私は家内に微笑みながら云った。
私は日常の買物を担当しているが、
スーパーの菓子売り場で明治、森永のごく普通の100円程度の板チョコを見かけると、
一ヶ月に一度ぐらい手を伸ばし、購入してしまうのである。
私が昭和29年の小学三年生になったばかりの時、
私を可愛がってくれた祖父が死去した。
前年に父が亡くなり、跡継ぎを失くしたので、祖父は病気の上、
落胆した表情が幼年期の私さえ感じていた。
祖父、父が中心として、程ほどの広さの田畑を耕し、
忙しい時期は小作人の助けも借りて農業をしていたが、
大黒柱の2人を失った我が家では、
長年の農業の技量の伝承が絶たれてしまったので、没落期となった。
こうした折、祖父の妹に当たる叔母が、
何かと心配し、日常口にできない菓子とかを持参してくれた。
その上、妹の2人には、お揃いの洒落た下駄などを頂戴した。
私は駅までの15分ぐらいの道程を叔母と共に歩いて、
駅で見送った。
この直前、叔母は私に、
『チョコレートでも買ったら・・』
と私にお金を手渡した。
私は小汚い身なりであったが、駅の商店街の菓子屋で、
輝かしい一枚の板チョコレートを買った。
私は駅前から急いで帰宅し、妹のふたりと割って食べた。
正確にいうと私は少し大き目の3分の一であった。
あの家も貧乏になった、と幼児の私さえ、近所の噂を聴こえたりしていたが、
この時ばかりは妹2人と食べあった板チョコは、急に裕福に感じたりした。
こうして私なりに、たった一枚の板チョコレートであるが、
昨今のベルギー産の高級品、宇治抹茶生チョコなどのチョコレートより、
遥かに美味しく感じられるのである。
ときおり、大福とチョコレートを月に一度ぐらい口にしたりしている。
そして、家内と旅行に行った時、
地方の銘菓と称されている和菓子を抹茶、煎茶などを頂いて、
家内のお供として、賞味したりしている。
昨日の小雨の降る中、買物を済ませて帰宅し、
家内と遅い昼食を頂だいた後、何時ものように午後の読書をはじめた・・。
この時に来訪のチャイムが鳴り、
家内が玄関に立つと、
『自治会の・・共同募金の集金・・なの・・
それが、小学一年生の男の子なの・・』
と家内は私に云った。
そして、台所の小棚に行き、居間に戻ると、
家内は一枚の板チョコを私にかざした・・。
私はいいょ、というしぐさをした。
男の子を見送った家内は、
『チョコレートを上げたら・・最初はびっくりしていたけれど・・
嬉しそうな笑顔・・可愛いわね・・』
と家内は私に云った。
『そりゃ・・良かった・・』
と私は家内に微笑みながら云った。
私は日常の買物を担当しているが、
スーパーの菓子売り場で明治、森永のごく普通の100円程度の板チョコを見かけると、
一ヶ月に一度ぐらい手を伸ばし、購入してしまうのである。
私が昭和29年の小学三年生になったばかりの時、
私を可愛がってくれた祖父が死去した。
前年に父が亡くなり、跡継ぎを失くしたので、祖父は病気の上、
落胆した表情が幼年期の私さえ感じていた。
祖父、父が中心として、程ほどの広さの田畑を耕し、
忙しい時期は小作人の助けも借りて農業をしていたが、
大黒柱の2人を失った我が家では、
長年の農業の技量の伝承が絶たれてしまったので、没落期となった。
こうした折、祖父の妹に当たる叔母が、
何かと心配し、日常口にできない菓子とかを持参してくれた。
その上、妹の2人には、お揃いの洒落た下駄などを頂戴した。
私は駅までの15分ぐらいの道程を叔母と共に歩いて、
駅で見送った。
この直前、叔母は私に、
『チョコレートでも買ったら・・』
と私にお金を手渡した。
私は小汚い身なりであったが、駅の商店街の菓子屋で、
輝かしい一枚の板チョコレートを買った。
私は駅前から急いで帰宅し、妹のふたりと割って食べた。
正確にいうと私は少し大き目の3分の一であった。
あの家も貧乏になった、と幼児の私さえ、近所の噂を聴こえたりしていたが、
この時ばかりは妹2人と食べあった板チョコは、急に裕福に感じたりした。
こうして私なりに、たった一枚の板チョコレートであるが、
昨今のベルギー産の高級品、宇治抹茶生チョコなどのチョコレートより、
遥かに美味しく感じられるのである。