私は、午後のひととき、
過日、偶然に本屋の棚で見かけた新書の一冊を読んだ。
臼井幸彦・著の『駅画の中で出逢う「駅」』(集英社新書)であるが、
私も映画の愛好者として、「駅」に対する思いは強いので、購読したのである・・。
http://shinsho.shueisha.co.jp/kikan/0341-f/index.html
著作者の経歴を拝見すると、
鉄道の専門技術畑の栄達のお方であり、
日本の駅はもとより、パリ、ロンドン、ローマ、ニューヨーク等の駅に関する歴史、
そして文化等も詳細に綴られ、私は多々に教示を受けたのである。
そして、著作者の映画を愛好されている方であり、
その上、読みながら著作者自身の心情が、かいま見られて、
私は共感したのである。
『昼下りの情事』(1957年)のラストシーン・・
【・・
男、女主人公の名場面・・
しかし私にはそれよりむしろ、
娘の幸せを願いながら、そっとホームの柱の陰から父親が微笑みを浮かべて、
去っていく列車を見送るシーンが心に残る。
・・
】
注)原文より、改行を多くした。
この原文5行の綴りを読んで、
私は著作者に対し信頼できる人、と直感したのである。
『アンタッチャブル』(1987年)
シカゴ駅の大階段の名場面に関し、くまなく表現されて折、
同調していたが、著作者の専門畑の英知に思わず脱帽したのがあった。
【・・
この階段は、線路が掘割で進入しているために生じた
駅舎内部の高低差をドラマチックな空間に変えている。
・・
】
著作者の基調として、
【・・
映画の中で自分の住む街の何代か前の駅舎に出会うと、
宝物でも見つけたかのように嬉しくなり、
当時の駅周辺の様子も窺えて感慨深い・・
】
私はこうした著作者のまなざし、心情に深く共感するのである。
映画の数多くの駅に関する名場面を披露して下さり、
こうした稀な本に出合えたことに、著作者に感謝したい。
あえて苦言を2点を綴れば、『逢びき』(1945年)に関し、
数多くの作品は丁重に論評している割合にしては、
少し短絡的過ぎる、と感じたのである。
汽車の通過された駅で、人妻が煤煙が眼に入り、
通りかけた医師が取り除く・・
こうした名場面から、この映画がはじまり、
待合室の情景なども加味されながら、ドラマの核心に導かされるのである。
そして、『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』(1984年)を
取り上げて欲しかったのである。
主人公が駅構内で出入りする時、
『イェスタディー』の名曲が流れ、過去と現在を的確に表現するシーン、
恋人がハリウッドに女優を目指し、列車の乗客となり、
それを見送る主人公・・等。
駅をとりまく情景は、それぞれの人の人生を集縮して表現できるので、
古今東西の名画に数多く使用されいる、と改めて感じたのである。
尚、私は拙(つたな)い映画の鑑賞暦であるが、
邦画としては『駅 STATION』(1981年)、
洋画としては『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』(1984年)を最高位と、
かたくなに信じているひとりである。
過日、偶然に本屋の棚で見かけた新書の一冊を読んだ。
臼井幸彦・著の『駅画の中で出逢う「駅」』(集英社新書)であるが、
私も映画の愛好者として、「駅」に対する思いは強いので、購読したのである・・。
http://shinsho.shueisha.co.jp/kikan/0341-f/index.html
著作者の経歴を拝見すると、
鉄道の専門技術畑の栄達のお方であり、
日本の駅はもとより、パリ、ロンドン、ローマ、ニューヨーク等の駅に関する歴史、
そして文化等も詳細に綴られ、私は多々に教示を受けたのである。
そして、著作者の映画を愛好されている方であり、
その上、読みながら著作者自身の心情が、かいま見られて、
私は共感したのである。
『昼下りの情事』(1957年)のラストシーン・・
【・・
男、女主人公の名場面・・
しかし私にはそれよりむしろ、
娘の幸せを願いながら、そっとホームの柱の陰から父親が微笑みを浮かべて、
去っていく列車を見送るシーンが心に残る。
・・
】
注)原文より、改行を多くした。
この原文5行の綴りを読んで、
私は著作者に対し信頼できる人、と直感したのである。
『アンタッチャブル』(1987年)
シカゴ駅の大階段の名場面に関し、くまなく表現されて折、
同調していたが、著作者の専門畑の英知に思わず脱帽したのがあった。
【・・
この階段は、線路が掘割で進入しているために生じた
駅舎内部の高低差をドラマチックな空間に変えている。
・・
】
著作者の基調として、
【・・
映画の中で自分の住む街の何代か前の駅舎に出会うと、
宝物でも見つけたかのように嬉しくなり、
当時の駅周辺の様子も窺えて感慨深い・・
】
私はこうした著作者のまなざし、心情に深く共感するのである。
映画の数多くの駅に関する名場面を披露して下さり、
こうした稀な本に出合えたことに、著作者に感謝したい。
あえて苦言を2点を綴れば、『逢びき』(1945年)に関し、
数多くの作品は丁重に論評している割合にしては、
少し短絡的過ぎる、と感じたのである。
汽車の通過された駅で、人妻が煤煙が眼に入り、
通りかけた医師が取り除く・・
こうした名場面から、この映画がはじまり、
待合室の情景なども加味されながら、ドラマの核心に導かされるのである。
そして、『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』(1984年)を
取り上げて欲しかったのである。
主人公が駅構内で出入りする時、
『イェスタディー』の名曲が流れ、過去と現在を的確に表現するシーン、
恋人がハリウッドに女優を目指し、列車の乗客となり、
それを見送る主人公・・等。
駅をとりまく情景は、それぞれの人の人生を集縮して表現できるので、
古今東西の名画に数多く使用されいる、と改めて感じたのである。
尚、私は拙(つたな)い映画の鑑賞暦であるが、
邦画としては『駅 STATION』(1981年)、
洋画としては『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』(1984年)を最高位と、
かたくなに信じているひとりである。