いま、さまざまな「年齢割」の波が拡大している。
なかには、50代から対象になっているものが少なくない。
どれだけお得になるのか、調べてみた。
☆バスや新幹線だけじゃない
これまで、日本のスーパーや百貨店は、毎月「25日」に合わせて、
新商品の展開や特売セールを繰り広げてきた。
もちろん、これはサラリーマンの給料日をにらんでのことである。
だが、ここ最近はやや状況が変わり、小売業界は「15日」に照準を定めている。
その理由は明確で、偶数月の15日にやってくる年金支給日を意識しているからだ。
「年金支給日に、その月の生活費をまとめて、銀行から下ろす人も少なくないはずです。
小売業界やサービス業界は、そのおカネを落としてもらおうと、
さまざまな割引制度を15日付近に設けています。
もちろん、消費者の側からすれば、これを利用しない手はありません。
また、最近はいわゆる『シニア割』の年齢の枠組みもどんどん広がっています。
かつては60歳、または65歳を超えると適用されるイメージでしたが、
最近では55歳くらいまで割引対象年齢が下げられていることも多い。
おカネを使うのが好きな、バブル世代を取り込もうとする意識もあるのだと思います」
(ファイナンシャルプランナーの深野康彦氏)
バスや新幹線といった交通機関の割引制度は、なんとなくイメージできるかもしれない。
「大人の休日倶楽部」など、JR各社が提供する旅行の優待プランも聞き覚えがあるだろう。
だがそれ以外にも、55歳から、なかには50歳から利用できる割引制度は想像以上にたくさんある。
ひとつずつ見ていこう。
年金支給日のように、まとまった生活費が入った日は、ひとまず食材や日用品を買う、という人が多い。
実際、偶数月の15日になると、スーパーでレジを待つ列が、いつもよりもひときわ長いのに気づくだろう。
どれだけ「特売」が行われるかは、もちろん小売店によってそれぞれだろうが、
大手では毎月一律で割引を行っているケースが大半だ。
その一例が、イオングループが毎月15日に実施している「G.G感謝デー」だ。
「イオンの電子マネー『WAON』は、55歳以上になると『G.G WAON』にアップグレードすることができます。
このカードかクレジット機能付きのイオンカードで、15日に買い物をするだけで、
支払金額から5%引きになるので便利ですよね」(消費生活評論家の岩田昭男氏)
米や洗剤などをまとめ買いすると、軽く1万円を超える。
その時に面倒な手続きなく500円相当が返ってくると考えれば、かなりお得なキャンペーンといえる。

☆面倒くさくない
イオンのように、大手スーパーでは15日を中心に、割引を実施しているところが多い。
たとえばスーパー「ライフ」では、60歳以上なら毎月1日、そして15日が5%引きになる。
当日は発行される優待パスを提示する。
また、四国を中心に展開するスーパー「フジ」でも、
15~17日は会計が5%オフになる(こちらは65歳以上が対象)。
イトーヨーカドーなどで使える「nanaco」も、60歳以上はランクアップし、毎月15・25日は5%引きになる。
「この他にも、イトーヨーカドーには毎月3回、5%オフの『ハッピーデー』があり、
月計5回の割引を受けることができます。
『WAON』もそうですが、ポイントを貯めつつ、割引も適用されるのがおいしい。
イトーヨーカドーやイオンなら生活に必要なほとんどの品物が手に入りますから、
割引額だけで年間3万~4万円も得した人の話もよく聞きます」
一方で、電子マネーやスマホアプリなどの登録は面倒だという人はこれだ。
「『東京靴流通センター』などを展開するチヨダがお得です。
55歳以上なら、毎月14~17日の4日間、1点1000円以上の商品が10%引きになります」(前出・深野氏)
チヨダは郊外のロードサイドを中心に全国1000店舗を展開、近所で見かける機会も多いだろう。
より親しみ深い例でいうと、スギ薬局やツルハドラッグ、ウエルシアといった全国チェーンのドラッグストアは、
軒並み15日から数日間の割引を実施している。
特に北九州を中心に展開する新生堂薬局では、偶数月の15~17日は10%オフになる
(これらはいずれも60歳以上が対象)。
日用品を買いだめするには絶好のタイミングだ。
このように、年齢に応じた割引がスーパーなどの小売店に多いのは事実だ。
さらに最近は年金世代と現役世代、どちらにも身近なレジャーでも料金が安くなるケースが増えている。
レジャーの場合、割引が利くのは毎月15日に限らない。
経済評論家の荻原博子氏が例を挙げる。
「多くの映画館では、夫婦どちらかが50歳以上なら2人で、料金が2400円になる『夫婦50割引』を行っています。
でも、『映画はひとりで観たい』という場合もありますよね。
そんなときは、『イオンシネマ』の『ハッピー55』を利用するのがオススメです。
55歳以上なら、いつ映画館に行っても、会員登録なしで1100円で観ることができます。
他に身近なレジャーといえば、カラオケはどうでしょうか。
関西を中心に展開する『ジャンカラ』では、55歳以上なら毎月第3・第4火曜日のルーム料金が半額になります」(岩田氏)
アウトドアのレジャーでも、「55歳割引」が適用される施設は年々増えてきている。
カネのかかる趣味の代表格であるゴルフは、家族の目もある手前、1円でも安くコースを回りたいところだ。
そんなニーズに応えるように、全国のゴルフ場ではさまざまな優待プランが用意されている。
富士山を望みながらプレーできる山梨県の「富士ゴルフコース」は、
安倍晋三首相が足繁く通うゴルフ場としても知られている。
都内から車で2時間以内でアクセスできる富士ゴルフコースは、「シニア&レディースカルテットプラン」を実施している。
「4名1組でコースを回られる場合、男性のメンバーが全員55歳以上なら、
今のシーズンですとプレー料金は平日1万900円、土曜2万600円、日曜・祝日1万8200円になります。
いずれも、通常料金の2~3割程度割引でご利用いただけます」(同ゴルフコーススタッフ)

☆肉も相撲も安くなる
これから冬のシーズンに突入するにあたり、学生時代を思い出し、
スキーに再挑戦しようと密かに思案している50代、60代もいるのではないか。
特に首都圏からアクセスの良いスキー場では、50歳以上に割安の「マスター料金」が設定されている場合がある。
たとえば、長野県の「シャトレーゼスキーリゾート八ヶ岳」。
東京から2時間半程度で着き、休日は家族連れで賑わう。
一般の土日祝リフト券は4000円だが、50~59歳は3000円、60歳以上なら2000円で購入できる。
500代を過ぎれば、夫婦連れでも一人でも、気ままに旅行に出かける余暇の時間が増える。
先にも少し触れたが、JR各社はJR東海の「フィフティ・プラス」、JR西日本の「おとなび」といった、
50代以上限定の会員サイトを設けている。
そこで予約すると、割引きっぷやお得な旅行プランを利用できるのだ。
また、旅行先で使うレンタカーも安くなる。
トヨタレンタリースでは、運転手が60歳以上の場合、料金が2~3割安くなるプランを設けている。
割引率や条件は地域によって異なるので、旅行前に確認してみてほしい。
「旅行関連でいえば、国内に130あるホテルチェーンの「スーパーホテル」が、
60歳以上を対象に割引制度を設けています。
日・月・金・祝日の宿泊なら、最大で料金が20%引きになるんです。
各種の割引制度については、ページ末の表も参考にしていただきたい。
ちなみに、知っておいて損はない「意外な割引」にはどのようなものがあるのか。
前出・岩田氏は次のようにいう。
「大相撲の枡席が60歳以上なら格安料金で取れるのは、意外なところかもしれません。
各場所で、『ファミリー/シニア枡』という席が設けられていて、
普通の枡席と比較して4割以上安く観戦することができるんです。
ひとりでも60歳以上がいればいいので、思ったよりも気軽に使えるのではないでしょうか」
これまでみてきた通り、「年齢割」を導入しているのは小売店やレジャー施設がほとんどだが、
飲食店ではステーキチェーン「いきなりステーキ」が異彩を放っている。
70歳を超えると「肉マイレージカード」がシニアカードになり、
毎回、アルコール飲料を含むドリンク1杯無料、敬老の日に1000円分のクーポン贈呈、
混雑時に優先入店できるなど、大胆な制度で年金世代の胃袋を掴んでいる。

「今後も、さまざまなサービスで『年齢割』の導入が広がっていくことは間違いありません。
『お得な制度』というと、インターネットを使いこなせるかどうかが壁になることも多いですが、
これらは身分証さえ持っていれば、受けられる制度がほとんどです」(前出・深野氏)
年齢以外に資格はいらない。
気後れせず、どんどん有効に利用してほしい。
今、インバウンド需要で、都市部のホテルの宿泊料金は高騰しています。
田舎の温泉でゆっくりするよりも、繁華街の観光を楽しみたい人は、こうした割引を積極的に利用していきましょう」(前出・深野氏)・・》
注)記事の原文に、あえて改行を多くした。
私は漠然としながら、セブン&アイ・ホールディングスの『nanaco』を使用してきて、
ときおり買物した帰路に、 コンビニの『セブンイレブン』に立ち寄り、
家内のお土産としてスイーツを買い求める時、 ポイントが溜まっていたので活用したら、
結果的にはスイーツ代が無料となり、 思わずお得したような心情となり、
微笑んだりしたことが幾たびもあったりした・・。
しかしながら我が家の平素の買物で、スーパーの場合は、
最寄駅にある『京王ストア』仙川店、『クイーンズ伊勢丹』仙川店、
或いは我が家の最寄りの『いなげや』狛江東野川店が圧倒的に多く、
ときおり『イトーヨーカドー』国領店を活用するぐらいとなっている。
このような実態となっているので、『nanaco』のポイントを増やす為に、
『イトーヨーカドー』ばかり利用するのが、ままならず、微苦笑したりしている。
今回、 シニアの殆どの御方は貯金を取り崩して“赤字生活”をしている中、
我が家も同様で、《・・「年齢割」を使ってめちゃ得する裏ワザ・・》の多彩な活用方法を75歳の私は学び、
やがて微笑みを重ねたりした・・。
ここ数年は、デパートの『京王』、『小田急』のカードが増え、
ドラックストアーの『サンドラック』、『トモズ』のカードがあり、
ポイントが増えて、割引なると、私は微笑んでしまう癖もある。
余談であるが、私の住む地域に都立の『神代植物園』があり、
何かと私は散策に活用しているが、入園料は大人は500円、しかし65歳以上は250円となっている。
こうした中で、一年の中で何回も入園可能な年間パスポートがあり、
大人は2500円、 しかし65歳以上は1250円となっていて、
私は年金生活の中で、何かとお得感のある『年間パスポート』を愛用して、
季節の移ろう情景を身も心も実感している。