「熱中症対策には、一にも二にも、こまめな水分補給。
日頃は、胃腸を弱らせないために、常温の水やお茶、
汗をかいた際は、吸収率の良い冷たい水やお茶がいいでしょう。
『熱中症対策=スポーツドリンク』と考えている人がいますが、
よほどのことがない限り、スポーツドリンクは必要ありません」
夏の暑い時期、汗をかいてリスクが高くなるのは、熱中症だけではない。
汗で体の中が水分不足になって、「ドロドロ血液」になり、
脳梗塞や心筋梗塞も起こしやすくなる。
スポーツドリンクには、ナトリウム(食塩)と糖分が含まれている。
「問題は、糖分量です。量が多すぎる。
糖分量の取り過ぎは、ドロドロ血液を招きかねない。
屋外でスポーツをして、大量に汗をかいたときに飲む分にはいいですが、
それ以外、私は水や麦茶で、十分対応可能だと考えています。
子供の部活動でも、スポーツドリンクや清涼飲料水を多飲して起こる
ペットボトル症候群を引き起こすとして、
スポーツドリンクを禁止しているところもあります」

熱中症、ドロドロ血液対策で積極的に取るべきは、夏野菜と果物だ。
「夏野菜、果物ともに、ほぼ水分。
夏は、冷たいそうめん、うどんなど麺類中心の食生活になりがちで、
どうしても糖質の摂取量が増えてしまいます。
夏野菜や果物で水分を取ると、汗で流れたビタミン、ミネラルを補給できるほか、
食物繊維が取れるので、糖質の取り過ぎで血糖値が急上昇するのを抑制できます。
何よりいいのが、抗酸化物質も取れることです」
夏は紫外線が強く、活性酸素を増やす。
私たちの体には、活性酸素から自己を守る活性酸素防御機構が備わっているが、
活性酸素の産生が過剰になると、老化を促進し、生活習慣病を起こしやすくする。
「ビタミンACE(エース)と呼ばれるように、
ビタミンではA、C、Eが抗酸化力に優れているため、積極的に取りたい栄養素です。
旬の野菜や果物からは、抗酸化物質であるポリフェノールも摂取できます。
ビタミンACEやポリフェノールは、野菜や果物の皮に豊富なので、
皮ごと食べられるものは、皮も食べると理想的です」
仏国立保健医学研究機構の研究では、6万4223人の仏人女性を15年間追跡。
参加者の抗酸化物質量を解析したところ、抗酸化物質を多く摂取している群は、
少ない群に対し、2型糖尿病のリスクが最大27%低下したという結果が出た。
糖尿病で、血糖コントロールが悪いと、汗腺の働きが悪くなり汗をかきづらく、
尿に糖とともに水分が出やすいため、熱中症リスクが高い。
より意識して、野菜や果物を取るのがいいかもしれない。
「果物のカロリーや糖質を気にする人もいますが、
果物の中では、カロリーが高く糖質量が多いバナナですら、
1本分(可食部100グラム)当たり、カロリー93キロカロリー、糖質量21.4グラム。
ご飯は、茶わん1杯(150グラム)でカロリー234キロカロリー、糖質57.2グラム。
カロリーが低く糖質が少ないキウイやスイカ、リンゴなら、
ご飯を食べるよりも、カロリー、糖質の摂取量をもっと抑えられます」
果物は、深夜を除いて、朝昼晩どの食事のタイミングで取ってもいい。
熱中症も血液ドロドロも、対策を誤れば命に関わる。甘く見てはいけない。・・ 》
注)記事の原文に、あえて改行を多くした。

改めて熱中症と血液ドロドロを防ぐことに関して、多々教示されたりした・・。