先程、ときおり愛読している新潮社のサイトのひとつの【 デイリー新潮 】を見ている中、
『 胃カメラで「異常なし」でも4人に1人が発症?
「機能性ディスペプシア」の治療法、予防法』た先ほど 』、
と題された見出しを見たりした。
私は東京の調布市に住む年金生活の77歳になる身であるが、
私たち夫婦は子供に恵まれなかったので、たった2人だけ家庭であり、
そして私より5歳若い家内と共に、古ぼけた一軒屋に住み、ささやかに過ごしている。
こうした中、私は年金生活の中、年に一度だけ市より健康診断の通知が来て、
基本の検査以外に、『胃がん』と『大腸がん』の検査を受診してきた。
過ぎし年のの2013年(平成25年)の秋には、健康診断の結果、
『胃がん検診』の結果だけは、 『要精検(内視鏡)』に◎印が囲まれていた。
私は担当の医師から、
『胃の下腹にあたる幽門部に粘膜面異常が見られますので、再検査をして下さい・・』
と写真の6枚を見ながら私に説明をして下さった。
この後、この医師に調布市で胃腸科に関して評判の良い病院に紹介書を頂き、
そして紹介先の病院に訪れて、胃の再検査を予約の申し入れをした。
やがて検査日の当日、女優の島田陽子さんの容貌に似た若き看護婦さんから、
何かしら体重測定、そして血圧検査を受けたりした。
そして水飴(みずあめ)のような液体を小さじに頂き、
『口の中で含み、絶対飲んだりしないで下さい・・5分ぐらいは我慢して下さいね・・』
と若き看護婦さんから優しく私は言われたりした。
私は幼年期から女性に憧憬する癖がある上、
特に魅了された方には、何かと心も清らかな方と思ったりしてきたので、
『はい! 了解致しました・・』
と私は従順となり、明るく応(こた)えたりした。
この後、若き看護婦さんから、私はベットに横身になるように言われた後、
眠くなりますが・・と言いながら私の腕に注射をした。
そして口の周りにプラスティクの円形を絆創膏で固定した・・。
何かしら深い眠りから私は目覚め、
そして口の周りにあった円形プラスティクもなくなり、
あれぇ・・検査終わったのかしら、とぼんやりとしながら感じたりした。
しかしながら眠りの感じが強く、ウトウトしていたら、 若き看護婦さんが近寄ってきた後、
検査は終わりましたが、隣のベットで一時間ぐらい、 横たわって下さい、
と若き看護婦さんは私に言ったりした。
そして私は半分眠っているような状態で、隣室のベットに横たわった。
やがて医師の問診があり、私は医師から検査で写した鮮明な写真を8枚ばかり、
パソコンの画面から解説を受けたりした。
『胃潰瘍・・わずかに見られます』
と医師から私は言われたが、家内も胃潰瘍と診断されたこともあったので、私は安堵した。
そして私は『胃ガンの初期状態は・・?』
と私は医師に問い合わせた。
『現状では、そのような徴候はありませんょ・・』
と医師は明るく私に言った。
このような初めての『胃がん予防』の胃カメラの検診は、
何かと小心者の私は、怯(おび)えながら生まれて初めて胃カメラを呑んだが、
眠っている間に検査は終わり、そして幸運にも胃ガンの初期兆候もなく、
成功体験となり、微笑んだりしてきた。
このような体験のある私は、
今回の《・・胃カメラで「異常なし」でも4人に1人が発症? ・・
・・「機能性ディスペプシア」の治療法、予防法・・》って、
どのようなことなの・・と思いながら記事を読んでしまった。
この記事は、『週刊新潮』の 2022年2月17日号に掲載された記事で、
関連のサイトの【 デイリー新潮 】に2月20日に配信され、
無断であるが記事を転載させて頂く。
《・・ 長引く腹部の痛みや不快感に、意を決して、病院で検査を受ける。
だが異常はどこにも見つからず、原因もわからない。
こんな時はいっそう不安を募らせてしまうものだが、
実はその不調には、一つの病名がついていた。
そして近年、治療法や予防法もわかってきたのだ。
〈 長引くコロナ禍の中にあって、感染不安や外出制限、
テレワークなど生活の変化で、胃腸に不調を感じる人は少なくないだろう。
だが胃痛や慢性的な胃もたれ、膨満感など症状が確かにあるのにもかかわらず、
病院で検査をしてみると、胃には何も異常が見つからない、ということがある。
一体これはどういうことなのか。
体の中で何が起きているのか。
日本人の4人に1人ともいわれる原因不明のお腹の疾患の正体を、
消化管診療のエキスパートに聞いた。〉
近年、こうした疾患を、
「機能性ディスぺプシア(Functional Dyspepsia=FD)」と呼んでいます。
本来「ディスペプシア」とは、消化不良という意味です。
病気には、炎症が生じたり腫瘍ができるなど明らかに臓器に異常のある「器質的疾患」と、
組織は正常でも不調を感じる「機能性疾患」があります。
「機能性ディスぺプシア=FD)」は、胃自体に器質的な異常はないけれども、
胃の機能には異常が生じているということで、そう名付けられました。
☆QOLが低下
厳密な定義では、2016年に定められた「ローマIV」という国際基準があります。
そこには、食べるとすぐに満腹だと感じる「食後早期膨満感」、
胃もたれなどの「食後の満腹感」、
みぞおちに当たる部位の「心窩(しんか)部痛」、
同じ部位の「心窩部の灼熱感」の四つが挙げられています。
これらに準ずる症状があれば、「機能性ディスぺプシア=FD)」という診断になります。
実際に診察すると、「胃を感じる」と言う人もいれば、
「胃のなかに重りがある」とか「胃の中にマグマがあってグツグツいっている」
と訴える人もいます。
中には「口から手を突っ込まれて、胃を引き出され、洗濯板でゴシゴシ擦られている」
と表現した人もいました。
症状の度合いには、バラツキがありますが、
重い症状が出ている方は、QOL(Quality of Life=生活の質)が、かなり落ちます。
胃もたれや膨満感なら、食べる量を調節することである程度対応できますが、
症状が重いと食事と関係なく痛みが生じます。
「機能性ディスぺプシア=FD)」では、慢性的に症状が続くため、
同じくQOLを落とす炎症性腸疾患のクローン病や潰瘍性大腸炎などより、
辛い状態になることがあるのです。
また「機能性ディスぺプシア=FD)」は、原因がはっきりしないため、
これが大きな不安をもたらします。
これによって、さらにQOLが下がるということも起きてきます。
「機能性ディスぺプシア=FD)」は、最近ようやく一般に浸透してきたものの、
まだ聞きなれず、分かりにくい言葉でもあるので、
外来では「いわゆる慢性胃炎や神経性胃炎と呼ばれてきたものです」と説明することがあります。
☆若者は胃痛、高齢者は胃もたれ
つまり新しい病気ではなく、これまでも存在していた病気です。
でもそれが、増えてきた。
市販の薬を飲んで改善してしまう人もいますし、
病院に来られない方もいますから、日本人全体のデータを出すことは難しい。
ですが、健康診断で病院に来られた方に、
先の「ローマIV」という国際基準にある項目を入れた問診票を書いていただくと、
だいたい10~20%が該当します。
また、胃の調子が悪い状態が長引いて病院を訪れる人では、
半分以上の方が「機能性ディスぺプシア=FD)」に、当てはまります。
一般に女性に多いといわれますが、私自身の経験からすると、男女差はあまりありません。
また若い人に多いという話もありますが、症状に違いはあれど、
どの世代にも同じくらいの割合で患者がいます。
ただ、若い人に胃が痛いという症状が多く、
高齢になればなるほど、胃がもたれる症状が多いという印象はあります。
「ローマIV」の定義では、症状が6カ月以上前に始まり、
かつ直近の3カ月を含むものとされています。
若い人に多い「痛み」という症状であれば、すぐに病院に行きますから、
それで若者に「機能性ディスぺプシア=FD)」の診断が、増えている面はあると思います。
☆最大の原因はストレス
では「機能性ディスぺプシア=FD)」の胃には、どんなことが起きているのでしょうか。
1970年代くらいまでは、胃の動きが悪くなっていることが、
原因ではないかと考えられていました。
その後、胃酸の関与や知覚異常(知覚過敏)などが、
更に昨今は十二指腸を含めた機能異常も病因として考えられています。
このように「機能性ディスぺプシア=FD)」は、いろいろな原因で起きている病気で、
しかも症状から診断した症候群ですから、患者さんの訴えも、さまざまです。
胃の動きが悪くなったり、逆に過収縮したり、胃酸の状態がおかしくなっているケースもあります。
もし胃酸過多なら、それを抑えればよく、また胃の運動機能が落ちていれば、
その改善薬を飲めばいい。
しかし胃酸を抑えても、運動機能を改善しても、
症状が良くならない方が半分程度いるのが「機能性ディスぺプシア=FD)」です。
その原因は、不規則な生活や暴飲暴食、過度のアルコール摂取、喫煙など多岐にわたります。
その中でも特にストレスの関与が大きいと指摘されています。
発症には、自律神経の乱れが大きく関係します。
消化管に強く影響するのは、主に副交感神経で構成される迷走神経です。
胃酸分泌を亢進させたり、胃の運動を活発にさせたりするのがこの神経です。
脳からの命令で、交感神経が強く働くと、胃液の分泌は減少し、
副交感神経の働きが強まると、分泌は増加します。
ものを食べた時は、副交感神経が強まり、胃酸が分泌されるのが正常な動きです。
でも自律神経が乱れてしまうと、空腹時にも胃液が出てしまいます。
本来は休むべき時に、活発に動いてしまうのです。
そうなると、食べ物と中和されていない酸性の胃酸が、十二指腸へと流れていきます。
十二指腸はpHの低いもの(強酸性)が来ると困りますから、
ブレーキをかけようとして、胃液を胃に留めてしまうのです。
これによって更なる運動の異常が起こり、
再び胃で空腹時に胃酸が分泌されたり、「負のスパイラル」に陥ります。
☆胃が動くと脳の血流量が増加
実は胃と脳は、相互に強く影響を与え合っています。
以前から脳と腸が密接に影響を与え合う「腸脳相関」は、よく知られていましたが、
胃と脳にも同じような関係があることが、明らかになってきました。
おいしいものを食べると「気持ちいい」という快感が生じますから、
胃から出たシグナルが脳に行くことはわかっていました。
ただそのメカニズムは、解明されていませんでした。
それが、脳の機能活動がどの部位で起きたかを画像化できる「ファンクショナルMRI」によって
はっきりしたのです。
胃電図によって、胃は1分間に3回動いていることがわかっています。
その時の脳の血流量を測ると、胃の動くサイクルと脳の血流量の増減がぴったり一致します。
つまり、胃が動いている時に、脳の血流量が増えるのです。
悩んでいる時には、胃が痛くなるなど、
脳の動きが胃に影響を及ぼすのは、イメージが湧くと思いますが、
その逆もあるのです。
また、胃には、ペースメーカーと呼ばれる部位があり、
胃の上部にあると考えられていますが、
胃の中でバラバラに動いている神経細胞の働きを整える役割を持っています。
オーケストラにおける指揮者の役割で、タクトを振ると、
各楽器の動きが揃うのと同じです。
例えば、お腹がぐーっと鳴ることがありますが、
これは胃で収縮が起こり、そこに残っている胃液や剥離した粘膜、細菌などを
小腸の一部である回腸まで押し出す動きです。
これを先のペースメーカー細胞がコントロールしています。
そしてこの動きは、脳の血流量とも関係しているのです。
さらに脳と胃は、神経系とは別に、消化管ホルモンを通じたやりとりもしています。
胃から食欲を増進させるグレリンというホルモンが分泌されると、
脳は「お腹が空いたな」と認識します。
このように神経やホルモンを通じて、胃と脳は相互に関係しあっています。
私はこれを「胃脳相関」と呼んでいます。
☆複数の病院に行くよりも大切なことは
さて、「機能性ディスぺプシア=FD)」と思われる胃の不調を感じたら、
どうすればいいのでしょうか。
「機能性ディスぺプシア=FD)」は、潰瘍や胃がんのような器質的疾患ではないため、
血を吐いたり、3カ月の間に体重が5キロも減ってしまうようなことはありません。
何らかの症状があり、どんどん悪くなっていくようなら、
器質的疾患の可能性もありますので、すぐ病院に行かなくてはなりません。
「機能性ディスぺプシア=FD)」は、必ずしも受診しなければならない疾患ではありません。
実際に、該当する症状があっても、病院に行かない人も多いのです。
ただし、器質性疾患であるかどうかは、見極める必要があります。
その際は、まず消化器内科の専門医のところに行くのがいいでしょう。
繰り返しますが、「機能性ディスぺプシア=FD)」は、
器質的な疾患ではありません。
だから原因が突き止められず、不安に駆られて、
いろいろな病院を転々とする「ドクターショッピング」をする人が数多くいます。
複数の意見を聞くことも大切ですが、この疾患について知識があり、
しかも丁寧に話を聞いてくれる専門医のところに行くのが一番です。
問診では、症状を聞いた上で、吐下血があるかどうか、体重は減っていないか、
どんどん悪くなっていないかなどを尋ねられるでしょう。
そして血液検査やお腹の超音波検査で、肝胆膵領域の疾患などを除外していきます。
最終的には内視鏡検査(胃カメラ)が必要になりますが、
ピロリ菌がいるかいないかで、器質的疾患のリスクは大きく変わってきます。
日本人であれば、皆さん最初は胃がんを心配されます。
でも29歳以下で、ピロリ菌未感染であれば、胃がんに罹患する確率は極めて低い。
また胃がんなら、嘔吐や急激な体重の減少などの症状が出ますので、
必要以上に恐れなくてもいいと思います。
☆どんな薬がある?
「機能性ディスぺプシア=FD)」と診断されれば、次の薬が処方されます。
症状が胃痛や胃の焼ける感じでしたら、まずは胃液の分泌を抑える薬です。
これには即効性があります。
ガスターなどで知られるH2ブロッカーが最初の候補となります。
「機能性ディスぺプシア=FD)」でも、形の上で慢性胃炎の診断がつけば、処方されます。
もし器質的疾患である逆流性食道炎との診断があれば、
より強力な、PPIと呼ばれるプロトンポンプ阻害薬が使えます。
また副交感神経のムスカリン受容体への信号伝達を遮断して、
胃酸を抑えるガストロゼピンや、胃液を抑えつつ胃の運動は促進するアシノン、
胃液を抑えつつ知覚神経に作用して知覚過敏を和らげるプロテカジンという薬もあります。
症状が胃もたれや食後の早期膨満感などなら、
胃の働きが落ちていたり、胃の膨らみが十分でなかったりする可能性が高いので、
消化管機能改善薬を出します。
それにはガスモチンという薬がありますが、
「機能性ディスぺプシア=FD)」で唯一保険適用されているアコファイドが処方されると思います。
効果が出るまでにある程度時間はかかりますが、
胃の機能が低下した状態は、改善されて楽になっていきます。
改善が見られたら、調子の悪い時だけ飲めばいい薬です。

☆市販薬でも改善しなければ……
セレキノンという薬もあります。
これは1980年代あたりから使われてきた古い薬で、若い医師だと知らない人も多いのですが、
胃の働きが弱い時には活動を促進し、活発で過収縮の時には鎮める非常に優れた薬です。
薬価も安く、副作用も少ない。
十二指腸にも作用するので、最初から使う薬ではありませんが、
「機能性ディスぺプシア=FD)」の中でも十二指腸液が、
胃に逆流してくるケースでは特効薬になります。
また「機能性ディスぺプシア=FD)」には、ストレスが深く関与するので、
抗不安薬、抗うつ剤が処方されることもあります。
まずは市販薬を飲んでみて、症状が改善しなければ、受診するということでもいいかもしれません。
もっとも消化性潰瘍や胃がんの場合でも、市販薬で痛みが取れてしまうことがありますから、
どこかのタイミングで内視鏡検査を受けていただきたいです。
☆空腹期を作る
最後に「機能性ディスぺプシア=FD)」の予防について触れておきます。
大事なことは、自律神経を整えることです。
それには何より、生活習慣を守ることが大事です。
現代社会において、ストレスを避けるのは非常に難しい。
ですが睡眠不足や食べ過ぎ、過度な喫煙、食べてすぐ寝るなどの行為は、
改めることができます。
食品で一番気をつけるべきは、脂肪です。
ファストフードを始めとして、いまの食環境には、脂肪が溢れています。
脂肪は、胃の中にあるうちは問題ないのですが、
十二指腸に行くと脂の受容体があり、そこからCCKというホルモンが出ます。
これが胃の運動能力の低下を引き起こすのです。
脂肪の摂取で、胃もたれになるのは、そのせいです。
またカフェインなどの刺激物をとりすぎるのもよくありません。
カフェインも胃液分泌、胃の運動を亢進させる作用があります。
一方、ヨーグルトの「LG21乳酸菌」を摂取するのは、自律神経改善に役立ちます。
ストレスを感じると、交感神経が優位になり、唾液に含まれるアミラーゼの濃度が高くなります。
反対に副交感神経が優位になると唾液水分量が増加し、その濃度は低くなる。
ですから自律神経の乱れを測るには、
唾液アミラーゼの濃度を見るのが、簡単かつ確実な方法です。
唾液中のアミラーゼの濃度が高いと、ストレスを感じていることになります。
「LG21乳酸菌」ヨーグルトを1日1個、
3カ月間摂取した方は、摂取しない方に比べて濃度が有意に下がっていたのです。
つまり、摂取によって自律神経が整えられたのです。
現在のところ、他のヨーグルトではその効果が確認されておらず、
科学的に証明されたのは「LG21乳酸菌」だけです。
こうした食生活に気をつけながら、
決まった時間に、朝昼晩の食事をするのが重要です。
それはつまり、胃を休ませる空腹期を作るということです。
胃を休ませることで、次に動く活力が湧いてきます。
そしてもう一つ付け加えるなら、
日常的に腹式呼吸の深呼吸をしてみるといいでしょう。
お腹が膨らむよう意識し、1日に10回くらい、10秒かけて深呼吸します。
これによって食道と胃の間の括約筋が鍛えられますから、
胃液の逆流に悩む人には効果があると思います。
注)記事の原文に、あえて改行を多くした。

今回、川崎医科大学総合医療センターの春間 賢(はるま・けん)特任教授の寄稿文に導かれて、
《・・原因不明の『胃痛』、『もたれ』、『膨満感』などの
現代病『機能性ディスペプシア』の治療法、予防法・・》、
具体的に懇切丁寧な記載され、多々教示されたりした・・。