夢逢人かりそめ草紙          

定年退職後、身過ぎ世過ぎの年金生活。
過ぎし年の心の宝物、或いは日常生活のあふれる思いを
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これから「年金生活者」に起こる、インフレで追い込まれる「老後の生活」、77歳の私は、ため息を重ね・・。

2022-02-06 14:53:27 | 喜寿の頃からの思い
先程、愛読している講談社のサイトのひとつの【 現代ビジネス 】を見ている中、
『 これから「年金生活者」に起こる、恐ろしい現実・・・
      インフレで追い込まれる「老後の生活」』、
と題された見出しを見たりした。

私は東京の調布市に住む年金生活の77歳の身であるが、
私たち夫婦は子供に恵まれなかったので、我が家は家内とたった2人だけの家庭であり、
雑木の多い小庭の中で、古ぼけた戸建て住んでいる。

そして私より5歳若い家内も、お互いに厚生年金、そしてわずかながらの企業年金を頂だいた上、
程ほどの貯金を取り崩して、ささやかな年金生活を過ごしている。

こうした中、私たち夫婦は経済的に贅沢な生活は出来ないが、
『働らなくても、何とか生活ができるので助かるわ・・』、
と家内がときおり、 呟(つぶや)くように私に言ったりする。

『そうだよねぇ・・』
私は苦笑しながら応じたりしている。



私は民間会社のある会社に35年近く勤めて、2004年(平成16年)の秋に定年退職し、
この間、幾たびのリストラの中、何とか障害レースを乗り越えたりしたが、
最後の5年半はリストラ烈風が加速され、あえなく出向となった。

こうした時、経済にも疎(うと)い私が、経済ジャーナリスト荻原博子さんなどの
数多く著名人の寄稿文を読んだりした。

そしてデフレ経済の蔓延している中、
定年時に持家(マンションか戸建て)のローンは返済完了となり、
預貯金が3000万円あれば、公的年金を受け取りながら堅実に年金生活をして、
少しづつ取り崩して生活すれば、少しはゆとりのある年金生活ができる、と学んだりした。

やがて定年退職時となった時、遠い勤務地に勤め、この期間も私なりに奮闘した結果、
身も心も疲れ果てて、疲労困憊となり、定年後はやむなく年金生活を始めたひとりである。

そして年金生活は、サラリーマン航路は、何かと悪戦苦闘が多かった為か、
つたない半生を歩んだ私でも、予測した以上に安楽な生活を享受している。

こうした中で、日本がデフレ経済からインフレ経済に変化した時、
年金生活の人々は、最も影響を受ける、と幾多の書物から学んだりしてきた。

こうした深情のある私は、《・・インフレで追い込まれる「老後の生活」・・》、
改めて学びたく、記事を読んでしまった・・。

この記事は、『週刊現代』の2022年1月29日・2月5日号に掲載された記事で、
関連の【 現代ビジネス 】に於いて、2月1日に配信され、
無断であるが、記事を転載させて頂く。



《・・
子供のために、生前贈与や相続税対策をやる・・・、
昨年末までは、これが常識だった。

しかし2022年に入り、インフレという”異変”が起きている。
考え方を転換できなければ、老後生活は崩壊しかねない。


☆物価も税金もどんどん上がり、年金は下がる

なぜ生前贈与をしてしまったのだろうか・・・。
都内在住の山田進さん(76歳・仮名)は近頃、
これまで子供たちに渡した計800万円のことを思い出し、ため息ばかりついている。

「孫の教育資金200万円から始まり、
長男の家の頭金として400
万円も出してあげた。

さらに昨年末には、『生前贈与の特例が使えなくなるかもしれないから、
今のうちに相続税対策をしたほうがいい』と聞き、
長男と次男に100万円ずつ渡しました」(山田さん)

定年時、約5000万円の財産を持っていた山田さんだったが、
次男が連れてきた税理士によると「贈与をしたことで、相続税を80万円減らせた」という。

子供や孫から「ありがとう」と伝えられ、
山田さん自身も満ち足りた気持ちだった・・・。



ところが2022年に入ってから、
判断が間違っていたのではないか、という疑念を抱き始めたという。

「おカネが全然足りないことに気付いたんです。
大きいのは、年始に妻がくも膜下出血で倒れたことでした。

幸い緊急手術をして一命はとりとめましたが、
リハビリを含めて3ヵ月以上の入院になりそうです。

高額療養費制度を使っても、30万円近い出費になるうえ、再発の可能性も高い。
さらに歳を取れば、こうした病気が増えていくのかと思うと、憂鬱です」



☆出費がはね上がる

しかし、山田さんが不安に思っているのは、これだけではない。

昨今のインフレへの恐怖感も高まっているのだ。
パスタ(2〜9%値上げ)、コーヒー(約20%値上げ)、食パン(2〜10%値上げ)など、
昨年の秋ごろから「値上げの波」が広がっていた。

一つ一つは小さくとも、ボディーブローのように家計のダメージが積み上がる。

山田さんは嘆く。
「『これまで通りの暮らしが続く』という想定で、
贈与や相続について、計画をしてきました。

しかし予想外の出費と生活費の膨張に直面し、
その前提が崩れ去る危険性を感じています。
入院や介護など、今後必要になるおカネを考えると不安でしかたない」

子供や孫に、今からおカネを渡しておき、
そして亡くなった後は、なるべく多くの財産を残せるようにする。

しかし、2022年に入ってから起きている激変を、
よく理解しておかないと「ムダな相続」や「危険な贈与」に手を出しかねない。
本当に必要なものと、不要なものを見極めることがより重要になる時代がきたのだ。

まずは今、何が起きているのかという現実を直視していこう。



「今年に入って、物価の上昇が顕著になってきました。
昨年末の消費者物価指数の上昇率は約0・6%でしたが、
春ごろには2%くらいになると予測される。

年400万円を消費している人なら、
8万円も支出が増えるわけで、家計には相当な打撃になります」(経済評論家・加谷珪一氏)

実際、この先も電気代(標準家庭で最大351円値上げ)、
しょうゆ(4〜10%値上げ)、トイレットペーパー(15%以上の値上げ)など、
値上げのラッシュが待ち受ける。

「30年以上デフレが続いたことで、
物価は上がらないのが当然だと考える人も多くいたはずです。
しかし、日本経済のフェーズは変わりました。

原油高やアメリカ経済の7%ものインフレが影響し、
『悪い円安』も働いたことで、海外から輸入される商品や原料の値段が高騰している。
これによって、名実共に物価上昇局面に入ったと言っていいでしょう」(経済評論家・加谷珪一氏)


☆医療費負担も倍増する

そのうえ恐ろしいことに、この先増税が実施される可能性も高い。

「新年度予算案は過去最大の107兆5964億円にのぼり、
歳入全体の34%を国債に頼るなど、財政はかなり危険な状態にあります。
財務省としては、消費税を15〜20%に上げたいというのが本音です」(経済評論家・加谷珪一氏)

追い打ちをかけるように、今年10月から、
一定の収入がある75歳以上の人は、医療費の自己負担が1割から2割に上がることも決まっている。

一方、頼みの綱である年金は、じわじわと減らされていく。
今年4月から公的年金は0・4%程度引き下げられる見込みだ。
会社員の夫と専業主婦の標準的な家庭なら、月903円、年間で約1万円も年金が減るのだ。

 
「もともと年金には、物価が上がったら、
その分だけ支給額を調整する仕組みがありました。

ところが、2021年からはこの計算方法が変わり、
物価上昇率から実質賃金の下落率が、差し引かれる仕組みになりました」(経済アナリスト・森永卓郎氏)

結果、物価が上がっても、実質賃金が下がれば、年金は減らされるようになった。
65歳以上の人は、物価と税金が上がるのに、年金が減るという「三重苦」に追い込まれる。



一方、子供世代は、そんな親の懐具合など気にかけず、無邪気に贈与を要求する。

家族問題評論家の宮本まき子氏は語る。
「70代の友人は、初孫誕生の時、大学までの学費の補助のつもりで、
1000万円を贈与したそうです。

しかし孫は、慶應幼稚舎に合格し、6年間の学費だけで1000万円かかった。
娘夫婦は『中学以降の学資も援助してほしい』と言っているそうですが、
贈与すれば、老後資金は底をつきかねないと、友人は悩んでいます」

子供や孫の前に、まずは自分たち夫婦の老後を考える。
厳しい状況を前に、優先順位を間違えれば致命傷になる。


 

☆病院にも行けない、介護施設にも入れない

夫が先に亡くなった後、ひとり残される妻。
何歳まで生きるか分からない以上、頼みの綱となるのは、夫が残した遺産だ。

しかし肝心の「相続」で、致命的な間違いをする人がいる。

4年前に夫を亡くした小西朝子さん(79歳・仮名)も相続の失敗から、
苦しい生活を送っている一人だ。

「私は糖尿病で合併症もあり、10種類近くの薬を処方されています。
しかし駅が遠くタクシー代もかかるため、最近は病院に行くのが、億劫になっています」(小西さん)

小西さん自身の国民年金は月約5万円で、
亡くなった夫の遺族年金の月約7万円と合わせて、月約12万円が収入だ。

医療費と交通費を合わせると、月1万円近い出費となるため、
病院から足が遠のいてしまっている。

 
小西さんが困窮するに至った原因、それは夫の死後の相続にあった。
「私は『すべて自分が相続したい』と伝えたのですが、
息子の嫁が口を挟んできた。

嫁は『子育てにも、おカネがかかるので、遺産を分けてほしい』と譲らず、
仕方なく遺産の4分の1を渡すことに決めました」(小西さん)

夫の遺産は2000万円分の自宅と預金800万円。
このうち現金700万円は、息子夫婦のものとなった。

「夫から相続した預金100万円はすぐに底をつき、家を売ることも難しい。
その結果、病院に行くことすら躊躇うほど、苦しい暮らしに追い込まれたのです」(小西さん)


一方、約5000万円を超える財産がある人の場合、
「相続税が心配だから、お父さんが亡くなった後は、自分にも遺産を相続させてほしい」
と子供から提案されることが多い。

妻が夫から財産を相続する際は、1億6000万円まで相続税がかからないが、
残された妻から子供への「二次相続」には、多額の税金が発生してしまうからだ。

しかし子供の言うことを鵜呑みにするのは危険だと、
税理士の山本和義氏は警鐘を鳴らす。

「夫が亡くなった後の財産相続で最優先に考えるべきは、
子供や税金のことではありません。
ひとり残された妻が、長生きしても暮らしていけるかのほうが、重要なのです」



残された妻にとって、十分な財産があるかどうかで大きく変わってくるのが、介護だ。
「病気をしても、1ヵ月以上入院することは難しく、介護施設に移ることになります。
そのため施設代などの介護費用が嵩んでしまう。

介護には一人あたり生涯で600
万円はかかると見込んでおくべきです」
(経済ジャーナリスト・荻原博子氏)

 
在宅介護が難しくなれば、施設に入居することになる。
最も費用が安い特別養護老人ホーム(特養)なら、入居一時金は0円で済む。
しかしそれでも、所得による負担軽減はあるものの、月約5万〜15万円の利用料がかかる。

しかも特養は、入居待ちで入れないケースも多く、
民間の介護付き老人ホームしか行き場がない事態も、想定しておく必要がある。
入居金は0〜数千万円と幅があり、利用料は月10万〜40万円ほどになる。

介護施設も「安かろう、悪かろう」だ。
資金がないと貧相な食事しか出ず、狭い部屋に一日放置されるような施設にしか入れないこともある。

そうならないように、できるだけ多くの財産を妻に残す遺言書を用意しておくのが、夫の務めだ。 》




今回、記事を読みながら、ため息ばかり重ねたりした・・。

デフレ経済が長きに及び、年金に関しても、
《・・
「もともと年金には、物価が上がったら、
その分だけ支給額を調整する仕組みがありました。

ところが、2021年からはこの計算方法が変わり、
物価上昇率から実質賃金の下落率が、差し引かれる仕組みになりました」(経済アナリスト・森永卓郎氏)

結果、物価が上がっても、実質賃金が下がれば、年金は減らされるようになった。
65歳以上の人は、物価と税金が上がるのに、年金が減るという「三重苦」に追い込まれる。・・ 》

世界の主要国は、物価が上昇したら、給与も上がることが多い中、それなりに躍進してきたが
日本は余りにも長きに、物価も給与も上がらない特殊なデフレが続いた結果、
世界の主要国から、取り残されたように、年々衰退をしている。

こうした実態は、少しは分かっているつもりであるが、
デフレからインフレに急激にすれば、
《・・物価と税金が上がるのに、年金が減るという「三重苦」・・》、
無力な私は、ため息ばかり重ねている。

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