2023年9月に開幕した杭州アジア大会で、味の素が日本代表に和軽食を提供したブース。
パリ五輪でも同様の形式で行う(同社提供)
パリ五輪で、日本代表選手に活躍してもらおうと、
スポンサー企業や団体などが、国産食材を中心にした和食を提供する。
主催国フランスも参加各国の選手やスタッフのため、
世界中の500種を超えるメニューを準備しているが、
ここぞという時には、祖国の“本物の味”が、恋しくなるのが人情。
各国も食を通じた応援に力を入れる。
【画像】JA全農が提供する国産食材
フランスの大会組織委員会は、温室効果ガス排出量を過去の大会から、
半分に減らす目標を掲げる。
野菜を赤ワインで煮込む同国料理「ベジタリアン・ブルギニョン」などが出る
選手村食堂の食材の5割は植物性食品、3割が有機栽培。
同国産食材を8割使い、アジアやカリブなど世界の料理を出し、
大会期間中の食数は1300万に及ぶ。
その一方で、選手村の内外で、祖国の食事を提供する国も多い。
日本もその一つだ。
卓球日本代表のスポンサーを務めるJA全農は、
要望のあった女子選手のため、東北産米43キロ、国産パックご飯120個、
長野産キノコなどが入ったフリーズドライのみそ汁210個などを提供した。
選手たちにとって欠かせない祖国の味だ。
「ご飯のお供になる塩吹き昆布やのりもある。
お米をかき込んで、最高のパフォーマンスを発揮してほしい」(広報担当者)。
日本オリンピック委員会(JOC)スポンサーの味の素は、選手の強化支援事業として、
今大会の新競技・ブレイキン(ブレイクダンス)に出場する選手に
理想的な栄養バランスを取るための食事指導を行う。
五輪期間中は、競技開始前の選手に、
だし茶漬けや低脂質そぼろ、納豆、梅干しなど和軽食を提供。
パラリンピック期間には、選手の体を温める「だし湯」を振る舞う。
エネルギー源の補給に加え、選手がリラックスできる場をつくろうという狙いだ。
日本スポーツ振興センター(JSC)は、
選手村から車で10分の場所に、和定食が食べられる食堂や柔道の練習場、
サウナ、ウエートトレーニングルームなどを備えた4000平方メートルの支援拠点を
既存の建物を借りて整備した。
スポーツ庁から業務委託を受け、総経費13億円で運営する。
和定食は、選手の疲労回復、体調や体重管理など個別の課題に対応できる献立を考案した。
ご飯など主食2品、鶏唐揚げなど肉・魚類を使った主菜2品、
野菜やキノコ類を使った副菜2品、豚汁など汁物や果実を添えた定食を提供する他、
五輪会場への持ち出し用におにぎりなども作り、選手をサポートする。
日本農業新聞 ・・》
注)記事の原文に、あえて改行など多くした。