「寂光院」(じゃっこういん)
ガイドブックによると、平清盛の娘・建礼門院が晩年を過ごした、
「平家物語」の舞台としても知られる天台宗の尼寺。
山号は清香山、寺号を玉泉寺という。
創建は聖徳太子で、父の菩提を弔うために建立したということ。
厳かな美しい石段を登ると、山門が見えてくる。
本尊は聖徳太子作と伝えられる六万体地蔵尊であるが、平成十二年
五月九日発生の火災により損傷したため、収蔵庫に安置することとし、
現在本堂には復元された本尊が安置されている。
また、収蔵庫に安置されている六万体地蔵尊は現在も重要文化財に
指定されている。
なんとも尼寺らしく、楚々とした佇まいの本堂なのだろう。
初代住職は聖徳太子の御乳人であった玉照姫で、以後、貴族の姫らが
法燈を守り続け、文治元(1185)年9月、平清盛の息女で高倉天皇の皇后、
安徳天皇の御母である建礼門院がお入りになり、源平の戦に破れて遠く
壇ノ浦で滅亡した平家一門と我が子安徳天皇の菩提を弔いつつ、終生を
この地で過ごされた。
本堂前西側の庭園は、平家物語当時のままで、心字池、千年の姫小松、
苔むした石、汀の桜などがある。この樹齢千年の御神木の千年姫小松も、
本堂の火災によって痛みが激しくなり、遂に平成十六年夏に枯死した。
「祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり 沙羅双樹の花の色 盛者必衰の理を顕す」
写真上は、諸行無常の釣鐘。
本堂手前右側には、太閤豊臣秀吉の寄進、桃山城にあった南蛮鉄の
雪見灯籠(写真上右)
四方正面の池には、鯉がおりました。
「この庭園は幽翠で哀れに美しく、当時の余韻を残している。」と拝観の
際にいただいたしおりに記されていました。
こみあげるような物悲しさを感じました。
火災により復元された本堂、本尊、枯死した御神木。当時を偲ぶことは
できません。 しかし、静寂に包まれた境内には、いまもなおその姿で
脈々と生き続ける歴史を感じとることができるのです。
凛として、深い存在感のあるお寺でした。感慨無量です。
これこれっ!私が求めているのはこういう歴史をビンビン感じるお寺。
寂光院をあとに道なりに下ると、お土産物屋さんが並びます。
サプライズ!足湯に入りながら、陶器の絵づけができるんですって。
お茶もいただけます。
さて、大原の土産と言ったら「しば漬け」ですよ。 忘れず購入。
それと、お味噌も購入しましたっ。
お味噌汁の試飲をさせていただいたら、すっごく香りが良いのです。
味噌庵の蔵出し味噌です。味噌鍋に使っても美味しいとのこと。
冬はお鍋が恋しいですからね、お味噌で温まりましょう。