中国料理「香」(シャン)
オーナーシェフ、柴田順平氏は、銀座三笠会館をはじめ、薬膳では定評の高い南青山の
「Essence」を経て、経堂の四川料理の人気店「蜀彩」で腕を振るわれてきた経歴の持ち主。
国際薬膳調理師の資格を有し、漢方に通じた同氏の店は、地元の三浦野菜にこだわり、
化学調味料を一切使わず、医食同源がコンセプト。
最寄駅は山手になりますが、歩くと20分はかかり、バス又は車で向かうのが望ましく、
決してアクセスが良いとは言えない立地。
お聞きするとこの地を選んだのは、シェフのご実家がこの本牧だからという。
電話を入れたところ、夜のコース料理はオーソドックスなもので3,500円、ほか5,000円、
7,500円と予算に応じて組んでくれることも可能。ですが、初めてのお客様にはまずアラカルトで
食べていただき店の味を知ってもらうのが好ましいとのアドバイス。
至極まっとうである。電話口からも良き店の気配がぷんぷんだ。
実は当店には横浜中華街の某有名店の経営者も通われており、蜀彩出身のシェフが本牧に
店をオープン(2014年10月)させたと教えてもらい、かねてから伺いたかったのです。
白と木目を基調とし、シンプルながらも落ち着ける店内は奥行きのある造りで、
入口近くにもテーブル席がありますが、案内を受けたのは店内奥の2人掛けテーブル席。
この位置からはカウンター席と厨房内に立つシェフの姿を見ることができた。
総席数はおそらく20席に満たない感じかしら?
この日、店はシェフとギャルソンエプロンを着用したスタッフさんとの2人体制。
テーブル・セッティングは箸置き、箸。卓上には醤油、酢、紙ナプキン、爪楊枝。
メニュー類一式と、着座後には、香り付きタオル地おしぼり(トレー置き)が提供。
また、カトラリーバスケット内にはレンゲと予備の箸が入っていました。
アラカルトで注文のためメニューを広げ作戦会議。すると、スタッフさんが見えやすい位置に
ブラックボードを置いてくれました。この日のオススメである。
豚バラ大腸のもち米まぶし蒸しが目に留まったのでお願いすると完売とのこと。ううむ、残念じゃ。
しかし、嘆くことはない。グランドメニューにも魅力的な料理がたくさんあるのだから。
薬膳スープ 一碗@400×2
「Essence」さんでの経歴があり国際薬膳調理師の資格を持っているとなれば、
薬膳スープは外せない。グランドメニューの中から真っ先にチョイス!
この日の例湯は鶏肉、なつめ、山薬、じゃがいも、さつまいもを使った冬の風邪予防薬膳スープ。
メニューに各具材の期待できる効能が記されたあたりは、Essenceさんを想起させます。
(ノブロー) 蜀彩さんでも薬膳スープを提供してくれてるよな。好きだで。
蓋を開けると美味しそうな湯気が立ち上り、各具材が顔を覗かせる。
むっちりした鶏肉とほこほことした芋の甘みが核となるスープは身体を内側から温めてくれ
じんわりとした旨味で恍惚感に浸る味わい。ひと口ごとの味が優しくとても綺麗です。
よだれ鶏@800(税込)
オススメ印有り。
皮付きローストナッツの浮かぶ麻辣ソースの中央に鶏肉を配し、下にはキュウリと
スライスしたさつま芋もちょっぴり。トッピングは香菜ではなく刻みネギ。
香ばしく、辛味、甘味、苦味、旨味の共存するタイプでバランス感が妙妙。
「蜀彩」さんからのインスパイアが感じられる味だ。
豚タン薄切り山椒ソースがけ@600(税込)
水菜を添え、椒麻ソースの鮮やかなグリーンが皿を彩る。
柔らかい豚タンは臭みとは無縁で、品の良い味わいは別次元の美味さだ。
季節の野菜甘酢漬け@500(税込)
蓮根、白菜、カブ。野菜の持ち味を大切にした爽やかな甘酢の加減はパーフェクト!
味覚の切り替えにも役立つし、テーブルに置いておきたいひと皿です。
(ノブロー) ほおほお、こりゃあ、ええ箸休め思うで。マスト入りだな。
鴨の燻製香り揚げ(3種のソース添え)@1,800(税込)
オススメ印有り。
3種のソースは、甜麺醤、粒マスタード、蘇梅醤(梅ジャム)。
スモーク香が食欲をたきつける鴨肉は味が濃厚で、噛みしめるほどに
旨味に溢れ、見た目以上の完成度の高さ。
3種のソースの使用は好みですが、このままで十分に美味いと思う。とても満足。
担々麺@800(税込)
肉そぼろ、刻みネギ、漬物、干しエビ。
自家製芝麻醤を使った担々麺は、ゴマのコクに干しエビが風味をつけ、
辛さと酸味が調和した味わい。麺は縮れたタイプでスープによく絡む。
酸味が感じられる担々麺は自分好みなので、思わずにんまりであります。
(寝太郎) ほら、ノブも食べたいよな。 (ノブロー) ネタ!多謝。ありがとだー。
中華風カステラプーアル茶風味@350(税込)
茶風味ではありますが、こちらは普通。過度に期待しすぎたかな(汗)。
酒は、プレミアム@550×2、紹興貴酒5年640ml@2,300×2、
カメだし紹興酒デキャンタ300ml@1,000ほかで。
お会計は、1人当たり6,000円(千円未満四捨五入)
日本人シェフの作り上げる繊細な薬膳と四川料理の魅力を楽しめる本牧の実力店。
また、少しお話をさせていただきましたが、シェフは気さくで話やすく、とても感じが良いの。
初回ですがリラックスできて、ついつい長居をしてしまいました。
近くであれば断然通い詰めたい1軒。皆様にもオススメします。
香 (シャン)
神奈川県横浜市中区本牧町1-46
TEL 045-622-6578
営業時間/ 11:30~14:30 17:30~22:00
定休日 月曜日 -店舗情報「食べログ」より-