その日暮らし

田舎に暮らすこの虫は「カネ、カネ、カネ」と鳴くという。

雲と自由が棲むという里で百姓に成りきれるかな?

知らぬが仏

2009-10-24 23:17:25 | いろはかるた
「夢屋いろはカルタ」は42日目となり、『し』であります。江戸カルタでは『知らぬが仏』と相成るわけですが…。
深まる秋の昼下がり、お日さまに誘われて、今満開の『セイタカアワダチソウ』を眺めておりますと「アブラムシ」と天敵『ナナホシテントウムシ』とが急接近。食べられてしまうのか…との淡い期待を他所に、アブラムシはテントウムシの横を難なくすり抜けて行きました。このアブラムシは、恐らく『セイタカアワダチソウ/ヒゲナガ/アブラムシ』余りにも名前が長いので、本来の名前に区切りを入れてみました。これと似た種に『キク/ヒゲナガ/アブラムシ』という名前のアブラムシがおりますが、宿主が『セイタカアワダチソウ』なので、恐らくという言葉を入れて同定してみました。いずれにしても長い戒名であり、有難いというよりは舌を噛んでしまいそうな名前だということに気を取られ、次の瞬間には名前を忘れ去られてしまう悲しきアブラムシであります。
           
同じアワダチソウの花では『日本ミツバチ』が口吻を伸ばして、盛んに蜜を集めております。今年は、春先から『西洋ミツバチ』が原因不明の大量失踪事件や大量死事件を起こし、果樹農家で入手困難と成り、果樹価格に影響を及ぼすのではないかなどと話題となりましたが、在来種は個体数こそ少ないものの、どっこいこうして生きています。移動性が強かったり、蜜を集める能力が『西洋ミツバチ』に比べて劣るという人間様のご都合主義により、利用されていませんが、中々の働き者です。
           
さらに、数種類の「アブ」が秋の日差しを浴びながら、盛んに蜜や花粉を舐めております。彼らは間近に迫っている自分の死というものを知る由もありません。「知る(知覚)」ということと「知っている(知識)」ということは、比較的寿命の長い哺乳類に与えられた特質かもしれませんが、こうして花を訪れ吸蜜している様子を見ていると、累代にわたって遺伝子に刷り込まれた現象と片付けてしまうのではなく、何らかの知恵や知識を持っているのではないかなどと考え込んでしまいます。
いずれにせよお日様の下で、昆虫たちは平等に生きる権利を与えられております。そこには喰うものと喰われるものの関係は存在しますが、『セイタカアワダチソウ』の蜜を独り占めしようなどという不心得者は存在しませんし、彼らにすれば十分な食料と秋の暖かな日差しは、平和な世界を維持するのに過不足ない環境であると言えます。
一国の首相の総資産額が14億円有ろうと無かろうと『知らぬが仏』、いやいや、知ったところで興味の無い話でありましょう^^;
コメント
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