その日暮らし

田舎に暮らすこの虫は「カネ、カネ、カネ」と鳴くという。

雲と自由が棲むという里で百姓に成りきれるかな?

秋上げ(無駄のない生活)

2020-09-16 05:33:07 | 転職

一年を十日で暮らすいい男…

いえいえ、我が家の「バインダー」は、一年に一時間の稼働で役目を終えてしまいます^^; 二年前までは、7aの『夢屋田』に「ヒメノモチ」を植えておりましたが、相方の『クワちゃん』が離農し、乾燥機にも入れられない程の少量栽培なので、天日干し後の脱穀さえ出来ないため、『夢屋田』の片隅1a程の場所に細々と栽培しております。それでも半俵(はんたら=30㎏)ほどの収量がありますけれど、我が家では30㎏のモチ米さえ消費しきれない状態であります。昔は、親類が集まれば、何の持て成しも出来ないので「餅を搗く」のがお決まりでありましたけれど、餅を搗き、後片付けする手間が厄介と感じてしまうのでありますよ。
たった一時間の朝飯前の仕事でありますけれど、バインダーを小屋から引っ張り出してエンジンを掛け、注油して、結束紐を通して(これが中々決まらない^^;)田んぼに移動して刈り取り作業の開始…アハハ、刈り取り作業前の『腰上げ作業』が億劫なお年頃になってしまいました^^;


今年は、「杭掛け」にしました。

我が在所では、6束(たば)を1束(いっそく)と数え、8束(はっそく)=48束を杭に掛ける『八束掛け』…「租」の名残なのでありましょうか?古代日本では、10把=1束(たば)として、収量基準としていたようでありますなぁ。10把=1束なら、稲杭5本、バインダー刈りなら4本で概ね1俵取れると換算できますよ^^;
子どもの頃は、親父が杭を立て、その両側に8束(はっそく)積仕事でした。たまに、7束だったり9束だったりすると怒られたりしてね…何で50束(たば)じゃいけないのか?その方が子どもには数えやすいんですけれど…。お歳を重ねても、子どもの頃からの慣習に従っておりますが、ふと「6進法」にたどり着く。「6進法」なら片手で数えて、0、1、2、3、4、5で右の片手で数えられるんだなぁなんてね。しかし、位を上げて左手を使っても36束(たば)までしか数えられませんけれどね^^; 真っすぐな稲杭に刈り取った稲束が掛かる訳がないから、横木を二本(場所によっては一本)結いつける。これを『かんざし』と呼んでいましたけれど、確かに髪を結い上げる際の「簪(かんざし)」に見えなくもない。今ではビニール紐で結束しておりますが、昔は稲わらで『つなぎ』を作って括り付けていたものであります。
収穫期の最終段階や稲刈りが終わることを「秋上げ」と言いますが、春の苗取り作業に始まり、稲刈りが終わるまで、昔は稲わらを含め、無駄のない生活をしていたんだなぁなんて、改めて感心している次第でありますよ(笑)

コメント
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