1月11日は「鏡開き」…我が在所では「仕事初め」とも言うのであります。本来は旧暦の小正月を中心に行われた行事なのでありますが、農家では11日に藁仕事を始めたと言われております。我が集落の神社のしめ縄も、若衆たちが11日に造り直し、架け替えを行っておりました。昔は初雪の頃まで稲の脱穀を行っていたと言いますから、結構悠長な仕事ぶりであったようですし、大体、雪が降ってしまうとすべき仕事が無いのも事実であります。
さて、東くめ作詞、瀧廉太郎作曲の「お正月」という唱歌に、「お正月には凧揚げて 独楽を回して遊びましょう~♪」という歌詞が出てきますが、私は子どもの時から違和感を感じて育ちました。お正月…凧揚げ…風…吹雪…と続くイメージ。つまり凧揚げをするために風が吹く時は、間違いなく我が在所では吹雪であり、吹雪の中を凧を揚げて遊ぶというイメージが湧かなかったのであります。
東くめは、和歌山県新宮市出身で、一時期、東京在住。瀧廉太郎もまた東京都生まれ…西高東低の冬型の気圧配置で、正月に凧揚げに適した風が吹く時は、東京は快晴(寒いですが^^;)、東北の日本海側(かつては、裏日本と呼ばれたのでありますが)は雪なのでありますから、さもありなん。小学6年生の時に、東京下町の叔父の家で1週間ほど過ごした時、荒川辺りの河川敷で、同年代の子どもが凧揚げをしている光景を見て、初めて歌詞と光景が一致したのでありました。
だからと言って、子どもの頃、凧揚げをしなかった訳ではありませんよ。一番末の叔父が、農業資材の竹を使って凧を作ってくれた記憶があるのですが、残念ながらお菓子の包装紙なんかを使って紙を貼るので、微風では重くて揚がりません^^; 駄菓子屋で10円程度で売っていた凧が、軽くて良く揚がるんです。凧糸は丈夫なのですが、高価で長さも短いことから、専ら蝋引き50番のミシン糸…当時50円位で買えたような気がします。(先ほどネットで調べたら、安い木綿糸でも500円位するんですねぇ。)田んぼには電線がありませんから、調子に乗って高く揚げていると、最後は回収不能になってしまったりして…^^;
あれま「仕事初め」の話題が、いつの間にか「凧揚げ」の話題になってしまいました。たまに、澄んだ青空が見えると未だに自力で空を飛んでみたいと真剣に考えるのであります。『夢屋国王』の仕事初めは、「凧造り」でもしてみますか…あれれ、昨日まで「イグルー」造りで遊んだのではなかっただろうか…いえいえ、「凧造り」はあくまで「仕事初め」であります^^;