毎日、いろいろなことが起こる。文句を言わなくてはならないこともある。そのストレスで昨日はソファーで寝込んでしまった。普通ならきちんと寝床にはいるのにそれさえもできなかった。朝起きたら、あさドラが始まる時間だった。今日はお茶に行く日だ。1ヶ月近く離れているので、さすがに復習した。久しぶりのお茶の練習が嬉しかった。お茶の世界にはいるとほかの事は忘れられる。
先生のお宅のドアを開けるといつものように炭の香りがする。あたたかい匂いだ。長浜に越すのに一番心残りのことがこのお茶の先生と仲間とのお別れだ。この先生の下で、資格をとっていこうと決意したからだ。ただ、引越しはとんとんと進んでしまった。正直に事の流れを先生にお知らせした。先生から届いたメールは決断を喜んでくだる内容だった。嬉しかった!
私の中にあった古典的なものへの憧れがこのお茶室で始まった。風炉だったが、静かなお茶室に湯の滾る音だけが聞こえた。その静寂さとあたたかさが私をどんなに癒してくれたことか!これなら人が癒されるとも思った。毎回拝見する掛軸やお茶花。清楚な美にも心が癒された。夕方なると、障子を通して日が翳るのがわかる。
「初釜やお茶時の時にはぜひいらしてくださいね。ここは私たちみんなで守っていますから」と先生が言われた。お稽古を見ているだけで涙が出てきたのに・・・。
「家庭のあたたかさとか明るさはやはり火鉢のあたたかさ、一杯のお湯の温かさ、炭火の明るさではないかしら」と先生は言われた。そうだわ、私にもできる家庭のあたたかさ、あかるさがある。あなたにそのあたたかさとあかるさを届けたいのです。