半そでで外へ出ると寒いくらいだ。伊吹山がくっきり見える。9月も半ば過ぎ、秋は確実に近づいてきた。長浜の夕方の町は昼と違う風情がある。ステンドガラスの灯籠に灯が入ると異国の情緒もある。面白い町だ。
なんとなく仕事に乗らないと、ネットの記事をあれこれ見ている。国公立・私大の医学部への進学者の多い高校のランキングが地域別に出ていた。やはり、私立高校が多い。中高一貫校の強みと医学部進学コースがあるからだろう。私立中学への進学には、小4くらいから塾に通い、毎日毎日が受験勉強になる。一部の中学校では、考える力が必要な問題がでるが、やはり知識重視の問題が多い。塾が終わるのが9時近く、家に戻ってまた勉強だ。そんな受験勉強の方棒を担いでいたが、どうみても健全とは思えない。外遊びをして、生き物と触れたりして「いのち」を学ぶのにいい時期なのに・・・。
ここ長浜は(滋賀は)子育てにはいいところだと思う。歴史文化もあり、琵琶湖に住む生物に触れることもできるし、山に行って植物や地形も学べる。来世で子育てをするなら、ここがいいと思う。今の子どもたちは、ぜいたくな部屋を与えられ、スマホがお友だちで過ごすことが多い。「触れてみる」ということがない。受験のためにしか、植物も生物も憶えない。
店先にイチジクが並び出した。育った家には大きなイチジクの木があった。今頃は、祖父母とイチジク採りをはしごに登ってしていた。雀が来たり、ハチが来たりしていた。台風が来ると池が溢れて金魚が死んでしまったりした。そういう時代を生きられたこと、都会ではあったが四季折々の花を植えてくれた祖父に感謝するこの頃だ。男の子でも女の子でも、毎日自然の触れてたくましく育ってほしいと思う。来世の子育てが楽しみだ。