滋賀県在住の画家ブライアン・ウィリアムズの絵を観てきた。曲面絵画という手法は耳慣れないが、ことばどおり曲面をつけて曲げた合板などがキャンバスの替わりになっている。カーブがついているので観た角度で印象が異なりおもしろい。
地元滋賀県の風景が多いが、私が観たかったのはヒマラヤを描いた大作。雄大で素晴らしい作品だった。展覧会の会場は滋賀県守山市にある佐川美術館。その名のとおり佐川急便が公益財団法人として運営している。佐川急便といえば、かって政界汚職事件もあったところであまりイメージがよくなかったが、こんなこともしているのかと少々意外だった。
美術館の敷地からは木の間越しに琵琶湖の対岸の先日行った蓬莱山の稜線が見える
美術館の建物は水に囲まれたシンプルで美しいデザイン。内部の調度もなかなか凝っている。
今回のウィリアムズ展は企画展だが、常設としては平山郁夫の日本画と佐藤忠良の彫刻が主な収蔵品のようだ。なかはゆったりとした居心地のいい空間になっていてレストランもある。
アイスクリームを食べようとメニューを見たら、「ふなずしアイス」なるものがあった。滋賀県の名産ふなずしの発酵したクリームチーズのような風味を生かしたものらしいが、食べる勇気はなく抹茶アイスをいただく
美術館に隣接して陸上競技場があるがこれも佐川急便のものらしい。そういえば先日決まったオリンピック男子マラソン代表の一人は佐川の陸上部所属だった。競技場の後の趣味の悪い建物はラブホテル。芸術をスポーツの環境に恵まれたこのエリアのすぐ隣がラブホテル街とは、滋賀県の環境条例はどうなっているのだろうかと思ってしまう。
美術館としてはすばらしく再訪したいところだが、神戸からは少々遠い。こういった私企業運営の美術館は他にもあってみな社会貢献の一環としての事業なのだろうが、それにしても財力があるなぁと思ってしまう。