1960年代のパリが舞台。妻と2人の息子とパリのアパルトマンで暮らしている株の仲買人のジャン・ルイの家庭はメイドを雇うことができるくらいの中産階級である。妻のシュザンヌは家事はメイドに任せ、社交生活に何かと忙しい。
そんな家に、これまで雇っていた年配のメイドの代わりにマリアというスペイン人の若いメイドが雇われてやってくる。マリアは同郷の他のメイド仲間と一緒にジャン・ルイの暮らすアパルトマンの屋根裏部屋に住んでいる。そこはトイレも故障し、暖房もなくけっして恵まれた環境ではないが、メイドたちは助け合って明るく暮らしている。
ジャン・ルイは壊れたトイレを直してやったことをきっかけに、同じ建物に住んでいてもそれまで無関心だったメイドたちの暮らしぶりが気になり始める。あることがきっかけで妻ともうまく行かなくなり、マリアに引かれていき、やがて自分の生活に疑問を持つようになる。そんな彼が採った道とは・・・。
そばかすだらけでやせぎすの妻より、若くてかわいいマリアに引かれて自分の生活を見直す、っていうのがなんだか男にとって都合のよすぎる話に思えてくる。
出稼ぎのためメイドを送り出しているフランコ将軍の軍政下のスペインと、それを雇っているフランスの関係がそのままヨーロッパでの両国の経済格差を表しているが、ユーロ危機の今の状況もあまり変わっていないような、そんな気がしてきた。