今日は広河原へ下山するだけなのであわてなくてもいいが、テント場の朝は早く、0400時ごろには他の人は皆撤収にかかっていて目が覚めてしまう。昨日までは夏山シーズン真っ盛りということで広河原からのバスの便も多いのだが今日からは本数が減ってしまい、身延に出るにしても甲府に出るにしても丁度いい時間のバスがない。乗り合いタクシーがあるかもしれないということで行き当たりばったりで0630時下山開始。
広河原峠までの道で、木の間越しだが3日目にしてようやく北岳の姿が見える。いよっ、日本のNO.2!
30分ほどで広河原峠着。ここからは八ヶ岳の峰々がくっきり見える
ここからの樹林帯はなんとなくクマが出そうな感じなので鈴をつけていく。道は部分的に荒れているが要所要所に赤テープが付いているのでわかりやすい。
倒木に生えたビロードのようなこけ
こちらはまるでマリモみたい
広河原からの北岳
広河原までは案外時間がかからず0830時バス停着。身延にも甲府にも路線バスは午後からしか出ていない。どうしたものかと思っていたら、昨日の早川尾根で抜きつ抜かれつした女性の3人組が乗り合いタクシーのドライバーと交渉中で相乗り者を募っていたので甲府まで便乗させてもらうことができたのはラッキーだった。
その乗り合いタクシーで相乗りした男性の話
その方は本来なら昨日下山予定だったのだが今日になってしまったという。そのわけは昨日の午後、鳳凰三山から白鳳峠を下山中、30Mくらいの距離でクマに遭遇してしまって30分ほどにらみ合った状態で相手が逃げるのを待っていてそのせいで最終バスの時間に間に合わなかったとのこと。
この男性は宝塚の方で、湖西の比良山系の武奈ヶ岳への登山口坊村付近でもクマに遭遇したことがあるそうだ。
一般的には人間を見たらすぐクマの方から逃げるといわれているがそうともいえないらしい。鈴も鳴らしていたそうだが、クマの方が風上で聴こえなかったのかもしれないとのこと。背を見せて逃げると追いかける習性があるので、あわてて騒がず、冷静にゆっくり後ずさる、というのが一般的な対処方法とはいうものの自分が居合わせたらできるだろうか少々心もとない。
クマにとってはこちらが闖入者なのだから友好的に接して、願わくば平和な関係をお願いしたい。
クマは怖いが山には登りたいし・・・。クマったものだ。