1953年、イギリスの組織した登山隊が史上初めてエベレストの登頂に成功した時の話。計画の主体はイギリスだが実際にはニュージーランド人のヒラリーと現地のシェルパテンジンの2人が登頂に成功したことはよく知られている。その時の実際の映像、インタビュー、俳優による再現ドラマを組み合わせて登頂までの軌跡が描かれている。日本の山と違って行ったことのないところなので突っ込む余地なし。
日本人としては1970年に植村直己たちが初めて成功しているが、今とは装備も比べものにならないし、ルートも自ら切り開かなくてはならないしその苦労や計り知れず、死も覚悟の上の挑戦、なにごとも最初に成し遂げるのはたいへんなことだと思うばかり。それでも最高峰を極めたいという人間の欲求は果てしなく、初登頂のあとも、違うルートから、無酸素で、季節を変えとか、より難しいチャレンジが続いている。今では自前の登山隊ではなく面倒なお膳立てを請け負う業者の公募によって集められ挑戦する人が多いようだ。高いところが好きなのは煙となんとかばかりではなさそうだ。
調べてみるとこれまで登頂に成功した人は4000人ほどもいるという。ということは失敗した人はその何倍いることか。映画の中でもイギリス隊の前に挑戦して失敗したスイス隊が装備を残して撤退した様子が描かれているように、ものすごい量のゴミが残されているのだと改めて思う。もっともゴミだけではなく亡くなった人の遺体も回収されず、というよりできずに100体単位で放置され、それを横目に見ながら登らなくてはならないとのこと。いやはやなんともすごい話である。