ロッコさんの散歩

街を歩く。近くの山に登る。店に入って安くておいしいものを食べる。掘り出し物を見つける。それが散歩の醍醐味。

最高の花婿

2016年05月03日 | 映画

フランスの田舎町に住む夫婦には4人の娘がいる。カトリック教徒である夫婦は地元のカトリック教会で娘たちが結婚式を挙げることを楽しみにしていたのだが、長女はイスラム教徒、次女はユダヤ教徒、三女は中国人の相手と結婚してしまい願いがかなっていなかった。最後に残った4女がついにカトリック教徒と結婚することになり喜ぶのだが、その相手はコートジボワール出身のドレッドヘアの黒人の青年。

家族で集まって食事するにも宗教の違いがあったり、花婿同士の行き違いがあったりもしてすったもんだ。4女の父親と花婿の父親の対立もあったりするが、最後は希望通りその教会で結婚式を挙げ、めでたしめでたしといくのか・・・

かっての植民地政策もあり、国境も接し移民を受け入れ異教徒、異民族との接触が当たり前のヨーロッパではありえる話だが、実際に家族として受け入れるには抵抗やら障害やらもあるのは当然のこと。2013年制作の作品だが、その後特にイスラム教徒への風当たりが強くなっている現在観ると笑い話ばかりではすまなさそう。

似たような価値観を持った人間に囲まれた社会で暮らしていればストレスの元も少なく心地よいかもしれない。けれど刺激には欠け、どうしても狭量な考えに陥ってしまいがち。価値観の違う人たちを最初から十羽ひとからげに国籍や宗教で排斥することはお互いの対立を深め、時には深刻な事態に発展してしまうのは自明の理。多様性の尊重しか共存の道はないのではという月並みな考えしか浮かばないのだった。

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