ロッコさんの散歩

街を歩く。近くの山に登る。店に入って安くておいしいものを食べる。掘り出し物を見つける。それが散歩の醍醐味。

木下恵介生誕百年

2012年08月01日 | 映画

大阪に出たついでに九条のシネ・ヌーヴォで開催されている「木下恵介生誕百年特別上映会」で昭和30年製作「遠い雲」を観る。

舞台は飛騨高山。冬子(高峰秀子)と圭三(田村高廣)は幼なじみでお互い好意を持っていたが結ばれず、冬子は別の男と結婚するが、今は未亡人になって一人娘と婚家に身を寄せている。久しぶりに故郷に帰った圭三は今でも冬子が好きで心が騒ぐ。婚家には義弟俊介(佐田啓二)がいて、彼も冬子に好意を寄せていて結婚を申し込みたいと思っている。2人に挟まれた冬子の決断やいかにという話である。

地方都市飛騨高山のなかで、戦後とはいえ強い女にはなれず周囲の思惑や批判に惑わされ自分を主張できない女に少々じれったさを感じるが、この時代としてはむしろ普通なのかもしれない。

昭和の雰囲気満載の懐かしい香りがする作品だった。佐田啓二も田村高廣もまだ20歳代だと思うが、なかなかの男前で、特に佐田啓二は息子よりもいい男に思える。もっとも、30歳代半ばで亡くなってしまっていていつまでも若いままで観られるのだから、中井貴一も太刀打ちできなくて気の毒である。

上映されているお大阪九条の映画館「シネ・ヌーヴォー」

こちらも今どき少ない昭和の匂いのする映画館だ。この催し、9月の初めまでやっているので再度足を運びたい。

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