庭にやってくる、いろんな鳥の中に、カーディナルという種類の鳥がいる。
オスは頭が真っ赤で、
メスは地味な茶色。
最近、どうやら夫婦と思われる2羽が毎日のように訪れる。
この2羽が、なぜ目にとまるかというと、
赤い頭のオスのあとを、茶色い頭のメスがついてまわり、
ひっきりなしに、ヂー、ヂー!と何か喋り続けている。
オスは聞こえないふりをして、芝生の中の虫をついばむ。
オスがどこに移動しようとも、メスは離れず、喋るのをやめない。
その姿はまるで人間のようではないか。
「今日、田中さんてば何て言ったと思う?」
「・・・」
「まるで私がゴミ出し当番をズルしているかのような言い草でさ、ちょっと聞いてンの?」
「・・・」
鳥だったら、さしずめこんな会話だろうか。
「巣を作るって言ってから、もう半月もたつじゃないのよ。いつできんのよ?」
「・・・」
「この前みたいに、風でとばされるような巣じゃ困るわよ。早くしないと間に合わないわよ。
こんなところで油売ってる暇があったら、巣の材料を集めなさいよ!」
「・・・」
いつもはだんまりを決め込んでいるオスが、
今日、初めて逆襲に出た。
がなりたてるメスに向かって、羽根を広げて威嚇したのだ。
メスは驚いて、5m以上はなれたバナナの木の根元でしばらく虫をついばむフリをしていたが、
ほとぼりが冷めると、オスの近くに戻ってきて、
さきほどよりは多少距離をおきながらも、再びヂー、ヂー!と喋りたてる。
オスはまただんまりを決め込む。
鳥は気楽でいいと思うのは、鳥の世界を知らないからであろう。
鳥には鳥の事情がある。
私たち人間に、いろんな事情があったって、それは自然なことなのである。
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オスは頭が真っ赤で、
メスは地味な茶色。
最近、どうやら夫婦と思われる2羽が毎日のように訪れる。
この2羽が、なぜ目にとまるかというと、
赤い頭のオスのあとを、茶色い頭のメスがついてまわり、
ひっきりなしに、ヂー、ヂー!と何か喋り続けている。
オスは聞こえないふりをして、芝生の中の虫をついばむ。
オスがどこに移動しようとも、メスは離れず、喋るのをやめない。
その姿はまるで人間のようではないか。
「今日、田中さんてば何て言ったと思う?」
「・・・」
「まるで私がゴミ出し当番をズルしているかのような言い草でさ、ちょっと聞いてンの?」
「・・・」
鳥だったら、さしずめこんな会話だろうか。
「巣を作るって言ってから、もう半月もたつじゃないのよ。いつできんのよ?」
「・・・」
「この前みたいに、風でとばされるような巣じゃ困るわよ。早くしないと間に合わないわよ。
こんなところで油売ってる暇があったら、巣の材料を集めなさいよ!」
「・・・」
いつもはだんまりを決め込んでいるオスが、
今日、初めて逆襲に出た。
がなりたてるメスに向かって、羽根を広げて威嚇したのだ。
メスは驚いて、5m以上はなれたバナナの木の根元でしばらく虫をついばむフリをしていたが、
ほとぼりが冷めると、オスの近くに戻ってきて、
さきほどよりは多少距離をおきながらも、再びヂー、ヂー!と喋りたてる。
オスはまただんまりを決め込む。
鳥は気楽でいいと思うのは、鳥の世界を知らないからであろう。
鳥には鳥の事情がある。
私たち人間に、いろんな事情があったって、それは自然なことなのである。
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