ポップコーンが、言えない。
会話の流れでポップコーンをはさめば、通じる。
しかし、ポップコーン単体だと通じにくい。
同僚達が、教えてくれる。
彼らの出す音、口の形を真似して言うが、ダメ出しばかり。
何度も言っているうちに、
「うんうん、よくなってきた!」
と言われても、いったいどこがどう違うのかわからないので意味がない。
そんなことはポップコーンに限ったことではないのでいいのだが(よかないけど)
発音の練習は私にストレスしかもたらさない。
家に帰って、夫に「ポップコーン」と言ってみる。
「No」
瞬殺。
ポップ、は「ぽっぷ」ではなくて「パップ」だ。
難関は、CORNの「R」と「N」だ。
Rから始まる発音は、わりと楽に攻略できる。
しかし、間にはさまったRと、最後のNは、正しく発音するのは難しいと思う。
最後のNは、彼らは「ンヌ」と言う。
でも私が「ンヌ」と言っても、それは違うという。
5分ほど、夫と発音のやりとりをしているうちに、私の堪忍袋の緒が切れる。
「だいたいね、ずるいんだよ!」
「ずるいって何が?」
「あんたたち英語が母国語の人間は、なんの苦労もなしに大抵の場所で母国語が使えるんだから!」
「そんなこと言われても」
「何の苦労もしないから、苦労している人を簡単に笑うんだよ。ばかにするんだよ」
「いや、僕はばかになんかしないよ」
「第二言語で生活することがどんなことか知らないから、『あなた英語が話せるの?』とか平気で言うんだよね!
そんなのに限って英語しか話せないくせに何様だっていうんだよッ!」
「他の言語を扱うことの大変さは僕もわかってるよ」
「ああもういちいち弁解しなくっていい!あんたしか言う人いないから言ってるだけでしょッ!」
「スミマセン・・(日本語)」
かわいそうな夫。
40をいくらか過ぎて英語を話し始めた私にとって、いまだに英語はコンプレックスだ。
度胸と開き直りのおかげで、言葉で困ることはないが、「正しい英語」の壁は厚い。
だからそこを突かれると、怒りのスイッチに余熱が入る。
正しい発音をしたいという気持ちはおおいにあり、最初は謙虚な気持ちで教えを請う。
そしていつもこんなふうに5分ぐらいで爆発し、八つ当たりして終わる。
その繰り返し。
そのはけ口はいつも夫で、やはり夫が気の毒である。
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会話の流れでポップコーンをはさめば、通じる。
しかし、ポップコーン単体だと通じにくい。
同僚達が、教えてくれる。
彼らの出す音、口の形を真似して言うが、ダメ出しばかり。
何度も言っているうちに、
「うんうん、よくなってきた!」
と言われても、いったいどこがどう違うのかわからないので意味がない。
そんなことはポップコーンに限ったことではないのでいいのだが(よかないけど)
発音の練習は私にストレスしかもたらさない。
家に帰って、夫に「ポップコーン」と言ってみる。
「No」
瞬殺。
ポップ、は「ぽっぷ」ではなくて「パップ」だ。
難関は、CORNの「R」と「N」だ。
Rから始まる発音は、わりと楽に攻略できる。
しかし、間にはさまったRと、最後のNは、正しく発音するのは難しいと思う。
最後のNは、彼らは「ンヌ」と言う。
でも私が「ンヌ」と言っても、それは違うという。
5分ほど、夫と発音のやりとりをしているうちに、私の堪忍袋の緒が切れる。
「だいたいね、ずるいんだよ!」
「ずるいって何が?」
「あんたたち英語が母国語の人間は、なんの苦労もなしに大抵の場所で母国語が使えるんだから!」
「そんなこと言われても」
「何の苦労もしないから、苦労している人を簡単に笑うんだよ。ばかにするんだよ」
「いや、僕はばかになんかしないよ」
「第二言語で生活することがどんなことか知らないから、『あなた英語が話せるの?』とか平気で言うんだよね!
そんなのに限って英語しか話せないくせに何様だっていうんだよッ!」
「他の言語を扱うことの大変さは僕もわかってるよ」
「ああもういちいち弁解しなくっていい!あんたしか言う人いないから言ってるだけでしょッ!」
「スミマセン・・(日本語)」
かわいそうな夫。
40をいくらか過ぎて英語を話し始めた私にとって、いまだに英語はコンプレックスだ。
度胸と開き直りのおかげで、言葉で困ることはないが、「正しい英語」の壁は厚い。
だからそこを突かれると、怒りのスイッチに余熱が入る。
正しい発音をしたいという気持ちはおおいにあり、最初は謙虚な気持ちで教えを請う。
そしていつもこんなふうに5分ぐらいで爆発し、八つ当たりして終わる。
その繰り返し。
そのはけ口はいつも夫で、やはり夫が気の毒である。
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