太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

スーツにサムソナイト

2018-06-21 19:33:51 | 日記
アーティスト友人のマイクが、ロスアンジェルスからハワイに来たのは1968年だという。

当時のハワイは、今とはまったく違っていた。

街の様子もそうだし、日本人もそれほど見かけなかった。

「今でも覚えてる。空港に行くと、日本から来た旅行者がサムソナイトのスーツケースをもって

男の人はスーツにネクタイ、女の人もスーツを着て革靴で歩いているんだよ」



日本人が、気軽に海外旅行に行くようになったのはいつごろからだろう。

私が子供の頃は、家族で海外旅行に行く人など身近にいなかった。

高校生になっても、夏休みにフランスに行ったなんていうのは医者の娘だけだった。

家族で行くのは熱海の温泉、そんな時代だった。

1969年、母は忙しくて留守にしがちだったから、私は15円を握り締めて循環バスに乗った。

循環バスだから、乗っていればまた家の近くのバス停に戻ってくる。

バスには女の車掌さんがいて、「次のバス停だからね」と教えてくれた。


私が一人で循環バスに乗っていた頃、海外旅行をしていた人たちもいたのだ。

日本人旅行者といえば、黒縁めがねに首から提げたカメラ、というイメージは、もっとあとの時代だろう。

今はみんなラフな服装で、旅慣れている。

小さな子供連れで、気軽に外国に行く。

キャリーのついていない重いスーツケースをさげて、おしゃれをして海外旅行に行っていた頃の日本人にとって

海外は今よりもずっとずっと遠い場所だったことだろう。











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いつまで青春、いつまでもトキメキ

2018-06-21 08:25:11 | 日記
自分の情報を登録して、人生のパートナーを探すシステムは、

日本だとなんというのだろう。

ここではとてもポピュラーで、そういうサイトがものすごくたくさんある。

身近に、そういう場所を通じて出会い、仲良くしている人も、結婚した人もいる。

日本人の友人が、最近そこに登録した。

出会う準備ができている人に確実に会えるのだから面倒がないし、手っ取り早い。

知り合いから友人になり、恋愛感情が芽生え、相手の気持ちを推し量り、あれやこれやと駆け引きをする。

それはそれで恋愛の楽しみでもあるけれど、50を過ぎたらもう、そんなことをしている時間はないといえばない。

ユーミンの歌『待ち伏せ』の世界は、若者の特権だ。


友人は、一人の人と数回会ったが、人柄も含め、結婚相手としての条件は申し分ないのに、トキメかない。

というところで渋っている。

トキメキよりも、人生と心の安定のほうが大事じゃん。とは私も言えないでいる。

たとえ茶飲み友達であっても、多少のトキメキがなければつまらないと思うからだ。

娘達が、結婚適齢期(昔はあったのよ)を過ぎても結婚しないので、焦りを募らせていた母が

「もう!誰と結婚したって同じだよッ!」

と言い放ったことがあった。

五月みどりさんに言われるならまだしも、父しか知らない母に何がわかる、とその時は反抗したものだ。

誰と結婚してもそれなりの学びがあり、幸せも波乱もあるのだから、そういう意味では同じなのだろうが

それじゃ、似たような条件なら誰でもいいかというと、そうではない。

なにか背中を押すもの、想像をかきたてられるもの、それを分かち合いたいと思わせるもの、

それが私はトキメキだと思う。



さて、その出会いのシステムには、自分の許容範囲の年齢枠を記載するそうで

いろんな年代の人からメッセージがくるらしいのだが、


「92歳の人からもゴリゴリのメッセージがくるんだよぅー」


ひーーー!!92歳!!

登録する年齢制限はないのか。




「それじゃ焦らなくても、あたしらあと40年近く時間があるじゃん」

「生きてないよ、もう」

「うっかり生きてたらどうするよ」



92歳でもまだ青春しようとしている。

私が92になったとき、誰かと出会いたいと思う心のゆとりがあるだろうか(健康もね)。

50代なんかヒヨっこだ。

私は今日からその人を師匠と呼ぼう。

「会ってみればいいじゃん」

「やだよう、ひとごとだと思って」

「師匠がどんな人か、この目で見てみたい。そして教えを仰ぎたい。だから私も連れてゆけ」

「絶対にいやだ」



師匠がすてきな出会いに恵まれることを、心から祈らずにいられない。















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